近づくだけで大絶叫の元野良猫、人慣れ訓練の結果……　劇的な変化で甘えん坊な素顔を見せる光景に胸アツ

　人間が近づくだけで大絶叫していた元野良猫。その後、心を開くまでの様子がYouTubeで紹介されています。動画は、記事執筆時点で21万回以上の再生数を突破。

　投稿者は、YouTubeチャンネル「にゃんずはうす 長浜の保護猫カフェ」。保護した猫ちゃんたちの人慣れ訓練の様子などを発信しています（関連記事）。今回人慣れ訓練を頑張ったのは、2021年生まれの女の子「セン」ちゃん。野良の母猫から産まれた3姉妹のうちの1匹で、子猫のときに保護されたものの、その後もずっとおびえていたそうです。

　このたび縁あってにゃんずはうすにやってきたセンちゃん。野良猫だった時代に人間からトラウマになるようなことをされてしまったのか、センちゃんはとにかく臆病で、人に対して強い恐怖心を抱いている様子。近づくだけで目を見開いてイカ耳になり、「さわるな！」とアピールするように大声で鳴きます。

　もともとが優しい性格のセンちゃんは激しい攻撃はしてこないものの、たまに本気でかんでくるときもあるとのこと。しかしそれは、人のことが信じられず甘え方が分からないだけだと投稿主さんはいいます。そのため“時間を見つけては、毎日声をかけながらなで続ける”という習慣を根気よく続けました。すると、アゴ下をなでられて喉を鳴らす場面も見られるようになったそうです。

　ケージで数カ月の人慣れ訓練を経て、いよいよ他の猫ちゃんがいるフロアへ出ることになったセンちゃん。最初はケージとケージの間に逃げ込み、安心できる場所を探していました。一見、かわいそうに思えるかもしれませんが、人慣れしなければ里親さんを探すことが難しくなり、ずっと人におびえながら過ごすというストレスがかかってしまいます。

　それから1週間ほどたつと、徐々に自分からフロアへ出てくるように。なでられることにも抵抗がなくなったようで、安心したお顔で身をゆだねてくれます。さらに2週間後、ついにほかの猫ちゃんと一緒にカーペットでくつろいでくれるようになったセンちゃん。人や猫に対して恐怖心がなくなったようで、近づいても逃げなくなりました。

　姉妹の黒猫「てん」ちゃんとも再会し、ひそかに交流を深めるようになったのだとか。その後、なんとセンちゃんは自らお客さんのところまで出向いて、「なでろ」とアピールするまでになりました。人慣れ訓練前には想像できないほど、人間のことを好きになってくれたセンちゃん。もうおびえることもなく、優しくてすてきなご家族が見つかることでしょう。

　動画には「センちゃんとっても可愛いです。見ていて優しい子なんだろなと思いました」「良く頑張ったね トラウマを乗り越えたらもう幸せしか待ってない！」「人と猫様という異なる種族の間に心の通い合う瞬間を見ると、『生きているのも悪くないな』って思えます」といった反響が集まっています。

　投稿主さんは「野良猫と聞けば、自由でのびのびしているイメージがあるかもしれませんが、実際の生活は過酷そのもの。毎日満足にごはんを食べることもできず、生きるためにごみをあさって人間に忌み嫌われ、ほかの野良猫や天敵から身を守りつつ、けがや病気をしても治療を受けることができません。センちゃんのようにそのときのトラウマが影響して人間が怖くなる猫ちゃんも珍しくない」「これからも保護猫ちゃんの現実を広めていく活動をしたい」とコメントしています。

　また、人慣れ訓練で大事なのは“とにかく諦めない”ことだそうで、「過去にいろんなトラウマがあっても、数カ月愛情を注ぐと振り向いてくれる子はいる」「その猫ちゃんのけなげさには、毎回胸を打たれる」「なので、お家の猫ちゃんが懐かないからといって、どうか諦めないでください。無理をしてまで人慣れさせる必要はありませんが、時間をかけて愛してあげれば、必ず心を開いてくれる時がきます」とも語ってくれました。

　投稿主さんの活動は同チャンネルのほか、公式サイト、Instagram（@nyans_house_）、Twitter（@Nyans_House_）でも発信しています。

画像提供：YouTubeチャンネル「にゃんずはうす 長浜の保護猫カフェ」

オススメ記事