カセットテープ自体がひっくり返るのかよ! 知る人ぞ知る「半世紀前のオートリバース」が魅惑の変態機構(1/2 ページ)
人力でやっていた作業を。そのまま機械が代わりに。
50年前のカセットデッキに搭載されていたオートリバース機構が、メカメカしくてすてきだと話題です。まさか本当に自動でテープをひっくり返してくれるとは。
カセットテープにはA面とB面があり、例えば90分テープなら各面に45分ずつ録音できます。再生する面を切り替えるには、ユーザーが手作業でカセットをひっくり返す必要がありましたが、そこを自動化したのがオートリバース機構です。
多くのデッキはヘッド(録音や再生のため磁性体を読み取る装置)を反転させることでオートリバースを実現していますが、この「GXC-65」(赤井電機)では、カセットのほうを反転する仕組みを採用。リバースの際は、カセットがスライドしてスロットを離れ、回転用のスペースに渡されてから反転し、またスロットへ戻されます。人間の所作をそのまま機械が代わりにやってくれるようで、どことなく親しみが感じられます。
オーナーのU井T吾(@it_ui)さんが稼働の様子を動画で紹介したところ、Twitterでは「そっちが回るのかよ」「今でも動いてるのがすごい」「ロマンがだだもれ」と話題に。「(似た機構を備えた)ナカミチ製品以前にもあったのか!」と、オーディオファンからも驚きの声が上がっています。
このGXC-65は、U井T吾さんが存在を知って以来、何年もかけて探し出したレアもの。機構の一部が劣化して正常に動かず、自身で修理するなど、苦労が詰まった品です。
U井T吾さんはほかにも、8トラックデッキの「CR-81D」や、ラソニックの「TRC-975」、ソニーの「TC-K5」、ケンウッドの「GE-74」など、多くのカセットデッキを所有。その魅力について、「少ないマイコンや独自のメカニズムで試行錯誤した時代の、日本が世界に誇れるプロダクトだと思います。デジタルでは味わえない、実物を使っている感覚もすてきです」と語っています。
動画提供:U井T吾(@it_ui)さん
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