“元世界チャンピオン”がヨーヨーの解説をする動画が話題 超絶テクニックに思わずヨーヨーを始めたくなる人続出(2/3 ページ)
すごすぎる。インタビューもしました。
半年分の初心者向けヨーヨーが“1カ月”で売り切れに
―― なぜYouTubeを始めたのでしょうか。また、Shorts動画(ショート動画)に取り組むことになった背景もお聞きしたいです。
城戸さん:本格的にYouTubeチャンネルを稼働し始めたのは2015年の4月頃からですが、もともとはヨーヨーのプロモーションビデオや、初心者レクチャービデオを公開するために、チャンネル自体は2010年3月1日に作成していました。その頃は、当店には動画編集者はおらず、ヨーヨーの情報はWebサイト上でテキストと写真をメインに作っていたのですが、YouTubeが本格的に日常に溶け込んできた時勢にあわせて、少しずつ自分が動画編集を学んで、いろんなヨーヨーに関する情報を動画化するようになり、現在の運用につながっています。
Shorts動画を開始した理由は大きく2つあり、1つはTikTokの流行から縦長動画の需要を見込んだこと。もう1つは、動画の数が1800本と膨大になってきたため、昔に作って埋もれてしまっている動画をリマインドすることでした。
どのようにリマインドするかはずっと決めかねていたのですが、Shortsが本格的にスタートしたので、他のYouTuberさんの運用方法を参考にして自分たちも制作し始めました。現在はリマインドもしつつ、Shortsの手軽さにフィットしそうな初心者向けのヨーヨー情報や、ヨーヨー経験者に向けた最近のヨーヨー事情などを投稿しています。
―― Shorts動画の反響についてはどう感じていますか?
城戸さん:突然きっかけもなく再生数が10倍以上に伸びて驚いています。今までテレビなど大きなメディアでヨーヨーが取り上げられたときに1~2割ほど再生数が伸びることはありましたが、今回の反響はYouTubeアナリティクスを見ても、ヨーヨーと何の関連もない動画から来たか、単にShortsフィードへ掲載されたから見られたというのがほとんどで、うれしくも、困惑もしているといった感じです。
ただ、僕らにとってはこれ以上ない機会ですので、引き続き、ここぞとばかりに限界までヨーヨー動画をShortsに放り込ませていただくつもりです。
―― Shorts動画に取り組む以前と以後で売り上げやイベントの参加人数などに変化はありましたか?
城戸さん:一番反響が大きかった瞬間の直後、渋谷でイベントを行ったのですが、新規のお客様が普段よりはるかに多く、実際に会場でアンケートをしたところ、平時の3~4倍はいらっしゃいました。
それを表すかのように、メインであるインターネット通販では、半年分の初心者向けヨーヨーとメタルヨーヨーの在庫が1カ月でなくなってしまい、メーカーに無理を言って急ピッチで作ってもらう事態になりました。現在もうれしい悲鳴が続いている状況です。
―― 動画制作において気を付けていることを教えてください。
城戸さん:ヨーヨーの世界では、まだまだ情報の動画化が追い付いていません。同時に、実際にヨーヨーを教われる場はまだまだ少なく、オンラインの情報に頼るしかない人が多いのが現状です。そういった方々のために「上達に必要なのに、いまだこの世に動画として存在していないヨーヨーの情報」を優先して制作するよう心掛けています。
あとは、素人なりに手探りで、できる限りていねいに編集しているつもりです。いざコアなYouTubeファンの方に見られても、見やすい・面白いと思って見てもらえるよう、いろんな映像メディアやYouTuberさんの作品に目を通して勉強しています。
―― 城戸さん自身が思うヨーヨーの魅力は何ですか?
