自宅写真が勝手にSNS広告に使われていた……家主「驚きであ然」 ツイート拡散し住宅会社と素材販売会社が謝罪(1/2 ページ)
「これ僕の家です~勝手に広告にされては困ります~」――自宅の写真を勝手にSNS広告に使われたとする投稿がTwitterで反響を呼びました。広告を出稿した企業は謝罪しています。
問題の広告は、住宅とガレージの写真に「月5万円台で、庭付き4LDK建てちゃった」といううたい文句を添えたもの。写真の住宅の持ち主であるMutsuki(@mtkgx71)さんは10月12日に、広告のスクリーンショットに「これ僕の家です~勝手に広告にされては困ります~」とコメントを添えてツイート。「月5万って…100年ローンとか組まれました??」と、価格が事実と大きく異なっていることも指摘しています。
投稿は2.7万RTと広く拡散され、無断使用を批判する声が多く寄せられました。Mutsukiさんの自宅を手掛けた建具店も、「全く関係のない他社様に写真を掲載されました」と注意を呼びかけ。
問題となった広告は、東京都の住宅会社によるものと判明。さらに無断使用された写真は、Mutsukiさんが自身のTwitterに投稿していたもので、それを第三者が素材販売サイト「スナップマート」に出品していたことも分かりました。広告、スナップマートの画像とも現在は削除されています。
編集部がMutsukiさんに話を聞いたところ、写真の無断使用に気付いたのは11日午後、友人からInstagramのストーリー広告に自宅写真が使われていると連絡があったことがきっかけ。「驚きであ然としました。そして広告の嘘の内容に怒りを覚えました」とそのときの心境を語ってくれました。
Mutsukiさんはその日の夜に住宅会社にメールを送り、翌日になっても返事がなかったため直接連絡したところ、「現在全広告の削除と原因の調査中です。広告の削除が終わったら折り返します」という回答があったものの、折り返しはなかったとのこと。スナップマートについては12日夕方に、Twitterで「(自宅写真が)スナップマートに載っている」とのコメントを見て削除を依頼したそうです。
スナップマートは13日に謝罪文を公開し、当該の写真を販売停止したと報告。出品者に問い合わせたものの回答がなく、事実確認が明確になっていないとしつつも、「出品者が著作権者の許可なくコンテンツをアップロードした疑いがあると考えられ、誠に遺憾に思っております」とコメントしました。
スナップマートは、写真の購入者(広告制作者)に対しても、広告の内容が事実と異なることから、利用規約に抵触する「虚偽、誤認惹起、詐欺、中傷、その他違法な内容又は文脈においてコンテンツ又は被写体を利用する行為」といえるとして、出品者と購入者の両方に厳正に対処するとしています。
住宅会社は14日に、SNS広告で「適切に著作権等の権利処理がなされていない画像、及び、誤解を招きかねない内容を含む文言が使用されていたことが確認されました」とする謝罪文を公開。
同社は問題の広告について、広告を委託した広告代理店が、さらに広告運用会社に再委託して作成したと説明。同社は広告の内容(写真や文言)について具体的な指示をしておらず、広告運用会社の判断で作成されたものであり、写真に著作権上の問題があることは一切認識していなかったと述べています。
その後住宅会社からMutsukiさんへの謝罪はないとのこと。Mutsukiさんは謝罪文に「やっと謝罪、詳細出しましたね」「また責任転嫁。広告運営会社のせいですか」と不信感をあらわにしています。
2024年8月1日:記事を一部変更しました
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