「あずきバーはサファイアより硬い」は本当? 硬さ試験機で測定した結果が興味深い(1/2 ページ)
銅より柔らかいという結果に。つまり、銅の剣でも戦えるということです。
“硬さ”がネットで話題に上がりがちな井村屋のアイス「あずきバー」。この硬さを測定した動画が、定説をくつがえす意外な結果となっています。ま、まさか……ロビンマスクの鎧より硬いといわれたあのアイスが、銅の剣より柔らかいなんてっ……!
動画を公開したのは、いろんな実験動画を投稿している市岡元気さんのYouTubeチャンネル「GENKI LABO」。「あずきバーがサファイアより硬いって本当?」とのうわさを検証します。
“硬さ”といっても、その指標にはさまざまなものがあります。有名なのはモース硬度ですが、2つのものを比較する相対的な数値のため工業的には使いにくいという欠点があります。数値化できるものとして「ロックウェル」「ビッカーズ」「ブリネル」「ショア」などがあり、状況に応じて使い分けることになります。
今回は、あずきバーは溶けるとの特性を考慮して「微小球反発硬さ試験機」を使うことにしました。セラミックの球を物質に当てて、反発の高さを計測するものです。「1」に近いほどより硬いことを示します。
まずは、あずきバー以外のいろんな物質を測定してみます。銅は意外に柔らかく「0.231」、ルビー(サファイアと同じ鉱物)は「0.887」という結果が出ました。
■いろんな物質の「硬さ」測定結果
材料 | 測定値 |
---|---|
銅板 | 0.231 |
石こう | 0.481 |
フローライト | 0.787 |
ルビー | 0.887 |
あずきバーがサファイアより硬いのならば、0.887よりも大きい値が出るはずです。冷凍庫から取り出したばかりの状態で測定してみると、結果はなんと……「0.104」。銅板よりも柔らかいという、なんだかとっても当たり前なことが分かってしまいました。銅より硬かったら食べるとき歯が欠けちゃいますもんね。「うわさは調べなければよかったな……」と元気さんは残念そうです。
動画ではこのあと、液体窒素で冷やしたあずきバーの硬さも測定します。液体窒素にドボンと入れると、あずきバーから泡がぶくぶくと立ち上がり、表面は真っ白に。すごいことになっています。
なお、「あずきバーがサファイアより硬い」というウワサは、以前に関市のナイフメーカーが行った、「ロックウェル硬さ」を測定した実験(関連記事)によるもの。この実験では測定値が安定せず、一瞬だけサファイアを超える値が観測されました。このときの実験では「あずきバーはナイフや包丁の硬度を測るロックウェル硬度計では計り知れない潜在硬度をもったアイス」と結論づけられていました。
動画提供:GENKI LABO(GENKI LABO)さん
(高橋ホイコ)
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