城戸さん:いろんな魅力がありますが、もっとも大きな魅力は「ヨーヨーがいろんなものになる」ことです。
物質としてなにかに変わる……ということではありません。僕はヨーヨーはキャンバスやペンのようなものだと思っていて、実際にある程度長くヨーヨーをやっていると、ヨーヨーで何をしたいかが、人によって全然違うものになっていくんです。キャンバスに何を書いても自由なように、ヨーヨーもヨーヨーでいろんなことを表現したり、いろんな目標を掲げたりすることができます。
ヨーヨーで何をするかでいえば、ふつうはトリック(技)ができるようになることが一番メジャーな楽しみ方になるのですが、トリックは分類方法にもよりますが、名前がついているものだけでも1000個以上、名前がないものを含めれば1万個は下らないと推定されます。それらはスタイルによって分けられ、難しくなるにつれて専門性も高くなってくるため、「各々が好きな特定のジャンルを極める」という流れになるのが一般的です。このあたりは陸上競技(トラック競技)が短距離・中距離・長距離……と種類が分かれているのを想像していただけると、分かりやすいかもしれません。
そのいろんなジャンルに分かれていく中でもさらに分岐するのですが、それ以外の極め方でも「いろんな複数のジャンルを極めていく」「昔ながらのヨーヨーで今どきのトリックを攻略する」「チームプレイで派手なトリックを生み出す」といった楽しみ方がありますし、もちろん技以外でも選択肢があります。ヨーヨーをコレクションしたり、歴史を調べたり、大会を観戦するのが好きだったり、ヨーヨー教室をしたり、パフォーマンスしたり。大会ですと、同じスタイル間のフリースタイルでも、人によってテーマやコンセプトが全くの別物になるので、自己表現の手段としても非常に良いものだと思います。
―― ヨーヨーをやっていて一番楽しいのはどんな時ですか?
僕がヨーヨーで一番楽しいと感じる瞬間は「トリックができたとき」と「ヨーヨーで友達ができるとき」です。
ヨーヨーの世界では毎日のように新しいトリックが生まれているので、20年以上やっていても新しい発見が尽きません。それをヨーヨーの友達と教えあったり、自分で新しいトリックや組み合わせを作ってみたりするのが、ずっと楽しくてやっている感じです。コロナ禍ではヨーヨーの友達と会う機会はガクンと減りましたが、それでもメッセージアプリやSNSの発達によって、交流自体は絶えず行えているので、現在もずっと楽しくやっています。
―― ヨーヨー上達のコツを教えてください。
城戸さん:「よく見る」「メンテナンスをする」「休む」の3つです。これはもうオンラインの練習会や生放送でも口酸っぱく言います。
特に「よく見る」は大事で、あらゆるスポーツや勉強にも共通すると思いますが、失敗したときのヨーヨーの傾き方や手の形を見て、お手本と比較して修正するという流れは欠かしてはいけません。
当然、最終的には自分なりにやりやすい形に落ち着くと思いますが、まずはこれを徹底することを心掛けてほしいと思います。スマートフォンで撮影して見比べるのも非常に重要で、そのときにヨーヨーの動きだけでなく、全身の姿勢や指の向きまで細かく見比べるクセをつけておくほうが、上達の近道になるはずです。
また、「成功に近づくための努力を欠かさない」という前向きな気持ちと、「いつかは必ずできるだろう」という楽観視する気持ちを両立させるのも大事かと思います。失敗した理由をあまり気にせず、漫然と繰り返すのはよくありませんが、かといって成長が実感できずに嫌気が差して、やめてしまうと大変もったいない。ちりも積もれば山となる……的な精神で、つらくなったら別のトリックに寄り道するのも大いにありなので、気長に長~く取り組んでもらえればと思います。
―― 最後に、ヨーヨーを始めたいと思っている人やヨーヨー初心者の人へ向けて、メッセージをお願いします。
城戸さん:この記事をご覧になられた、今この瞬間が始めどきです。
初心者の方へのサポートには特に自信があります。ぜひ当店の初心者向けヨーヨーセットから、一緒にヨーヨーで遊びましょう!
ヨーヨーストア リワインドでは、初心者向けのセットを販売中です。また、トリックの解説動画やオンラインで行える検定など、上達をサポートするサービスが多く用意されており、初心者でもヨーヨーを始めやすくなっています。少しでも興味を持った人は、ヨーヨーを購入したり、実際に店舗に行ってみたりして、一歩を踏み出してみるのもいいかもしれません。
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さも当たり前のようにくるくる回しています。
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