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これでバッチリ! 水辺を彩るハス・スイレン 見分け方

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 夏に水辺を彩る、ハスとスイレン。

 「水辺に咲く花」というざっくりとしたイメージで、同じようなものだと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ハスとスイレン、似ているようで、実は、全然違うんです。

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 今回は、ハスとスイレンの簡単な見分け方とそれぞれの特徴をご紹介。

ハスとスイレン 基本的な説明

 ハスとスイレンは、両方とも水辺の植物で、開花時期はハスは初夏から夏、スイレンは少し長くて秋まで。

 どちらもおおむね夏が見ごろです。

 ハスは、ハス科ハス属で、水面から葉を立ち上がらせる挺水(ていすい)植物。

 スイレンは、スイレン科スイレン属、浮葉(ふよう)性植物です。

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 ハスは、仏様が座っている「蓮華座」に使われています。

 泥の中にあっても美しい花を咲かせるハスは、極楽浄土で咲いているとされ、仏教と深い関わりがあるようです。

 一方、スイレンは印象派の画家、モネの油絵で有名ですね。

 では、簡単な見分け方を紹介していきましょう。

ハスとスイレン 見分け方(1)「花の高さ」

 これからの時期は、花が咲いているので、花を見て見分けたいところですが、

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 ハスの方が少し丸みがあり、スイレンの方がややシャープというくらいで、パッと見ではわかりづらいです。

 そこで「花の高さ」に注目してください。

 ハスは、水面よりも高いところ(1メートルくらい)のところに咲きます。

 都築の身長は160センチちよっとですが、それよりも高く2メートルくらいになるものもあります。

 スイレンは、水面に浮かんでいるように咲きます。

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 一部、熱帯性のスイレンは、水面から少し高いところで咲くものもありますが、ハスほど高くはなりません。

注意! 花の観賞は「午前中」が必須条件

 ここで注意。花を観賞する場合は、午前中に!

 ハスもスイレンも午前7時から9時ごろに開いて午後は閉じてしまいます。

 朝に花が開いて、昼ごろに閉じるというのを、3~4日ほど続けます。

 ハスは開花して4日目くらいには、開いた花びらが一枚ずつ散っていき、昼にはすべて散ってしまいます。

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 中華料理でスープをすくうときに使う蓮華(れんげ)は、ハスの葉から散った花びらに見立てたという説もあるんですよ。

 スイレンの花も、多くは朝に咲いて昼に閉じるというのを繰り返し、3~4日間ほど咲きます。

※熱帯性のスイレンの中には昼に咲くものや、夜に咲くものもあります。

 スイレンは、花びらが散ることはなく、そのまま水の中に沈んでいきます。

ハスとスイレン 見分け方(2)「葉っぱ」

 花が咲いていない時期でも、大丈夫。

 葉っぱでも見分けられます。

 春先は、ハスもスイレンも、水に浮かんでいる「浮き葉」なのですが、

 ハスは、成長すると「立ち葉」といわれる一本の茎から上にのびる葉っぱが出てきます。

 立ち葉は、立ってる葉と書くだけあって、水面から立ち上がっているように見えます。


ハス「立ち葉」

 上の写真のように水面からスッと伸びている葉っぱがたくさんあったら、間違いなく「ハス」です。

 スイレンは、成長しても水に浮かんでいる「浮き葉」だけ。

 下の写真のように夏になっても水面に浮かんでいるような葉っぱしかなければ、スイレンです。


スイレン「浮き葉」

 葉っぱの形にも特徴があるんです。

 ハスは、全体的に丸い葉っぱです。

 スイレンも丸い形をしていますが、切れ込みがあるのが特徴です。

 ところで、植物は、葉っぱにある「気孔(きこう)」で呼吸をしています。

 光合成で作った酸素や、根から吸った水分を水蒸気として気孔から外に出しています。

 スイレンの葉っぱは、水に浮いているため、表側は空気に触れていますが、裏側は水に接していて空気に触れていません。

 そのため、葉っぱの裏側には気孔がなく、気孔があるのは、表側だけです。

 それに対して、ハスの「立ち葉」は、水に接していません。

 ハスの立場からすると、水辺に生息している以上、立ち葉であってもいつ水や泥で気孔が塞がってしまってもおかしくない状態。

 そこで、ある工夫をしているのです。


ロータス効果

 ハスの葉の表面には、めちゃくちゃ細かい(10マイクロメートルほど)突起があり、それがクッションのような役割をして水滴が直接葉っぱにくっつかないようになっています。

 さらに、突起からワックスのような成分がでているため、水をはじいているのです。

 これは「ロータス効果」といわれています。

 スイレンの葉は、雨が降って濡れても、ハスのように美しい雫はできません。

 スイレンが咲き終わったあとは、何も残りませんが、ハスが咲き終わったあとは、花托(かたく)が残ります。

 花托は、形がハチの巣に似ていることから「はちす」→「はす」となったとも言われています。

 上の写真の花の右側の緑色したものが「花托」です。

 花托は、「果托(かたく)」に変化し、「硬く」なります。

 「果托(花托)」は、乾燥させてドライフラワーとして、花屋さんや雑貨屋さんなどで販売されています。

 ハスもスイレンも土の中は地下茎でつながっています。

 食用のハスは、みなさんご存知「レンコン」です。

 レンコンは、「蓮田(はすだ)」という泥沼の中で育ちます。

 穴は、葉っぱつながっていて、穴を通して酸素を取り込んでいるのです。

 観賞用のハスも、レンコンと同じように穴が開いているのが特徴です。

 スイレンは、ワサビのような感じで、穴は開いてなくて、中身が詰まっています。

 いかがでしたか?

 今回は、混同しやすいハスとスイレンの簡単な見分け方のコツをご紹介しました。

 これからの季節、水辺で咲いているのを見かけたら、よ~く観察してみてくださいね。

参考文献

  • 「古代蓮の里」ホームページ
  • 「日本蓮学会」ホームページ

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