ドワンゴ、「ゆっくり茶番劇」商標問題への対応策発表 商標権の放棄交渉や独占防止のための「ゆっくり」関連用語の商標出願(1/2 ページ)
人気動画ジャンル「ゆっくり茶番劇」の商標を動画投稿者の「柚葉」さんが取得した件をめぐり、ニコニコ動画を運営するドワンゴは5月23日、商標権の放棄交渉などを行うと発表しました。
この問題は動画投稿者の柚葉さんが「ゆっくり茶番劇」(「東方Project」の二次創作“ゆっくり”シリーズから派生した動画ジャンル)の商標を取得したと発表したことが発端。人気ジャンルにかかわる商標を第三者が取得したことにネットでは多くの反発の声が上がりました。これを受けて柚葉さんは、使用料を請求するとしていた当初の方針を撤回しています。
「ゆっくり」関連動画が多く投稿されているドワンゴは先に、「ゆっくり茶番劇という文字列をジャンルやカテゴリーの表示として使う場合は商標侵害にならない」との見解を発表していました。
同社は23日の会見で「クリエイターが安心して創作を続けられる環境を作るため」として、この問題に対するアクションを発表。「ゆっくり茶番劇」商標取得者に対する商標権の放棄交渉を行い、放棄に応じない場合は無効審判請求を行うとしています。また使用料を請求された人への相談窓口の設置、独占防止のための「ゆっくり」関連用語の商標出願を行うともしています。ドワンゴが権利行使をするための出願ではないと明言しています。この対策については、東方projectの原作者であるZUNさんからも了承を得ているとのこと。
ドワンゴ専務取締役COOの栗田穣崇さんは次のようにコメントしています。「ゆっくり動画は10年以上の歴史と80万本以上の作品数を誇る巨大な文化圏です。コミュニティが築き上げてきた名称が商標登録されることでクリエイターが安心して動画を創作できる環境が害されてしまっているという現状を弊社は大変残念に感じて憂慮しております。弊社は今後も関係各所と連携をはかりながら全ての方々が安心して創作活動を楽しめる環境を守っていきたいと考えております」
なお柚葉さんが所属していた配信者コミュニティCoyu.live(現在は無期限の会員資格停止処分)は、柚葉さんが「月曜日(23日)から(商標の)放棄手続きを開始する」との報告があったと伝えていますが、柚葉さんからはまだ放棄に関する発表はありません。
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