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約2年間欠かさず「感謝の正拳突き」千回配信 ボロボロの胴着で『ハンター×ハンター』ファンは何を祈るのか? 「おそらく再開を世界一楽しめる」(1/2 ページ)

制約と誓約。

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 一日千回「感謝の正拳突き」をYouTubeで配信する――。そんな“制約と誓約”を自らに課し、約2年間も守り続けている樽江突撃(@TarueTotugeki)さん。漫画『ハンター×ハンター』の大ファンとして注目を集める彼は、果たしてどのような祈りと感謝を捧げているのか? 取材しました。

おそらく作品を世界一楽しめる

 2018年11月26日以来、かれこれ3年以上も休載が続いている漫画『ハンター×ハンター』。多くのファンがバッテラ氏のような心持ちでただ再開を待ち続ける中、何か行動を起こさずにはいられない人間も存在します。樽江突撃(@TarueTotugeki)さんもその一人。

 樽江さんが「感謝の正拳突き」を始めたのは2020年1月16日。当初は原作でネテロが行った回数と同じ「1万回」の荒行でしたが、無理なく生活と両立でき、一挙手一投足に感謝を込められる「1000回」にシフトしていきました。「連載再開まで」と題した配信は、これまで1日たりとも休んだことがありません。

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樽江さんはなぜ祈るのか?

――「正拳突き」の配信を始めたきっかけを教えていただけますか?

樽江突撃 休載ばかりが注目される状況をファンとして惜しいと感じており、この期間に継続的な活動を行うことで、ネガティブな話題をポジティブに変えられないかと考えました。

――間もなく活動も3年目に突入します。現在は千回の正拳突きに約50分費やしていますが、どのようなモチベーションで毎日配信を続けているのでしょうか?

樽江突撃 実際に連載が再開された瞬間を想像することです。おそらく作品を世界一楽しめると思います。

――それでは祈りの所作をする間、頭の中ではそんな未来を想像している?

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樽江突撃 はい。今後の連載再開を祈願しています。それと、これまで描かれてきた素晴らしい物語への感謝を込めているつもりです。お百度参りのような感じでしょうか。

ボロボロになった胴着は簡単に捨てられない

――あらためて過去の配信を拝見しましたが、型の迫力が見違えるように増しています。活動のために武術を習うなどされたのでしょうか?

樽江突撃 正拳突きも含めて空手などの武道を習った事はありません。若くないので常に体のどこかが痛み、それをカバーして何とか配信を続けるために技術が進歩したような形です。

ボノレノフみたいになった胴着が2年間の重みを感じさせます

樽江突撃 ですから、たまにコメントで経験者の方から指摘されますね。ネテロ会長の模倣としても、漫画内では腕を大きく回して合掌するところを省略しているんです。続ける事を第一に考えて、自分が気持ちいいように行っています。

――メンタル面での変化はありましたか?

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樽江突撃 変化というわけではないのですが、配信中は実生活と隔絶した時間が流れているような感覚で、落ち着いた気持ちでいられますね。

――もうひとつ、視覚的な変化として「胴着がボロボロになった」点が視聴者からも指摘されています。動画をさかのぼると2021年4月ごろから破れが目立ち始めますが、何か思う所はありましたか?

樽江突撃 当時、自分自身は全く気にしていなくて……。ここまでボロボロになると想像していなかったので、逆に印象に残らなかったのかもしれません。現在はある種の願掛けみたいになっているので、簡単に捨てられなくなりましたね。


 『ハンター×ハンター』の主人公であるゴンは、異様なまでの純粋さを持つキャラクターとして、時に狂気をはらんだ描かれ方をします。もし連載が再開したら活動は終了するのか? その問いに樽江さんは「わからない」と答えました。“未知(のエピソード)”だけを見つめ、己を鍛え続けるその姿は、ゴンたちハンターに通じる固い意志を感じさせるのでした。

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