原爆題材の映画で「原爆型のポップコーンセット」　海外の不謹慎コラ画像が物議（1/2 ページ）

　“原爆の父”として知られるロバート・オッペンハイマーを題材とした映画「オッペンハイマー」の不謹慎なコラージュ画像が拡散され、物議をかもしています。

　問題となっているのは、広島と長崎に投下された原子爆弾“リトルボーイ”と“ファットマン”を模したポップコーン・ドリンクセット。容器には作品タイトルが印字され、画像左側にはシリアスな表情の主演俳優 キリアン・マーフィーの写真を配置。画像下には米映画館チェーン「AMCシアターズ」のロゴまで入っており、一見本物にしか見えません。しかしAMCシアターズではこのような商品は告知しておらず、元をたどると海外のネット掲示板Redditに投稿された画像だと分かりました。

　Twitter上では本物と誤解した日本のユーザーが、「実にアメリカらしい発想」として7月7日に画像を転載。12日現在までに1000件以上のリツイートを獲得するなど、じわじわと拡散が続いています。画像を信じた人からは「これが戦勝国の発想か」「正式に抗議入れるべき」といった憤る声が上がっている他、コラ画像だと気付いた人からは注意を呼びかける声も広がっています。

　ポップコーンセットのアイデアの初出は不明ですが、Reddit上では少なくとも6月27日には「『オッペンハイマー』の限定版ポップコーンセットは発売される？」といった投稿が確認でき、7月6日には今回のコラ画像が投稿され、「悪い冗談」として話題になっていたことがうかがえます。

　また、米国では「オッペンハイマー」が7月21日に映画「バービー」と同日公開になることから、両作を組み合わせる「バーベンハイマー」がネットミームに。これを受けて、バービー版のリトルボーイ・ファットマン ポップコーンセットのコラ画像も作られています。

　映画「オッペンハイマー」は、「ダークナイト」「TENET」などで知られるクリストファー・ノーラン監督の最新作。ノーラン監督はリアル志向で知られ、「オッペンハイマー」では爆発シーンを含め、CGIを一切使っていないとの証言がファンの注目を集めていました。

　史実上のオッペンハイマーは晩年、核兵器開発を後悔し、核兵器への反対活動を行ったことでも知られています。作品が未公開のため、本編がどのような内容になるかは分かりませんが、予告編では世界を滅ぼしかねない技術に、オッペンハイマーが葛藤をする様子も確認できます。

　現時点で日本での公開予定については未発表。米国での配給はユニバーサル・ピクチャーズが担当しており、日本で公開する場合は東宝東和が配給を手がけると見られます。

【追記】「オッペンハイマー」のコラ画像の初出がRedditであると確認できたため、本文の表現を一部修正しました（18時54分追記）