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神社で“狛犬の子犬”たちが遊んでいる? 飽富神社の狛犬像が「かわいい」「珍しい」と話題 設置の経緯を聞いてみた(1/2 ページ)

神社仏閣ファンから見ても、かなり珍しいものだそうです。

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 千葉県袖ケ浦市の「飽富神社(あきとみじんじゃ)」の境内にある、個性的な狛犬像が「かわいらしい」「珍しい」と話題になっています。

石灯籠で狛犬の子犬が遊んでいます

 話題の発端となったのは、パトポッポ(@flowertoman)さんのツイート。「狛犬の仔犬が下に降りて遊んじゃってるの可愛くない??」と、飽富神社で見つけた大変珍しい狛犬の子犬の写真を投稿しています。2023年3月16日現在で1万7000件以上のリツイート、7万3000件以上のいいねを獲得し、大きな話題を呼んでいます。

 飽富神社には通常サイズの狛犬もあるのですが、そこから少し離れた場所にある左右の石灯籠に、狛犬の子犬が2匹ずつ置かれていて、その様子はまるで遊んでいるかのよう。石灯籠の上に乗っている子、地面から上へ登ろうとしているような子がおり、左右で反転している以外、どちらの石灯籠も同じ作りのようです。

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 このような「狛犬が台座に乗っていない」「狛犬の子犬が遊んでいる」ものは非常に珍しいらしく、パトポッポさんのツイートにも「えーこれどこの神社ですか? 狛犬写真うっすら集めてるんですが、見に行きたいです!」「うわー、可愛いですね! 初めて見ました! こんな可愛い狛犬、どこの神社で拝見できるんでしょう? 気になります……」「台座からはみ出てるの初めて見ました!」など、神社仏閣ファンからの声が寄せられています。

 一方で、境内にある大人の狛犬像は、特に変わったところもない普通のもののようです。

2匹の狛犬の子犬について聞いてみた

 飽富神社にある2匹の狛犬の子犬について、「千葉県袖ケ浦市教育委員会 生涯学習課 文化振興班」の担当者に話を聞きました。

――飽富神社の由来を教えてください。

担当者 平安時代に編さんされた『延喜式(えんぎしき)』にも名前が見られる、1200年以上の歴史をもつ古い神社で、主神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)という農業神です。

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 現在の社殿は元禄4年(1691年)に再建された権現(ごんげん)造りで、本殿と境内にある東照宮は、市の指定文化財に指定されています。

――2匹の狛犬がいる石灯籠は、いつごろ作られたものでしょうか。

担当者 文久2年(1862年)に建立されました。当時の地元の商人たちがお金を出し合って建立、奉納したもので、お金を出した人の名前一覧と各々がいくらずつお金を出したか、という記録が残されています。

――2匹の狛犬の子犬には、どのような意味があるのでしょうか。

担当者 博物館の職員によると、これといった意味はなく、単なる石灯籠の装飾として作られたもの、とのことです。境内にある一対の狛犬とは関係のない独立したもので、親子関係はありません。

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 これは職員の憶測なのですが「栃木県日光市の日光東照宮にある“眠り猫”のような、平和の象徴として、あるいは祈願したものとして、石灯籠の周りで狛犬の子犬たちを遊ばせたのかもしれない」とのことでした。

――狛犬の子犬を見て、個人的に感じたことをお伝えください。

担当者 かわいらしい作りをしているだけでなく、躍動感がありますね。きっと2匹で楽しく遊んでいるのだな、という印象を受けました。

――ありがとうございました。

平和を祈る気持ちから作られたのかも?

 お話によれば、「石灯籠は当時の地元の商人たちが、お金を出し合って建立・奉納したもの」「一対の狛犬とは関係ない、石灯籠の装飾として作られた付属品」ということは確かなようです。

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 ですが博物館の職員さんの個人的な考察である「日光東照宮にある“眠り猫”のような、平和の象徴としてか、あるいは祈願したものかもしれない」という説を顧みるに、平和を祈る気持ちであったとしても、単なるイタズラ心からだとしても、いずれにせよ当時の商人たちの「粋」を感じる、すてきな建立物といえるのではないでしょうか。

 何はともあれ非常に珍しい、狛犬の子犬が見られる飽富神社。興味を抱いた人はぜひ訪ねてみてください。

飽富神社(あきとみじんじゃ)

〒299-0256 千葉県袖ケ浦市飯富2863

JR内房線 袖ケ浦駅からタクシー5分

JR内房線 袖ケ浦駅からバスのぞみ野行きまたは平川行政センター行き「東飯富」下車 徒歩10分

写真提供:パトポッポ(@flowertoman)さん

記事:たけしな竜美(@t23_tksn

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