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大阪IRのPR使用に芸術家の作品を無断使用か 青森県立美術館「問い合わせの事実はない」と声明発表(1/2 ページ)

芸術家の奈良美智さんが自身のデザインが無断使用されたと訴えています。

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 青森県立美術館は4月19日、大阪IR(統合型リゾート施設)の広報資料に既存の芸術作品のデザインが含まれていた問題について、「当館においては、本件での画像使用許可等の問い合わせの事実はありません」と声明を発表しました。

無断使用されたとみられる奈良さんの作品

 自身のデザインが無断使用されていると訴えたのは、芸術家の奈良美智さん。4月14日、Twitter上で「使用を許可したこともない、というか許可自体を求められたこともない」などと立場を表明していました(関連記事)。

 その後、大阪府・大阪市に大阪IRの広報資料を提供したオリックスと日本MGMリゾーツは4月17日、該当デザインについて「しかるべき承諾を得ていない可能性が高い」と認めて謝罪。無断使用したとみられる動画を削除するとともに、引き続き調査を進めるなどと説明していました(関連記事)。

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 また、4月18日には、大阪府の吉村洋文知事は囲み取材のなかで、本件について詳細な事実関係については確認中としつつも、「(奈良さん)ご本人さんが利用許諾していないと発信されておられるなかで、本当に申し訳ないという思いです。作品に込めた思いもあられるなかで、きちんと許諾を取られていないのではないか」として、奈良さんらに対して謝罪しています。

 青森県立美術館は今回、無断使用されたとみられる作品「あおもり犬」について、「隣接する三内丸山遺跡の発掘現場から着想を得た青森県立美術館の建築空間に対する、奈良氏自身の深い理解と共感の中から生み出された作品であり、当館のコンセプトや作家の感性を育んだ故郷の地に強く根差したものと考えています」と説明。

 「当館の奈良氏の作品については、『多くの人に親しんでもらいたい』との奈良氏の思いから、特別に個人の私的利用に限定して、撮影の許諾をいただいています。『あおもり犬』を含め、すべての美術作品に関する著作者の権利や思いは、最大限に保護され、尊重されるべきものと考えています」と意見を表明しました。「当館においては、本件での画像使用許可等の問い合わせの事実はありません」とのコメントで声明は締めくくられています。

 なお、奈良さんは4月20日、Twitter上で「大阪IRに関しては、信頼できる弁護士さんにお任せしました」とその後の進展を伝えています。

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