愛は引き裂かれたままなのか――ダンブルドアとグリンデルバルドの30年 「ファンタビ」ジュード・ロウとマッツ・ミケルセン、インタビュー(2/2 ページ)
シリーズ3作目にして直接対決が実現。
「今まさに現実の世界では恐ろしいことが起きている」 ハリー・ポッターから継続して、作品が伝え続けるメッセージ
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007)からメガホンをとり続けるイエーツ監督が、シリーズに関わるのはこれで7作目。続く「ファンタビ」2作でも監督起用が決まっており、インタビュー中は「幸運にもすばらしいスタッフと役者に恵まれた」と繰り返し強調していました。
ーー 「ハリー・ポッター」シリーズ公開時と比べて世界は大きく変化しました。緊迫した世界情勢が続いてますが、作品にもそうしたものは反映されているのでしょうか?
デビッド・イェーツ監督(以下、イエーツ監督) 作品に込めてきたメッセージはいつも普遍的で純粋なもの。全てのすばらしいストーリーが伝えるメッセージと変わらない。J.K(・ローリング)のメッセージは世代を超えて伝えられるもので、特定の時代に即したものではなく愛への賛歌だ。
特に今回の話では、引き裂かれていた2人が元に戻るかに着目している。愛は引き裂かれたままでいるものなのか。衝突の原因が何であれ、後には再び元の形に引き戻すのかと問いかけている。
耐えることと理解という点でも普遍的だと思う。トレンドになっているからと飛びつくのではなく、私たちの社会やコミュニティー、世界中にいつもいつでも見られるテーマを扱いたい。
ーー 私はハリーと一緒に成長してきた世代で、ホグワーツからの手紙を20年間待ち続けています(笑)。一方、ニュートと一緒に大きくなっていく子どもたちへ、どんなメッセージが届けられるのか気になるところです。
イエーツ監督 良識を持ち、ともに存在し合い、平和を願う、それだけ。
過去の映画でも同じことを描いてきたけれど、今まさに現実の世界では恐ろしいことが起きている。ただ、それは過去の世代でも起きてきた出来事で、コンスタントにみんなが経験してきたことだ。残念なことにみんなほとんど学んでいない。だから作品はある特定の時代に即したものというより、普遍的であってほしいと願う。
特に子どもたちには、私たちはこの映画で“真実への賛歌”というテーマを掲げている。何が本物で何が本物でないか見極める感覚を求めてほしい。そして愛への賛歌。分断や怒りや誤解で引き裂かれた愛を賛美したい。それは子どもたちだけでなく、大人にとっても価値のある大切なこと。我慢や理解を大事にすることも必要だ。特に相手を理解してあげることを大事にしてほしい。そういうことがこの映画の中には潜在的に存在する。
「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」
4月8日(金)全国ロードショー
監督:デイビッド・イェーツ(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『ハリー・ポッター』シリーズ後半4作品)
脚本:J.K.ローリング(「ハリー・ポッター」シリーズ著者)、スティーブ・クローブス
プロデューサー:デイビッド・ヘイマン(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、「ハリー・ポッター」全8作品)
出演:エディ・レッドメイン、ジュード・ロウ、エズラ・ミラー、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、カラム・ターナー、ジェシカ・ウィリアムズ、キャサリン・ウォーターストン、マッツ・ミケルセン 他
配給:ワーナー・ブラザース映画
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