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歯車で動く「デジタルなのにアナログな数字カウンター」が気持ちいい 理解が追い付かない複雑カラクリ、開発のきっかけ聞いた(1/2 ページ)

デジタルだけど、アナログウォッチのような味わい。

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 電卓やデジタルウォッチに用いられる「7セグメントディスプレイ(7セグ)」を、からくりで実現した装置が見事な完成度です。レバーを弾くと歯車がカチャカチャ動いて数字を1ずつ刻む、ロマンの詰まったカウンター。

表示面には、数字を構成する棒の付いた軸が、3つ取り付けられている
右のレバーを弾くと、それぞれの軸が回転
棒の並びが変わり、0から1に
もう1度弾いてさらに回転
1から2へ

 7セグは、7つの画(セグメント)を個別にオン・オフして、数字やアルファベットを表現する方式。Twitterユーザーの「宇生(たかお)の工作(@YBB_824)」さんは、通常はLEDや液晶で表されるセグメントを棒に置き換えて、機械式で表すことに成功しました。操作するたびに、セグメントの付いた3つの軸が回転し、組み合わせが変わって0から9までの数字を表す仕組みです。

 これだけでも十分すごいからくりですが、複数連結するだけで桁を増やせる点も秀逸。つなげると互いの歯車がかみ合い、1の位が9から0に切り替わったときに、繰り上がりで10の位が増えるよう工夫されています。

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4桁バージョン
1の位が0になった瞬間、10の位も回転して9959から9960へ
9999からレバーをもう1回
全ての桁が駆動して0000へ!

 仕掛けの動きや駆動音が気持ち良いデモ動画は、「こんな時計欲しい」「単体でも良いのに合体するのがかっこよくてワクワクする」「仕組み的に何桁までもいけるのがすごい」などと大好評。編集部は作者の宇生さんに、仕組みの詳細などを聞きました。

―― 仕掛けの開発を始めたのはいつごろからでしょうか。

宇生の工作 この「3つの部品(軸)で0から9までの数字を表現する方法」を思いついたのは、2019年の4月ごろです。当時は本格的な工作の経験がなくてアイデアを寝かせていましたが、その翌年、からくりクリエイターの鈴木完吾さんが作った「秩序ある無秩序」(関連記事)に触発されて、自分も作りたいと強く思いました。コロナ禍で大学への通学がなくなるなど、さまざまな事情が重なって時間に余裕ができ、現在ここまで作れるようになったわけです。

影響を受けた「秩序ある無秩序」

―― 仕掛けの詳細を教えてください。

宇生の工作 1桁目用の装置は、指でレバーを持ち上げるごとに、内部に組み込まれているトーションばねに力が蓄えられる仕組みになっています。レバーを放すと、蓄えられた力が解放されて数字を切り替えます。

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仕掛けの鍵となるトーションばね

 2桁以上の場合は、カム機構によって繰り上げを行います。連結部に飛び出した歯車が、カム機構によって押し出され、隣の桁のレバーを少しずつ持ち上げていきます。言い換えれば、手の代わりにカム機構で押し上げるようなイメージです。

裏側から見ると、1の位が動くごとに、10の位の部品に力が蓄えられる仕組みが分かる。10回分溜まると、数字が1つ分動くというわけ

―― 今後の目標はありますか。

宇生の工作 この7セグを応用して、さまざまなからくりを作っていきたいです。例えば年越しのカウントダウンを、この方式で刻むなど。10桁以上の数字が、一気にカシャカシャ音を立てて切り替わるのは絶対に感動すると思うんです。今年の年越しに間に合うかは微妙ですが、がんばりたいです。

解説付き動画

画像提供:宇生(たかお)の工作(@YBB_824)さん

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