カラオケ店でミシンが使える「JOYSOUND」の新サービスが好評 異色の組み合わせ、なぜ生まれた?(1/2 ページ)
エクシングに話を聞きました。
カラオケルームにミシンを貸し出す、通信カラオケJOYSOUNDのサービスが便利だと注目を集めています。不思議な組み合わせのようにも思えますが、防音室で気兼ねなくミシンを使えるのは確かに合理的。運営社のエクシングに話を聞きました。
こちらはJOYSOUND直営の池袋西口公園前店限定のサービス。通常のカラオケ室料(要ワンドリンクオーダー)に1000円足すだけで、カラオケルームでミシンを利用できます。
貸出機材は、ブラザー工業のミシン「parie」のほか、アイロンとアイロンマット、布切りばさみと糸切りばさみ、チャコペン。利用者は材料や針などの消耗品を持参すればOKです。製作に打ち込みやすいうえ、気分転換に歌うのもアリ。
サービスの開始は2月下旬ですが、4月下旬に利用者のツイートが拡散。「着眼点がすごい」「広い机を使えるのはありがたい」「家族に内緒でコスプレ衣装を作る人向けに需要がありそう」と反響を呼び、広く周知されることとなりました。
編集部はエクシングを取材し、企画の経緯を聞きました。
―― ミシンレンタルを始めたきっかけを教えてください
エクシング:コロナ禍でカラオケ業界が苦境に立たされるなか、当社ではカラオケルームで映画やアニメ、ライブ・ビューイングが楽しめる「みるハコ」サービスなど、「歌う」に留まらないカラオケルームの新たな活用法を提案してきました。本企画についても、音響設備が整った個室というカラオケならではの特性を生かし、ときには歌いながら、ときには好きなアーティストの映像を楽しみながら、「自分だけのアトリエのように製作を楽しんでいただきたい」という思いでスタートしました。
「カラオケとミシン」は異色な組み合わせに思われるかもしれませんが、当社の親会社であるブラザー工業は家庭用ミシンの製造を行っています。今回は、ブラザー工業の販売子会社であるブラザー販売の協力を受けて実現したもので、グループシナジーを生かした企画だといえます。
実は通信カラオケも、もともとブラザー工業が1986年に発売したPCソフト自動販売機「TAKERU(タケル)」の技術から生まれたものです。時期尚早でTAKERU自体はわずか300台ほど製造されただけで撤退となったものの、この技術をベースに新たな通信インフラを構築。これが通信カラオケに結びつき、今からちょうど30年前の1992年に「JOYSOUND」が誕生しました。
―― 利用者数や反響など、手応えはいかがでしょうか?
エクシング:サービス発表当初から多くの反響をいただいておりましたが、実際に利用された方の声がSNSで発信されるようになって以来利用者が急増し、現在では週4回以上のご利用をいただいております。池袋という立地上、コスプレを楽しまれるかたのほか、女子高生や主婦のかたなど幅広い層のお客様にご利用いただいています。
当初は、2月25日から5月24日までの期間限定でしたが、好評につき3カ月の延長を決定しました。また、対象店舗も今後の状況によっては拡大することも検討しております。
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