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「昔のマクドナルドは安かった」論争が勃発 意外と知らない“商品価格の歴史”をマクドナルドに聞いてみた(1/2 ページ)

思ったより波があるようです。

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 日本マクドナルドは、2023年1月16日から全体の約8割の品目の店頭価格改定を実施。SNSではさまざまな声が上がる中、昔の価格との比較に注目が集まっています。果たして、今回の値上げは昔と比べてどうなのか? 日本マクドナルドに価格推移の歴史や、価格改定の理由について取材しました。

「昔は安かった」説と「昔もそんなに変わらなかった」説

 1月16日の改定では、バーガーやサイドメニュー、セットなどはそれぞれ10~50円アップしており、例えばハンバーガーは従来の150円から20円値上がりして170円となりました。他にも、ビッグマックは410円から450円に、マックフライポテトのSサイズは160円から190円に値上がりしています(関連記事)。

1月16日になってから170円になったハンバーガー(出典:マクドナルド公式サイト
1月16日の値上げ一覧(画像引用:公式発表

 SNSでは、こうした値上がりに対し、2種類の意見が。1つは、「100円マック」があったり、ハンバーガーが60円くらいだったりするなど、「昔はもっと安かった」というものです。一方で、それに対して「昔も今とそれほど変わらなかった」とする声も上がっています。

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 果たして、真相はどうなのか? 編集部は、「ハンバーガー」「ビッグマック」「マックフライポテトS」の3品目の価格推移についてマクドナルドに取材し、日本1号店の開店(1971年の7月20日)から2023年1月現在に至るまでの価格変動をまとめました。

 

バブル期は“高騰” 過去には値下げを実行したことも

 「ハンバーガー」は最初80円の提供でスタートしましたが、それから徐々に値が上がり、1979年には現在と同じ170円に。それから、さらに価格は上昇し、バブル景気目前の1985年には、過去最高額となる210円に達しています。

 しかし、バブル崩壊後の1995年には130円と大幅に値下げされ、2002年には当初の80円へと戻り、一時は59円(キャンペーン価格)という破格な時期もありました。その後2007年に一部店舗で100円台になってからは、10年以上100円~120円をキープしていましたが、2022年以降価格が上昇。現在は170円になっています。

ハンバーガーの表示価格推移(一部省略、画像をクリックで拡大)

 1971年当初200円だった「ビッグマック」は、ハンバーガー同様徐々に値が上がり、バブル崩壊前夜の1990年には380円まで高騰します。1995年には280円に値下がりし、2006年までの約10年はキャンペーン期間(「なっ得バリュー」)を除き、250~280円の間を推移。

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 2007年に一部地域・店舗で初めて290円まで上がって以降は緩やかに値上がりが進み、2014年には、一部地域・店舗にて初の400円台に到達。2015年からは少し下がり300円代後半が続いたものの、2022年には410円まで上がり、現在は450円と過去最高を記録しています。

ビッグマックの表示価格推移(一部省略、画像をクリックで拡大)

 最高額の時期など多少の差異はあったものの、ハンバーガーとビッグマックは似たように推移していましたが、マックフライポテトSは少し違う様相を見せています。2種類のバーガーが価格低下を見せていた1995年から2002年にかけて、ポテトSは150円をキープ。

 それからしばらく150円あたり(2004年4月1日~2005年4月18日は157円)を推移していましたが、2006年5月13日から2013年5月6日までにかけて価格は緩やかに上昇。その間に一部店舗では、最高値となる230円を記録しました。2013年5月7日以降しばらくは、再び150円前後をキープしていたものの、2022年には160円となり、現在は190円になっています。

マックフライポテトSの表示価格推移(一部省略、画像をクリックで拡大)

 

価格の上下変動の要因は“社会情勢”

 では、これらの価格推移には、いったいどのような背景があるのか。日本マクドナルドに尋ねると、以下の回答が得られました。

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―― 今回の値上げの主な要因は何でしょうか

日本マクドナルド:原材料価格の高騰や人件費、物流費、エネルギーコストなどの上昇および為替変動の影響を受け、慎重に検討した結果、2023年1月16日より全体の約8割の品目の店頭価格を改定いたしました。

―― 1995年や2000年など過去には値下げをしたケースも見受けられます。その理由を教えてください。

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日本マクドナルド:バブルの崩壊を受けて、財布のひもが固くなったお客様によりお得な商品をお届けしようと、1994年にバーガーとポテト、ドリンクをセットにしたバリューセットを始め、大変好評を得ることができました。

 その翌年にさらにお得にご提供しようと、ハンバーガーを210円から130円へ、ダブルチーズバーガーなども価格を下げてご提供し、多くのお客様にご利用いただきました。

 しかし、2001年9月に、マクドナルドは無関係だったものの、国内初のBSE感染が確認され、牛肉全体のイメージが悪くなり、マクドナルドの業績にも影響しました。

※マクドナルドの牛肉については公式サイトの「食材の道のり ビーフ篇」を参照

 それを受けて、売上回復の一手を打つべく、「なっ得バリュー」というキャンペーンでさらにお得な59円という価格でのご提供に踏み切りました。

 

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経済情勢や企業戦略が価格に影響

 以上のデータから、過去と現在で商品の価格を比較する際には、どの時期の、どの品目を基準とするかによって変わってくることが分かりました。例えば、現在170円のハンバーガーは、80円だった2000年代初頭を基準とすると2倍以上値上がりしていますが、バブル期の210円と比較すると下回っています。

 マクドナルドの商品価格にはバブル崩壊やBSEの影響など、さまざまな世相が反映されています。価格変遷を見る際には、その時々の世相について調べ、思いをはせてみるのも大切です。

 

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