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その恋は成就するのか 「ファンタスティック・ビースト」クイニー&ジェイコブが語る“選択の価値”

気さくなダンとおちゃめなアリソン。

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 11月23日に公開された“ハリー・ポッター魔法ワールド”の最新作「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」。J・K・ローリングが直接脚本を手掛ける同シリーズは、「ハリー・ポッター」シリーズと比べると物語が大人向けに練り込まれていると感じられる部分も多く、加えて、今作では新たなキャラクターやそれぞれの物語も複雑に絡み合い、気を抜くと大人でも混乱してしまいそうな印象すらあります。

 今作のメインといえる物語は他にありますが、第一作目に引き続き登場するクイニー・ゴールドスタインとジェイコブ・コワルスキーの関係の行方を気にしている方も多いはず。整理しておくと、米国魔法界の法律によって、人間(ノー・マジ)と魔法使いの交際は禁止。にもかかわらず、アリソン・スドル演じる優しく陽気なクイニーは、ノー・マジであるジェイコブと知り合い恋に落ちるも、その後ジェイコブは記憶を消されていました。

 他人の心を読める開心術(レジリメンス)を有する彼女が本気でほれるほど純粋で誠実なジェイコブ。今作で、法律に背いても愛を貫こうとするクイニーのいちずな姿は、徐々にダークな性質を帯びていく全体の物語の中で一種の清涼剤になるかと思いきや、驚きの展開をみせます。以下では、クイニー役のアリソン・スドルとジェイコブ・コワルスキー役のダン・フォグラーに話を聞きました。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 クイニー ゴールドスタイン ジェイコブ コワルスキー アリソン・スドル ダン・フォグラー インタビュー
クイニー役のアリソン・スドル(写真左)とジェイコブ・コワルスキー役のダン・フォグラー(同右)。二人に幸あれ!

―― 今作の二人を襲う展開はある意味衝撃的でした。とりわけ、クイニーが前作とはかなり異なる顔を見せていて、私は「失望しましたファン辞めます」とすら思ったくらいですが、お二人は脚本を読んだとき、こうした変化をどう受け止めたのですか?

アリソン だいたいの展開は聞いていたけど、実際の脚本を読んで、かなり理解し難いところもあったので、デヴィッド・イェーツ監督と何度も話をしました。なぜクイニーがああいう選択をしたのか、観客にもリアルに感じてもらいたいし、そう感じてもらえるように演じたかったので。

 ただ、今もそう思いますが、クイニーの成長にとってパーフェクトな選択だったと確信しています。物語としても面白いし、役者としても非常に豊かな道筋になっていくでしょうから、私も今後が楽しみなんです。

ダン アリソンのいうとおり、だいたいの展開は聞いていたし、どうしてこんなステキな二人にこんなことが起こるんだろうとは思うけど、いい冒険だよね。自分のお気に入りのキャラクターには苦境に陥ってほしくはないけれど、かといって簡単で平たんな道はつまらないだろ。だからあれでよかったんだ。これからも二人はお互いを追いかけ合っていくだろうけど、最終的に一緒になるのか、そうではないのか、これからのお楽しみだね。

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 クイニー ゴールドスタイン ジェイコブ コワルスキー アリソン・スドル ダン・フォグラー インタビュー
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 クイニー ゴールドスタイン ジェイコブ コワルスキー アリソン・スドル ダン・フォグラー インタビュー

―― だいたいの展開は知っているということですが、ジョー(J.K.ローリング)から聞いていたこととかなり違うことも多かったのでは?

ダン まさに(笑)。前作は新たな物語の始まりということもあって役者も興奮していたし、ジョーも展開についてみんなに一生懸命話して聞かせ、みんなもまた喜んでそれを聞いていた。

 今作はキャラクターも増え、作品のアンサンブルも大きくなっていて、あまり多くを話し合うことはできなかったんだけど、リハーサルでジョーに「確認しておきたいんだけど、これが起こって、こういうことになるんだよね」と聞いたんだ。そうしたら、「あ、ゴメン。全て変わったの」と言われて(笑)。とても驚いたんだけど、そういうことって人生によくあることさ。

 そこから私が学んだのは、「知らない方がいい」ということ。観客と同じで、毎回その場で驚かされた方がいい。だから今はジョーが「次はこういうシーンが……」って言いかけても、「言わないで」って(笑)。

―― 未来が分かっていたら楽しさも薄れますよね。大きな物語の中で幾つもの話が進んでいく中、お二人の物語もかなりのウエートを占めていますが、今作でお二人が考える見どころは?

