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マクドナルドきっかけで紙ストローへの不満高まる 紙ストローより好評な「草ストロー」なぜ普及しないのか?(2/3 ページ)

販売元HAYAMIの代表に取材しました。

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「紙ストローより良い」という声も

 ねとらぼ編集部の取材に対し、大久保さんは草ストローには「ふやけない」「口触りが良い」などのメリットがあるとアピールしました。プレスリリースによると、実際に使用した飲食店からも「初めて見たことの驚き。紙ストローと比較され、長時間持つのでうれしいと好評」など、紙ストローと比べて良いという声もあるそうです。

 さらに、草ストローには製造時のCO2(二酸化炭素)排出量が少ないほか、無添加・無農薬・保存料不使用の完全自然由来の製品のため、使用後は草木と同じように分解されて自然に還せるというメリットもあります。ホーチミン郊外の農村で製造しており、雇用が減少する現地の農村や印刷会社、若者の雇用創出にもつながっているとのこと。

飲食店からも好評(画像はプレスリリースより)

 飲食店にも好評で、環境面など社会的な観点からも素晴らしい製品に思える草ストロー。一方で、デメリットを聞くと、大久保さんは乾燥した状態だと割れやすく、高温多湿を避けて保存する必要がある、と話しました。

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 また、SNS上では草ストローについてアレルギーを心配する声も見られました。大久保さんはこの点について、現時点では主要なアレルギー物質は含まれてないことを確認しており、3年間販売していて報告は受けていないとしつつも、「ステンレスストローの金属アレルギーなどと同様、植物の茎なのでアレルギー反応が出る方もいらっしゃるかと思います」と語っています。

大手での導入は「価格面で難しい」

 とはいうものの、このようなメリット・デメリットがあるのは紙ストローも同じだと考えられます。なぜ、大手飲食チェーン店は草ストローの導入には踏み切らないのか。

 大久保さんはその背景について、「価格面で難しいところがあります。格安で仕入れたい大手ではなく、製品の製造プロセスや付加価値を理解して使っていただけるお店に販売しております」と明かしました。

 オンラインショップではさまざまな形態で販売されていますが、例えば20cmの草ストロー1000本セットは6800円(送料は別)で、1本あたり6.8円です。プラスティックストローは1本あたり0.82円、紙ストローは1本あたり3.03円(※)とされていることから、草ストローは紙ストローと比べて2倍以上のコストがかかります。

※ワークアップ「紙ストローの普及のために

 公式サイトでは、草ストローはホーチミン郊外での雇用創出に役立っていることを踏まえ、「極端に値段を下げず、適正な値段で購入/販売しているフェアトレード製品」と説明されています。

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 現状、大手での導入は難しいものの、全国250以上の店舗で導入されていることから、価格設定も含めて取り組みに賛同する飲食店関係者が多くいることが伺える草ストロー。最後に大久保さんに今後の展望を聞くと、「草ストローの使用後の循環サイクル構築を取り組んでいきたいです」と語りました。

 すでに福岡県に本社を置く農業機械メーカーのオーレックでは、カフェ「OREC green lab 福岡」で使用した草ストローを消毒して、福岡市動物園でペンギンの巣材として活用する取り組みが始まっています。

福岡市動物園でペンギンの巣材として活用されている(画像はプレスリリースより)

取材後記

 今回の取材では、地球環境に配慮した取り組みは進めるべきではあるものの、紙ストローと同じように草ストローにもメリットのみならず、デメリットがあることが分かりました。特に、草ストローは価格面から大手での導入は難しいため、マクドナルドなどの大手企業がプラスティックストローの代わりに、まずは安価な紙ストローを導入するのは妥当な判断なように思えます。

 一方で、地球環境に配慮したストローにはほかにも、「竹ストロー」「藁(わら)ストロー」「米ストロー」「パスタストロー」「金属ストロー」といった選択肢が存在します。地球環境に配慮しつつ、より消費者に歓迎されるストローは登場するのか。今後の企業による開発や取り組みに注目です。

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