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「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」レビュー 「目に映る全てがラッセン」と思うほど美しい、3時間12分に渡る特濃キャメロン監督成分の塊(2/3 ページ)

ハイフレームレートと3Dもとんでもなかった。

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 今回は前述した通り「俺の大好きな海でできること全部やってやる」に加えて、美しく滑らかな動きを再現するハイフレームレート(以下HFR)の映像が、まさに「こんなの見たことない!」だったのだ。

(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 このHFRは、 2019年の「ジェミニマン」の他、今年9月の前作「アバター」のリバイバル上映などで実施されていたので、すでに体験したという人もいるだろう。だが、2022年の今、掛け値なしに人類史上最高レベルのお金と労力がかかった映像が、「ヌルヌル動きまくる」衝撃はやはりすさまじかった。

 なお、今作では動きの激しいシーンを48fpsにして、どっしり見せたいシーンを24fpsにする、といった形で「ヌルヌルの最適化」も行っている。これまでHFRが映画ならではの重厚さを損なうとの批判も根強かったが、こうした工夫によりHFR表現のレベルをこれまでから一段引き上げているのだ。

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 そして、3D上映の効果も抜群だ。昨今では3D上映そのものが少なくなり、今年は5月公開の「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」くらいしかその効果を存分に生かした作品はなかったように思う。

 しかし、前作「アバター」と同様「奥行き感のある」「世界への没入観のある」3D表現はやはり貴重であり、今回はそれが「海の世界」で展開する。海の中をハイスピードで「遊泳」するぜいたくな体験が3Dでできるのだ。さらに滑らかなHFRが加われば、「し、幸せ……!」となるのも当たり前である。

(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 上映形式にはIMAX 3Dもあるし、ドルビーシネマ 3Dもあるし、4DXやMX4Dでは座席の移動などの演出も楽しめるし、4DXに加えて3画面の「ScreenX」も味わえる「4DX SCREEN」もあり、よりどりみどりすぎて迷ってしまうのは玉にきずだ。

「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」 ScreenX予告編

 なお、HFR上映がされているスクリーンと、されていないスクリーンがあるのでご注意いただきたい。映画館の上映スケジュールを確認し、映画館のサイト上で「HFR」が表記されている回を選べば間違いないだろう。また、TOHOシネマズではHFR料金が3DやIMAX料金とは別に100円プラスとなっている。

 いずれにせよ、HFRと3Dの組み合わせはほとんどの家庭で再現できないものであり、美しい惑星と、そこにある海の世界への没入観は「映画館」という場所でしか体験し得ない。

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(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 しかも、もう一度告げておくが、今作の上映時間は3時間12分である。その上映時間中「ずっと人類史上最高レベルのお金と労力がかかった映像を見ている」「キャメロン監督成分がずっと特濃抽出されている」となり続ける体験は唯一無二である。ぶっちゃけものすごく疲れるし、観終わった後に何もする気がなくなるかもしれないが、その疲労感も含めてなんだか心地良くもある。何度も繰り返すが、そうした「体験」ができるのは、「映画館だけ」だ。

中学生の発想を具現化する

 最後に余談だが、キャメロン監督の「アバター」の構想はなんと中学生の頃からスタートしていたらしい。確かに、異星の土地で、その原住民の姿となり、ヒーローとして活躍して、家族もできるなんてのは、「中二病」的な発想とも言える。

(C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 だが、中学生が考えたような発想や世界観を、本気でやってしまえるというのがキャメロン監督のすごいところであり、今までの世界トップレベルのエンターテインメントを作り上げてきたキャリアがあってこその「夢の具現化」だ。

 そして、これほどまでに「(家族の物語や海が)大好き!」が詰まった映画は、見ているこっちもキャメロンと作品ごと「大好き!」にならざるを得ない。繰り返すが、ぜひ3時間12分ずっと「浴びる」、映画館だけの体験をしてほしい。

「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」スペシャル映像

ヒナタカ

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