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検温と消毒、そしてマスク 3年ぶりのリアル開催「ニコニコ超会議2022」コロナ禍を超えて帰ってきたニコ厨たちの祭典レポート

雨で少しひんやりした1日でした。

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 2022年4月23日から30日にかけて「ニコニコ超会議2022」(千葉・幕張メッセ)が開催。近年世界中で猛威を奮っている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、オンライン開催に切り替えられて以来、3年ぶりとなるリアル開催が29日・30日に実現しました。


コロナ禍を経て開催された3年ぶりのリアルイベント

検温、消毒、マスク 3年ぶりの超会議で見たコロナ禍の影響

 ニコニコ超会議は、動画サイト「niconico(ニコニコ動画)」のコンテンツをリアルに再現することをテーマに、「VOCALOID」や「ゲーム実況」「歌ってみた」「弾いてみた」などの各カテゴリーで活躍するユーザーや企業・団体が幕張メッセという大きな箱に集まり、さまざまな催しを行うというものです。

 第1回が開催されたのは2012年。「ガチムチパンツレスリング」で人気を博した故ビリー・ヘリントンの来日、デーモン閣下や小室哲哉などの著名人によるトークやライブが行われたほか、各カテゴリーの枠を超えたコラボレーション企画や同人誌即売会などあり、まさに当時のニコニコ動画にあった空気を感じられるイベントでした。

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 第2回では自民党や民主党といった各政党によるブースが出展され、安倍首相(当時)が会場を訪れたことも大きな話題になりました。そして第3回では日本の国技「相撲」とコラボして現役力士らによる特別巡業が行われるなど、回を重ねる毎に巨大イベントへと成長していきました。

 順調な成長を続けていたニコニコ超会議でしたが、2019年を最後にコロナ禍を受けてリアル開催は中止に。一部のコンテンツをオンライン上で再現する「ニコニコネット超会議」としてイベントそのものは継続されましたが、2020年、2021年はリアルイベントの開催は中止となっていました。


入場ゲート付近の様子

 そして2022年、3年ぶりの開催となったニコニコ超会議は対コロナシフトで迎えられました。出入口で接触確認アプリ「COCOA」がインストール済みであること、ゲートで検温と消毒を行うこと、そしてマスクも必須です。


2F入場ゲートの様子

接触確認アプリについての案内

 昔からniconicoで配信や動画投稿をしていた人は「顔を隠す」ためにマスクをしていた人が多かったですが、やはりコロナ禍を受けてマスクをつけているのが当たり前になり、会場内でノーマスクの来場者は見かけませんでした。


会場内の様子

 また、会場内は「人と人の距離」の確保を意識した運用になり、コロナ対策の1つとして入場制限も設けたことで、通路を歩いていて人とぶつからない、人の流れが止まって進めないといったこともなく、会場内の移動はかなり快適でした。第1回の参加者が約9万人、コロナ流行前の2019年で約16万8000人でしたが、その頃を知る身として会場内を見渡すと「人が少なくて、ちょっと寂しいな」と感じるほどでした。

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 今回も例年通り開場する前に会場入りしましたが、開場直後によく見た雪崩のように人が押し寄せる光景はなく、入場待ちの人々が長蛇の列を作ってはいたものの、かつてほどの規模ではありませんでした。また、会場に向かう電車内の混雑も例年に比べてかなりゆとりがあり、各種対策を踏まえてもコロナ流行前ほどの活気は感じられませんでした。

 では会場内はお通夜のような雰囲気だったのかと言われればそんなことはありません。変わらずに活況だったのはゲーム実況や科学などの体感型コンテンツのブース。人気配信者とコラボした企画が各所で行われ、ファンを中心に楽しそうに過ごしている姿が見られました。

 また、JRA(日本中央競馬会)による「超JRA」ブースでは、G1レース・天皇賞(春)の3200m(メートル)にちなんで、3200mm(ミリメートル)を競う特別レース「超ニコニコ賞(春)」が開催。豪脚自慢のniconicoユーザーが集まり、超々短距離戦を楽しんでいました。


超JRAのブースの様子

 ほかにも、世の中の不思議に迫る月刊誌「ムー」とエナジードリンク「ZONe」がコラボしたブースでは、「超能力者が念を込めたZONe」が配布されるなど、個性的な催しも人気を集めていました。


ムーとZONeのコラボブースの様子

超痛車天国のブースの様子

恒例の超乗合馬車の様子

N高「磁石祭」のブースの様子

 次はniconicoの代名詞的なカテゴリーの1つ、歌声合成ソフト「VOCALOID」関連のイベントや出展が行われているエリアにも足を運んでみました。

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 そこにはミクさんのTシャツを着た人、ミクさんと同じヘアカラーに染めた人、ミクダヨーさんの出待ちをする人、ボカロ曲を響かせるステージを堪能する人など、コロナ流行前とあまり変わらない光景が見られました。昔から10代、20代くらいの若い人が多かったですが、そのあたりも変わりなく。ただ、知人のみんながおじさん・おばさんになっていて、徐々にボカロ老人会の様相を呈してきました。


パッと見た感じでは変わりない様子のステージイベント

 極上のマニアが集まるという「マニアフェスタ」が、今回のニコニコ超会議で初参戦ということで、こちらにも足を運んでみました。「商店街マニア」「壁マニア」「謎フードマニア」といったコアなマニアが自作の書籍やグッズを持ち寄ったブースで、通好みなコンテンツが好きな人は楽しめそうなエリアでした。「夜景でおじさんを撮るマニア」というのはちょっと惹かれました。


マニアフェスタの出展ブース

個性的なマニアが集まりました

夜景でおじさんを撮るおじさん

 かつて多くの政党がこぞって参加していたニコニコ超会議ですが、今回はNHK党(NHK受信料を支払わない国民を守る党)、社民党のブースのみ。恒例になっていた首相の訪問もなくなり、初日に岸田首相のビデオメッセージが披露されました。2019年の時点で規模は縮小していましたが、もはや来年は政治関連の出展はなくなりそうな勢いでした。


NHK党のブースの様子

ビデオメッセージを送った岸田首相(画像はniconicoより)

 コロナ流行前と比べると、どうしても「人が少なくなったな」という印象を抱いてしまう今回のニコニコ超会議。個性が光って楽しいコンテンツも確かにありましたが、「前も見たな」と既視感のある新鮮味に欠けたブースも多くありました。「以前ほどの活況はもう見られないのか」と、例年なら人でごった返していたはずなのに、ちらほらと空席が目立つプレスルームよりお届けしました。

春山優花里

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