『鬼滅の刃』海賊版ゲーム、海外ストアでランキング上位席巻か App Store版はひっそりと配信停止に(1/2 ページ)
これは……。
『鬼滅の刃』の海賊版と思われるゲームアプリがiOSとAndroid用にリリースされ、海外の一部カテゴリーで1位を記録するなど、好調なセールスを記録する事案が発生。現在App Storeからはページが削除されています。
問題のアプリは、5月26日にリリースされたもの。アプリの配信ページを見ると一見正式に作られたゲームのようですが、よく見るとページ内に権利元であるはずの集英社の社名がどこにもないなど、不自然な点が。
国内外の『鬼滅の刃』公式サイト・SNSアカウントなどでも全く告知されておらず、海賊版が堂々と配信されてしまったものと思われます。
ゲーム名では直接「鬼滅の刃」とは名乗らず、なんとなく連想させるネーミングを採用。しかし説明書きに「Demon Slayer」(『鬼滅の刃』の海外版タイトル)のワードが登場したり、ゲーム内で炭治郎をはじめとする人気キャラクターたちが勢ぞろいしたりと、全体的にアウトな雰囲気が漂っています。
App Storeの配信ページによると、配信元は中国企業のPutian Junjie Network Technology(莆田市駿捷網絡科技有限公司)で、ゲームの対応言語は英語、フランス語、ドイツ語、韓国語、中国語。基本プレイは無料ですが、アプリ内課金があります。
ねとらぼ編集部が確認したところ、同作は米国の6月7日付けApp Storeランキング「ロールプレイング」カテゴリーで1位を記録。他にも中国や東南アジアの国々でランキング上位を記録していました。なお、Android版はストアを介さず、メーカーがサイト上でゲームデータを直接配布するゲリラ的な手法を採用しています。
YouTubeにはゲームの予告編もアップされており、そちらはアニメ版主題歌の「紅蓮華」をバックに、華々しくゲームシステムを紹介する内容。アニメ版の映像を多数使用して、やはり一見正式なゲームかのように見せているものの、よくよく見ると動画が低画質(480p)だったりと、不自然な点が少なくありません。
App Storeの配信ページは、6月14日時点ではアクセスできない状態になっています。検索エンジンのキャッシュデータによると、少なくとも6月12日までは配信されており、その時点で星4.5(1万3600件以上の評価)を記録していました。
ねとらぼ編集部では本件について集英社にコメントを求めましたが、回答は得られませんでした。
関連記事
刑事摘発に意義がある―― 集英社が海賊版サイト「漫画BANK」との闘いの裏側を告白
漫画BANKでタダ読みされた総額は2082億円相当(約9億9370万アクセス)。漫画村との取引否定していた広告代理店、一転して「深く反省」 関係者は「海賊版と手を切れば仕事ない」と証言
社員への謝罪メールを独自入手し、広告代理店を直撃。紙の『ジャンプ』海賊版がフリマアプリに出回る 20万円弱で販売、公式が注意喚起
ご注意を。【訂正】「漫画村」を“ほう助”した広告代理店「エムエムラボ」「グローバルネット」に1100万円の賠償判決、『魔法先生ネギま!』の赤松健さんが提訴
ついに広告代理店にもメスが。「集英社」名乗る者からSNSに大量の削除申請、集英社が「第三者によるもの」と否定 「Shueisha」が世界中でトレンド入り
現在対応を検討中とのこと。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.