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“袋に麺を入れてレンチン”でOK 永谷園のパスタソース「パキット」が便利そうと話題  「正直、パスタをゆでるのは面倒」の声から誕生(1/2 ページ)

開発の経緯など、詳細を永谷園に聞きました。

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 パスタの麺とソースを一度に調理できる、永谷園のパスタソース「パキット」が便利そうだと話題です。乾麺と水を入れて電子レンジにかけると、袋の中で1人前のパスタができあがります。

パスタの調理をソース袋の中で完結できる「パキット」

 パキットは、いわば「パスタソース入りの調理袋」で、味はボロネーゼとカルボナーラとペペロンチーノの3種類(各300円、税別)。別途乾麺を用意すれば、袋の中でパスタの調理を完結できます。

 作り方は、水160mlと半分に折った麺1束分を袋に入れ、電子レンジで約6分加熱(600Wの場合)。加熱後に庫内で7分ほど蒸らし、30回ほどかき混ぜれば完成です。麺もソースもいっぺんに手放しで調理できるし、洗い物も最低限で済んで便利。

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 もっとも、手軽さで言えば麺も最初から入っている冷凍食品のほうが上でしょう。ただ、パキットの場合は好みの麺を使えますし、常温で保存したり出先で調理したりできるメリットもあります。あとは麺を折ってイタリア人を怒らせるリスク(関連記事)がありますが、それはまあTPOの問題。

 発売は3月13日ですが、近ごろ「疲れてクタクタでもこれなら作れる」と紹介したツイートがきっかけで、Twitterで話題に。「普通に調理すると手間だし、冷凍食品の麺は苦手だったから、まさにこれは革命」「これとパスタをお弁当代わりに持っていく未来が見える」などと反響を呼んでいます。

 編集部は永谷園を取材し、開発の経緯など詳しい話を聞きました。

―― パキットはどのような経緯・背景で開発されたのでしょうか

永谷園 コロナ禍で自宅でランチをとる機会が増えたお客様から「正直、パスタをゆでるのは面倒」という声があり、また開発者自身にも同じ悩みがあったことからパキットは誕生しました。ランチメニューとして女性人気が高いパスタですが、自分で調理する場合はたっぷりのお湯を沸かす必要がありますし、鍋から目を離せませんし、別途ソースの加熱も必要で洗い物が増え……と、1人分でも大人数分作る場合と手間は変わらず、効率が悪い点があります。これらの課題を解決するため、「電子レンジでパスタもソースも一気に調理できるパスタソース」をコンセプトに、「ゆでないパスタ調理」の新スタイルを完成させました。

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―― 麺入りでなく、麺を別途用意する形式にしたのはなぜでしょうか

永谷園 「パスタはゆでたてでこそおいしい」という開発者自身の意識が強かったこともあり、「ゆでたて」という点は外せないポイントでした。あらかじめ麺を入れておくと、ゆでたてならではの食感を実現できないと考え、あえてパスタを別で用意する設計にしました。また、パスタはご家庭での在庫率も高く、自分好みのパスタを買われているお客様も多いと考え、別で用意することに抵抗はないとの結論に至りました。

―― 開発にあたって苦労した点・工夫した点をお聞かせください

永谷園 以前にも「レンジだけでパスタ調理をする」商品の開発は過去にも挑戦したことはありましたが、麺の戻りやソースの味付けの課題をクリアできず、当時はこうしたコンセプトの商品は開発が難しいとの判断が下されました。今回も商品化提案までは進んだのですが、「レンジの機種によって麺の仕上がりにバラつきが出てしまう」という問題に直面しました。同じ600Wでも機種によってゆであがり方が全然違ってくるんです。また、ソースと一緒にパスタをゆでる設計で開発を進めていたので、最適な水の量はもちろん、パスタのとろみ具合や油の量など各要素の最適な組み合わせを見つけることも本当に難しく、試作は1000回以上繰り返したそうです。

 開発期限まであと1週間というところまで迫ったある日、開発担当は初心に帰る気持ちであらためてパスタ調理に関する情報を一から調べ直したといいます。そこでたまたま目に入ったのが「蒸らし」の工程。これまでレンジで加熱することばかりにフォーカスしていたので、蒸らす発想は全く頭になく、もしやこれを取り入れればうまくいくかもしれない……と、わらにもすがる思いで庫内で蒸らす工程を加えたところ、それが見事にうまくいき、できたて・ゆでたてならではのアルデンテ食感を実現できました。

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―― 売れ行きはいかがでしょうか。購入者からはどんな意見が寄せられていますか

永谷園 発売からおよそ2カ月で約100万食強を出荷し、同期間で半年間の販売目標を達成するなど、大変ご好評いただいております。お客様からも「こんな商品が欲しかった」「洗い物がお皿とフォークだけなのでメチャ楽」「中まで味が染み込んでいる」「ちゃんとアルデンテに仕上がるし調理は全部レンジがやってくれるし非常に楽々」などうれしいお声をいただいております。

―― 今後種類を増やすなど、拡大の予定はありますか

永谷園 今後も新メニューの展開を検討していますし、既存メニューにつきましても、お客様の声を参考に品質のブラッシュアップをしている段階です。お客様に喜んでいただける商品作りを行ってまいりますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです。

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