アリソン 前作では二人が出会って恋に落ちていく新鮮さがあったけど、今作ではすでに愛し合っていて、リアルな関係だからこそ複雑性も増してくる。作品を見る人は二人にずっと一緒にいてほしいと思うでしょうし、私もそう願っているけれど、ダンがいうようにそれではスムーズすぎるので、押したり引いたり、いろいろな選択をしていく。皆さんには私たちと一緒にその旅路に付き合ってほしいと思います。

―― ところで、ダンのInstagramを見ると、とても……オタク気質みたいなものを感じるのですが、そんなあなたから見て、動物オタクのニュートはどういう風に映るんですか?

ダン 確かに私は「インディー・ジョーンズ」を見て育ったし、ポップカルチャー大好きだし、オタクっぽいものが好きだ。ニュートは、すごく現代的で今っぽいヒーローだよね。なぜみんなが(インディー・ジョーンズの)ハリソン・フォードを好きかというと、彼が非常に感情豊かでみんながそれに共感できるからだと思うんだ。ニュートを演じるエディ・レッドメインはそうしたエモーショナルな演技ができる。そんな彼がちょっとオタクっぽいニュートを演じるコンビネーションはすごく“おいしい”と思うな。今の時代、彼のようなオタクっぽいヒーローがもっと出てきてもよいんじゃないかと思う。

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―― 少し話を戻すと、繰り返しにはなりますが、クイニーの選択は衝撃的でした。恋は盲目というか。彼女はなぜああした心境になったのでしょう。

アリソン グリンデルバルドはすごく悪いことをとても合理的に語る非常に危険な存在。相手の心にどう働きかければよいかを熟知していて、相手が望むことを聞かせるの。ダンブルドアさえも操るような人物だしね。

 彼はクイニーに対して「魔法使いが世界を支配する」とは言わない。そんなことをクイニーは聞きたいわけじゃないから。代わりに彼が言うのは「自分が望む世界にくれば、好きな人を愛せる自由が得られる」ということ。それはまさに彼女が欲しているもの。相手の痛みなどを優しく押して、それを使って説得し、引き込むことができる。それは現実の私たちも気を付けなければならないことだと思う。そういうやり方で操作される可能性があるのだから。

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―― 深いですね。少し話を変えて、クイニーがジェイコブを好きなように、アリソンがダンを好きなところは?

アリソン たくさんあるわ。ダンはすごくいい人だし、実は(ブルックリンの)家も近くて、彼の奥さんや子どものこともよく知っているの。前作、今作と一緒にやってきて、お互いに信じているし、家族のように感じているの。

 そういう関係性があるから、リスクを取ることを心配せずシーンの中で“遊ぶ”こともできる。ダンはアドリブも楽しんで恐れずにやるし、コメディのセンスがよいので、ダンと一緒にやっていると、自分の中からもそういうものが出てくるのがすごく面白い。ジェイコブのように大きなハートを持っている人だと思います。

―― アドリブもあるんですね。

ダン 1作目からそうなんだけど、全てのシーンにちりばめているよ(笑)。今作だと冒頭、クイニーが魔法をかけたことを気付かせまいとワチャワチャする場面があるのだけど、あれは実はアリソンの即興で、それにCGIを合わせたんだ。1人の即興が他を巻き込んでハーモニーを奏でていくのは、とてもいいなと思うよ。

 今作は恋人がお互いを追いかけ合っていて、二人の関係をリアルに感じられる。巨大な叙事詩のようなファンタジーでこうしたリアルな恋愛関係をみられるのは、両者のいいところを合体させたようだ。私もアリソンも、このキャラクターをリアルに演じるよう頑張っている。このキャラクターを演じられることを光栄に思うよ。

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幸あれっ……!

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