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「心停止を疑ったらすぐにAEDを」「出血でも心臓マッサージを」 安倍元総理の銃撃事件受け医師ら緊急回答(1/2 ページ)

安倍元総理の銃撃事件への現場の対応を「素晴らしい行動」と評価しています。

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 日本AED財団は、安倍晋三元総理への銃撃事件を受け、「安倍元総理銃撃事件に関わるAED使用について」と題する“緊急メッセージ”を公開。「どのような状況でも心停止を疑ったら、直ちにAEDを使用してその指示に従うことが必要」「倒れている人が心停止(反応も呼吸もない、あるいは普段通りではない状態)であれば、その原因に関わらず直ちに胸骨圧迫を開始」と呼びかけました。

 “緊急メッセージ”では、安倍元総理への胸骨圧迫やAEDについて受けた多くの質問のなかから、特に大切だと思われる「心停止(心肺停止)であっても、AEDが有効でない場合があるのか」「出血している人に胸骨圧迫をして良いのか」の2つの質問に対する回答を掲載しています。

心肺停止でも、AEDが有効でない場合があるのか?

 「心停止であっても、AEDが有効でない場合があるのか」という質問には、大きく分けると、心停止には「心臓の筋肉が(心室細動と呼ばれる重篤な不整脈などで)細かく震えてしまい、ポンプ機能を失った状態」「心臓の働きが極端に弱くなるか、全く止まってしまった状態」の2種類があると前置きし、こう回答しました。

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 「全ての心停止に、AEDによる電気ショックが有効な訳ではありません。しかし、心停止状態の人にAEDを装着すれば、このふたつのうちのどちらのタイプが起こっているのかを判断し、必要な時に電気ショックをするように指示(※「電気ショックが必要です」「電気ショックは不要です」とアナウンス)してくれますので『AEDは有効』だといえます。従ってどのような状況でも心停止を疑ったら、直ちにAEDを使用してその指示に従うことが必要です」

 なお、もしAEDを装着して「電気ショックが必要です」ではなく、「電気ショックは不要です」と案内された場合については、「電気ショックは不要ですが、心停止状態であることに変わりはなく、脳や全身に血液を送らなければなりませんので、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行う必要があります」と説明しています。

 また、「重要なことは、電気ショックが行われた後も、救急隊が現場に到着するまで(あるいは傷病者が嫌がるような仕草など何らかの反応を示すまで)胸骨圧迫を続ける必要があるということです。電気ショックが行われた後でも胸骨圧迫が必要なのは、電気ショックが成功してもすぐに力強い心臓の収縮が得られる訳ではないからです。たまたまその場に居合わせた市民による、胸骨圧迫とAEDの使用が重要なことをご確認ください」と呼びかけました。

該当部分を拡大したもの(画像は「安倍元総理銃撃事件に関わるAED使用について」より)

 

出血している人に胸骨圧迫をして良いのか?

 SNS上でもよく見かけた「出血している人に胸骨圧迫をして良いのか」という疑問には、こう回答しています。

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 「出血している部位が分かる場合は、その部位を押さえて圧迫止血をした上で、胸骨圧迫を行うことが望ましいですが、実際には難しいことが多いと思われます。原因に関わらず、心停止の際に何より優先すべきは、脳や全身に血液を送ることです。倒れている人が心停止(反応も呼吸もない、あるいは普段通りではない状態)であれば、その原因に関わらず直ちに胸骨圧迫を開始して下さい」

SNSに投稿された事件発生時の動画では、対応の様子が確認できます(関連記事:「安倍元首相、銃で撃たれて意識不明か 事件時のものとみられる映像投稿される」より)

 また、安倍元総理の銃撃事件への現場の対応については、「今回の事件では、現場スタッフが胸骨圧迫を続けながら『AEDを持って来て下さい』と呼びかけ、すぐにAEDが届きました。素晴らしい行動です」とコメントしました。

日本AED財団は安倍晋三元総理への銃撃事件を受け、「報道でのAEDに関する表現について」とするコメントも発表しています(画像は「報道でのAEDに関する表現について」より)
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