「子どもは泣いたり騒いだりするのが仕事。価値観を押し付けないで」 クックビズ社長がSNS上での“不適切発言”で、役員報酬を一部返上(1/2 ページ)
「電車での迷惑行為を助長する可能性がある不適切な発言」との見解。
「子どもは泣いたり騒いだりするのが仕事」「見ず知らずのあなたの価値観を我々に押し付けないで欲しい」――。飲食・フード産業に特化した求人サイト「クックビズ」を運営するクックビズは11月17日、同社代表取締役社長の藪ノ賢次氏がSNS上で不適切な発言をしたとして、本人の申し出により報酬の一部返上することを発表しました。
藪ノ氏が該当発言をしたのは、11月16日の午後9時45分。「起業家あるある?」として、5歳の子どもと電車に乗った際、隣の乗客に「人に迷惑をかけるな、躾(しつけ)をしろ」と激怒された際のエピソードを紹介したものです。
乗客の注意に対して、藪ノ氏は「子どもは泣いたり騒いだりするのが仕事。うちの家では過度には周りに迷惑をかけるなとは躾けていない。子どもの探求心を伸ばしたいから、見ず知らずのあなたの価値観を我々に押し付けないで欲しい」と反論しました。その言葉を受けて、乗客は憤慨していたといいます。
藪ノ氏はその後、子どもに「傷ついた?お父さんが守ってあげるよ」と声をかけたら、子どもは「全く!!」とあっけらかんとしていたとして、「さすがうちの子」と振り返っていました。
クックビズは該当発言について、「個人の立場として発信したものでしたが、電車での迷惑行為を助長する可能性がある不適切な発言で、弊社取締役として、節度や配慮ならびにマナーにも欠けており、当人も問題だと認識し深く反省しております」とコメント。
今回遭遇した乗客だけではなく、顧客や関係者、起業家、起業家を目指す人、電車を利用する人にまで不快な思いをさせたとして謝罪しました。また、藪ノ氏本人の申し出により、2022年12月から2023年2月までの期間、藪ノ氏は役員報酬月額の10%を返上するとしています。
クックビズは「今回の件を厳粛に受け止め、今後このようなことを繰り返さないよう、研修の実施などを通じて、再発防止策に取り組んでまいります。日頃よりご愛顧賜っておりますお客様、取引先様、関係者の皆様方に対し、多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます」と述べています。
また、藪ノ氏はTwitterで「私が昨日の午後9:45に投稿した内容は当社取締役としての立場上、電車での迷惑行為を助長する可能性がある不適切な発言でした。今回ご迷惑をおかけした乗客の方、起業家や電車を利用される皆さまに大変不快な思いをさせてしまいましたこと心からお詫び申し上げます」と謝罪しました。
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