「レディース服にポケットがない!」不満の声が国内外で続出 ユニクロは直接的な回答控える 青山や無印良品は?(1/3 ページ)
アパレル企業各社に問い合わせました。
メンズ服と同じ価格なのに、レディース服には胸ポケットと内ポケットがない――。「ユニクロ」が販売する「感動ジャケット」についての投稿が発端となり、一部の消費者を中心にレディース服の仕様に対して不満の声が上がっています。
ポケットを備えたレディース服には需要があるにもかかわらず、市場には少ないとする批判は過去にもSNS上で度々話題になっており、2019年にはレディース服は「『女性の体を綺麗に見せる』ことに全振り」しているという指摘のほか、一般的な服のみならず「女医用白衣のポケットが小さい」という指摘が寄せられていました。また、アメリカの人気インスタグラマーがレディースのジーンズのポケットが役に立たないと嘆く歌を投稿して共感を集めるなど、国内のみならず海外でも不満の声が見られます。
歴史をひもとくと、1700年代末のフランス革命後、女性の服が体にぴったりとしたデザインとなり、ポケットを付けられなくなったため、ハンドバッグが生まれたという背景があるようです。1800年代末ごろからは女性の服にポケットが付けられる動きがありました。しかし、現在でも国内外で不満の声が上がっていることから、100年以上経過してもなお「レディース服のポケット問題」は根本的な解決はしていないと言えるでしょう。
昨今、ロシアによるウクライナへの侵攻を受けた事業撤退をはじめとして、企業には社会問題に向き合う責務があるとする見方が高まりつつあります。日本の大手アパレル企業はレディース服の課題に対してどのように向き合っているのでしょうか? 編集部では、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング、「洋服の青山」を展開する青山商事などに問い合わせました。
ユニクロ、直接的な回答控える
ファーストリテイリングの「ユニクロ」担当者は、「当社は日ごろよりお客様からさまざまなご感想、ご意見を頂戴しており、大変ありがたく思っております。ご感想やご意見を真摯(しんし)に受け止め、これからもお客様にご満足いただける商品づくりに取り組んでまいりたいと考えております。大変恐れ入りますが、上記にてお問い合わせ内容への回答とさせていただければと存じます」とし、本件について直接的な回答は控えました。
アダストリア、直接的な回答は得られず
「グローバルワーク」や「ニコアンド」などで知られるアダストリアの担当者は、「弊社ではメンズ、レディースに関わらず、商品のデザイン、着心地、機能性、価格などさまざまな要素を掛け合わせて商品を企画しています。生地の選定やポケットの位置やサイズの選定も同様です」と回答。
「また、Webストアに投稿されるお客さまの商品レビューをデータ分析し、商品開発に生かしています。今後もお客さまのお声を聞きながら、ニーズにお応えできる商品開発に努めてまいります」とコメント。同じく本件について直接的な回答は得られませんでした。
青山「ポケットはほぼ付いている」
一方で、「洋服の青山」を展開する青山商事の担当者は、同社が展開するレディース商品でのポケットの有無について、「テーラードジャケット(スーツ)にはポケットがほぼ付いており、またお客様ニーズを受けて、オフィスカジュアルなどに対応した一部ジャケット(スーツ)にもポケットが付いております」とコメント。
他社のアパレルメーカーでは、レディースの服はポケットが浅かったり、服の素材が異なったりするという声があることを踏まえ、青山商事について聞くと、「当社ではレディーススタイルとメンズスタイルで同じ商品企画がないため、比較ができかねます。当社をご利用いただいているお客様のニーズに合わせた素材選びなどを実施し、商品を企画しております。SNS上で話題になっているようなご意見も踏まえながら、今後もお客様のニーズに対応した商品・サービスを企画、提供してまいります」と述べています。
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