ニュース

消息不明の大好きな漫画家を探し続けていたら……原画展を開催し待望の新作にまで至ったファンの活動に反響集まる(2/2 ページ)

長年の努力が実った結果です。

advertisement
前のページへ |       

――石垣先生への直談判へ至った経緯を教えてください。

モンキー 2019年にTwitterを始めて、なんとなしに石垣先生のお名前を検索したところ、先生と交流のあるたっきー(@takie55)さんのツイートにたどり着きました。

 その内容は「ウィザードリィの原稿や、トレーディングカードのカラー原画が死蔵されている。これらをファンの皆さんにも見てもらいたい」という旨で、私はさっそく連絡を取りました。

advertisement

 その後もたっきーさんとの交流は続きまして、そのなかで「石垣先生のすばらしい作品の数々、生原稿や生原画を見てもらう場を作ることを提案したい」と相談したところ、石垣先生にアポイントを取っていただけました。

 そして石垣先生に直接プレゼンテーションを行わせていただいたところ、原画展の開催をご快諾していただけた、という経緯です。

実際のプレゼン資料の一部
実際のプレゼン資料の一部

――直談判での、印象に残っているやり取りなどがあれば教えてください。

モンキー 石垣先生はさまざまな事情からファンからの声をほとんど受け取れておらず、自己評価が非常に低くなっていると、たっきーさんから聞いておりました。そこで原画展を確実に開催できる段取りを組んだほか、Twitterのファンの声を集め、それを当日にお渡ししました。

 さらに私が今まで抱き続けていた先生の作品への想い、先生に負担は掛けないよう開催の段取りなどの実務はすべて自分が行うなど、できる限りの熱意を訴えたところ「いまだにそんなにファンの方が言ってくださるのなら」と、ご快諾を得ることができました。

advertisement
ファンの声をまとめたものの一部
ファンの声をまとめたものの一部

――そこから死蔵作品集を制作するに至ったきっかけを教えてください。

モンキー 石垣先生の手元には、雑誌にしか掲載されなかった、あるいは何にも使われなかった原稿や原画……死蔵状態となっているものが多数ありました。実際に使われたイラストを直接見てもらいたかったというのもありますが、それら死蔵状態の作品が日の目を見ないのはあまりにも惜しいですよね。

 ファンの皆さんの手元にそれらを届けたい、もし原画が失われてもアーカイブとして世の中に残るように、と私から提案させていただき、こちらもご快諾いただきました。結果としてフルカラー冊子、モノクロ冊子それぞれ約100ページのすばらしい作品集が完成しました。

収録された作品の一部
収録された作品の一部
収録された作品の一部

――ファンによる交流会は、どのような経緯で開催されたのでしょうか。

モンキー さきほど申し上げた通り、石垣先生にはファンの声がほとんど届いていませんでした。そこで石垣先生にはファンがたくさんいること、今でも根強いファンがたくさんいるすばらしい作品を創られてきたことを実感していただきたく、またファンが連載当時に伝えらなかった熱い想いや感謝を直接伝えられるように、という考えから開催に至りました。

advertisement

 こちらは大変好評をいただきまして、交流会は今でも定期的に、オンライン開催という形で続けております。

――そして30年ぶりの新作発表にまで至ったのですね。

モンキー はい。当時に石垣先生の漫画のムックや設定集が出なかったこともあり、ファンの皆様にも大変好評をいただけました。本来ならばすでに届いているはずだった、ファンの皆様の熱意と要望がようやく先生に届いた結果だと思います。

 ほかにも意図はありまして、石垣先生の漫画単行本はすべて絶版となっており、それらがどう動いても先生には1円も入ってきません。新作をひとまず同人誌という形でも発行し、それが売れることで収益が入るようにしたかった、というのもあります。

30年ぶりの新作の一部

――これまでの経緯を振り返っての感想をお願いします。

advertisement

モンキー 私は「もう先生の新作は読めないのだろうか。当時に先生をもっと応援できていれば、事態は変わっていたのかもしれない」と、長年にわたって後悔の念を抱き続けてきました。そんななかで先生にたどり着けたときの思いは、半ば諦めかけていた夢がかなったという、まさに青天のへきれきとでも言うべきものでした。

 現在では原画展などを通じて先生と交流ができまして、私はTwitterやYouTubeなどで石垣先生の情報の発信やイベント告知を行う広報のような存在となりました。それでもまだまだファンの方々すべてに届いているわけではなく、発信力の弱さを不甲斐なく思うことも多々ありますが……それでも石垣先生の作品を、今でも愛し続けているファンがたくさんいらっしゃることにうれしさを覚えます。

当時のファンの方々に知っていただきたい

 長年情報を探し続けた結果、偶然にも縁がつながり、30年ぶりの新作を読めるまでに至った……熱心なファンによって成し遂げられた、まさに「一念岩をも通す」と言うしかない奇跡的なできごとでした。

 消息不明の漫画家となってしまっていた石垣環さんですが、現在ではこのように活動を再開しています。まだまだモンキー・アドベンチャーさんの活動を知らない人もいるかと思います、ファンの方はぜひ情報を受け取ってください。

画像提供:モンキー・アドベンチャー(@monkey_adventur)さん

advertisement

記事:たけしな竜美(@t23_tksn

読まれている記事

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  4. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  5. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  6. 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  7. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  8. 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  9. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  10. 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】