ニュース

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」レビュー 映画史上ナンバーワンの「密度」と「飢餓感」(1/3 ページ)

「万全の態勢で見てほしい」作品。

advertisement

 6月16日よりアニメ映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」が公開されている。まず、見る前に知っていただきたいこととして、4つの注意点を挙げておきたい。

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」 6月16日(金)全国の映画館で公開 (C)2023 CTMG. (C) & TM 2023 MARVEL. All Rights Reserved.

【4つの注意点】

  • 「スパイダーマン:スパイダーバース」の明確な続編なので、そちらを先に見ておくことを強くおすすめする
  • すさまじいアニメの表現が超高密度でぶっ続くので、体調をなるべくよくして見たほうがいい
  • 上映時間が2時間20分とアニメ映画としてはかなりの長尺なので、鑑賞直前のトイレは必須
  • ネタバレ注意案件なので、ネタバレを踏む前に早めに見に行った方がいい

 これほどまでに、「万全の態勢で見てほしい」作品なのだ。

advertisement

 事実、筆者は脳が処理できる情報のキャパシティーをはるかに超えていたためか、本作を見た直後にものすごい疲労に襲われ、その数時間後に泥のように眠った。本作は同じ日に「ザ・フラッシュ」も公開され、アメコミヒーロー映画同士の真っ向からの対決となっているが、それぞれ別の日に見たほうが良いかもしれない。

 「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」は海外ではすでに大ヒットを記録しており、全米では公開からわずか3日間で1億2000万ドルと、前作「スパイダーマン:スパイダーバース」の3倍以上のオープニング興行収入を記録。観客からの評価もおそろしく高く、米批評サービスのIMDbでは10点満点中9.0点、Rotten Tomatoesでは批評家支持率96%・オーディエンス支持率95%を記録。アニメ映画という枠組みどころか、全ての映画の中でトップクラスのスコアにまで到達している。

 日本のSNSでの公式ハッシュタグが「#今年一番スゴいアニメの話をしよう」というのは、さすがに「感想をそんな風に統一させようとしないでよ!」「2023年はこれからも注目のアニメ映画が続々と公開されるからまだわからないだろ!」と文句も言いたくなったが、本編を見ればなるほど、そこまでのハッシュタグをつける自信のほども納得できるものだった。

 なお、スパイダーマンに詳しいとより楽しめる小ネタも仕込まれているが、知らなくても物語は問題なく楽しめるので、その点は安心してほしい。最低限の予習は「スパイダーマン:スパイダーバース」だけでOKだと、あらためて告げておく。大きなネタバレにならない範囲で、さらなる魅力を記していこう。

「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」ファイナル予告

キャラクターを“深掘り”する続編に

 あらすじはこうだ。スパイダーマンとして悪党と戦う毎日を送っていたマイルス・モラレスは、15歳になり人生の進路に向き合う時期を迎え、両親との関係にも悩んでいた。ある日、彼はかつて一緒に戦ったグウェン・ステイシーに導かれ、あらゆるユニバースから集結したスパイダーマンたちと出会うのだが……。

advertisement
(C)2023 CTMG. (C) & TM 2023 MARVEL. All Rights Reserved.

 本作はキャラクターを“深掘り”する、それだけを取り出せばスタンダードな続編ともいえる。まるで主役が交代したかのように、グウェンの暗い過去、はたまた彼女の現在進行形の危機的状況が明確に描かれ、それは前作から少し大人になったマイルスがぶつかる問題とも一時的にシンクロする。2人の悩みは現実の少年少女にとっても普遍的なものであると同時に、スパイダーマンの作品群でおなじみの「大いなる力には大いなる責任が伴う」「自らの運命に向き合う」様も描かれている。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  2. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  3. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  6. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  7. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  8. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  9. 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  10. 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」