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ファスト映画投稿者に“満額”5億円の損害賠償命令 「著作権侵害のやり得を許さない」

映画制作会社ら13社が提訴していました。

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 東京地方裁判所(杉浦正樹裁判長)は11月17日、「ファスト映画」投稿者の男女2人に対し、請求通り損害賠償金5億円の支払いを命じる判決を言い渡しました。


判決を受けて会見を開いたCODA後藤健郎代表理事、前田哲男弁護士(染井・前田・中川法律事務所)、中島博之弁護士(東京フレックス法律事務所)、小山紘一弁護士(骨董通り法律事務所)

 “映像版まとめサイト”とも呼ばれ、問題視されている「ファスト映画」。映画の映像や場面写真などを無断で用いてストーリーの起承転結を10分程度に編集しているのが特徴で、結末まで紹介してしまうことで映画本編を見なくなる人を誘発しているとの指摘があります。

 今回の訴訟では「ポケットシアター」「【映画紹介】パンフレットムービー」などのチャンネル名で、2020年初旬から10月下旬までファスト映画を投稿していた運営者らを、映画制作会社ら13社からなる原告団が提訴。

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 チャンネル投稿者らは「シン・ゴジラ」「アイアムアヒーロー」「冷たい熱帯魚」「おくりびと」など54作品を無断で編集してナレーションをつけるなどしており、64件のURLで投稿された動画の再生数は合計1027万4711回に上りました。

 コンテンツ海外流通促進機構(CODA)と日本映像ソフト協会(JVA)によると、「1再生200円として被害額は『約20億円』」だといい、原告らは「最低限の損害回復を求めるものとして5億円の一部請求を支払いとして求める」としていました。

 

 判決では、「被告らは、故意により、いずれも映画の著作物である本件各映画作品について原告らがそれぞれ有する著作権(翻案権及び公衆送信権)を侵害したといえる」と東京地裁が判断。

 被告らが本件侵害行為によって得た広告収益が700万円程度であることを考慮しても、被害額は「本件各動画の再生数1回当たり200円」が相当として、アトミック・エースに1987万円、KADOKAWAに678万円、ギャガに2277万円、松竹に675万円、TBSテレビに2076万円、東映に213万円、東映ビデオに1395万円、東宝に6502万円、日活に1億8576万円、日本テレビ放送網に5688万円、ハピネットファントム・スタジオに3308万円、フジテレビジョンに6394万円、WOWOWに231万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

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 判決を受け、CODAとJVAは会見を開き「私たちの主張を全面的に認めた判決であり、著作権侵害に対する大きな抑止力になるものと考えます。近年の他の著作権侵害事件と比較しても認容金額が大きく、著作権侵害のやり得を許さず、原告13社が一致団結して行動し、このような判決を得られたことの意義は大きいと感じています」とコメントしました。

 また、ネット上では5億円という巨額の損害賠償請求に驚く声と妥当だとする声が上がっており、「全く割にあってないし抑止力としては十分」「こういうの見る方も悪いよ。作り手のことなんも考えてない」と視聴する側のモラルに言及する意見も見られました。

(Kikka)

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