無料なのに難関校に続々合格――足立区が運営する受験対策塾が話題 担当者に“誕生の背景”を聞いた(2/4 ページ)
「後輩にもこの仕組みは絶対に残してほしい」という生徒まで。
やる気のある生徒が、難関校を目指せるように
「実は15年ほど前から、すでに足立区では外部の協力を得て、補習を行っていたんです」
田巻さんによると、はばたき塾が始まる以前から、足立区では勉強でつまずいてしまっている生徒向けに民間講師による補習を行っていたという。
※現在でも足立区の小・中学生を対象にさまざまな学力層に応じた支援は続いている。小学3・4年生を対象に国語と算数を指導する「そだち指導員」、数学の苦手な中学1年生に向けた「中1夏季勉強合宿」などは、苦手分野をマンツーマンの個別指導で解消するプログラムだ。また、英語に関しては、中1の段階でつまずきや苦手意識を解消する「英語チャレンジ講座」に加え、学習意欲の高い中学生であれば学年を問わず参加できる、オンラインレッスンを中心とする「英語マスター講座」などが開設されている。
今でこそ学校と民間の教育業者との連携も珍しくないが、当時としてはかなり先進的な試みだったといえるだろう。そんな中、2011年に学校の側から提案があった。
その内容は、「学校は勉強が苦手な層の生徒の学力底上げを担当するため、上位の学生に対するサポートを行政に担ってもらいたい」というもの。授業についていけないような学生を行政が、中・上位の学生を学校がサポートするという従来の体制の変革が始まった。
背景にあったのは、日比谷や西、戸山などの進学指導重点校をはじめとする都立の難関校が、自校オリジナルの入試問題を作成するようになったことだった。そういった入試問題は難易度が高い上に、独自の形式を持つため、受験するにおいて対策は欠かせない。しかし、異なる学力を持つ生徒たちに向けて一律に行う学校の授業のみでは、塾で個別に対策を行っている生徒に比べて、その対策が不十分になってしまうという事情があった。
やる気があるにもかかわらず、周りの環境によって、難関校を志望できない――。そんな学生を支援し、教育格差をなくそうという志から、はばたき塾は誕生した。
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