自由研究の結果が思ってたんと違った うまくいかないツイートにアドバイスが集結 これが集合知の力だ!(1/3 ページ)
予想と結果が合致しないなら、なぜかを考えるのが大切。研究において重要な姿勢を学べる実験です。
夏休みの自由研究でろ過装置を作ったものの、思うような結果にならなかったというツイートにさまざまな考察が集まり、にぎわいを見せています。
実験を行ったのは、Twitterユーザーのほうおん(@Houon_gp03)さんとお子さん。ほうおんさんは、お子さんの自由研究を手伝い、東京都下水道局のWebサイト「下水道アドベンチャー」を参考に、ろ過装置を作成しました。また、比較のため「ティッシュを何枚か重ねたもの」も用意。しかし、いざ実験をしてみたところ、頑張って作ったろ過装置よりもティッシュの方がきれいにろ過できてしまうという結果に。
なお、他にもコーヒーフィルターやハンカチで試したそうですが、そのどれよりもティッシュの効果は高かったといいます(不織布のマスクはそもそも水を通さなかったのだとか)。
予想と反する実験結果にほうおんさんは「頭を抱えている」とツイート。それに対して、リプライ欄にはさまざまな考察が集まりました。
多く指摘されたのは、ろ過装置の中身の順番についてです。「砂→活性炭→砂利→小石」と上から粒が細かい順に堆積している装置の中身を見て、「順番を逆にしたらどうか」という指摘が相次ぎました。しかし、これは東京都下水道局のWebサイトに書かれている通りの順番であるため、原因は他にあるようです。なお、砂利や小石が下に詰められている点に関しては、「砂利はろ過のための物ではなく、活性炭や砂の流出を防ぐための物だと思います」という意見も寄せられました。
では、一体なぜろ過装置は濁ってしまったのでしょうか。その原因として、「水を通す回数が不足している」というものが挙げられています。実はツイートの写真は装置を作成してから初めて水を通したものだそうで、ほうおんさんもその後何回か水を通したらだんだんきれいになっていったことを報告していました。ただ、それでもティッシュの方がきれいなのだとか。
そんなかなりろ過効果が高いティッシュですが、その理由についても情報が寄せられています。なんとティッシュには“ガスマスク用のフィルター”として開発されたという歴史が。そう考えると、水をろ過することができても不思議ではなさそうです。
このように予想と反する実験結果に対し、さまざまな考察がなされるなか、新たな実験のアイデアを提示する声もありました。時間や耐久性を比べてみたり、ティッシュの種類をいくつか用意して検証してみたりと、好奇心をくすぐるものばかりです。また、「Twitterの反応まで含めて自由研究とすれば、超大作になりますね」と、Twitterの集合知としての可能性も視野にいれた研究の提案もありました。
結局、ろ過装置とティッシュとで差があった原因として、まとまった結論は出なかったものの、ほうおんさんも「なんでそういう結果になったのか考えるのも実験の醍醐味ですよね!」と述べているように、大切なのは予想と結果との間に差が生まれた原因を考えること。ネットでは「こういう体験も科学には大切」「予想外の結果が出た時ほど『なぜ』を追求するチャンス」など、そうした重要な研究精神を学べるという意味で、非常に実りのある実験だったという声が多く寄せられました。
なお、簡易ろ過装置やティッシュでは細菌までろ過可能だと言い切れないため、飲用する際は煮沸や蒸留などにより殺菌・消毒をする必要があります。実験を行う際は、安全にも留意するようにしましょう。
※画像提供:ほうおんさん(@Houon_gp03)
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