新宿の遊歩道にある障害物が物議 新宿区役所「公園の出入り口は車椅子が利用できるようにするべき」(1/2 ページ)
新宿区役所に取材しました。
東京・新宿区歌舞伎町のゴールデン街近くにある「新宿遊歩道公園 四季の路」のスロープや出入り口に障害物が設置されていることが、車椅子を利用する人などの通行の妨げになるのではないかとSNS上で物議を醸しています。ねとらぼ編集部では、新宿区役所に障害物の設置背景や今後の対応を取材しました。
新宿区の公式サイトによると、四季の路は1970年に廃止された都電13系統(新宿駅前~水天宮前)の専用軌道敷を新宿区が整備し、1974年に遊歩道公園として開園されたもの。遊歩道はモザイク状の石畳で整備されており、ゴールデン街の近くながらも樹木や草木が茂っています。
ところが、4月29日ごろから、四季の路から区役所通りにつながるホテル「シタディーンセントラル新宿東京」の抜け道にあるスロープの前に、ブロックが複数設置されていることがSNS上で物議を醸しました。四季の路の出入り口にも金属製のポールが多数設置されていることから、車椅子などでは通行さえできないのではないか、などと障害物の設置を疑問視する声が広がっています。
※ブロックで塞がれたスロープの様子(スマホやタブレット端末からは、PC版表示に切り替えることで確認できます)
新宿区役所みどり土木部みどり公園課長は、ねとらぼ編集部の取材に対し、スロープにグロックが設置された背景について、「平成19年度(2007年度)に隣接するホテルの建設工事にともない、ホテル側と協議の結果、通路を設置することになりました。その際にスロープも設けましたが、当時はスロープ上に石製の車止めは設置しておりませんでした」と前置き。
該当通路はホテル側が維持管理しており、新宿区には正式な記録がないため経緯は不明としつつも、「ホテルの1階部分と西側の区役所通りが通路でつながっており、自転車や自動二輪がその通路を通って公園に入ってしまうという事象が起きました。公園内は自転車や自動二輪は通行禁止ですし、安全上も通行者にとって非常に危ないため、石製の車止めを設置したのではないかと推察されます」と語りました。現在、ホテル側に詳細な背景について照会しているとしています。
一方で、出入り口に設置された金属製のポールについては、「自転車は通れませんが、車椅子の方は通れるもので、自転車の進入を抑止するために新宿区が設置しました。(車止めの間には)間隔が1.1メートルあり、車椅子は概ね90センチあれば通行できます。車椅子はぐるっと回っていただく必要はありますが、公園内に入れます。自転車はなかなか難しい作りになっています」と説明。自転車や自動二輪が侵入することに対して苦情が寄せられたため、設置にいたったと明かしています。
公園課長は公園のあるべき姿について、「『公園内に自転車や自動二輪が侵入して危ない』という苦情があったとしても、新宿区としては公園の出入り口は車椅子の方が利用できるようにするべきだと考えています。一方で、公園管理の観点からは自転車の進入の抑止も安全上、必要だと考えています」と言及。「今後は(現在のように車椅子の利用者が遠回りする必要がないように)車椅子の方が利用でき、なおかつ自転車や自動二輪の侵入を抑止できるような工作物の設置を検討していきたいと考えています」と述べています。
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