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自分の部屋だけで聞こえる、外から自分を呼ぶ誰かの声……【夏と言えば怖い話! ねとらぼ怖い話特集・2023年】(第4夜) (1/2 ページ)

連続で5つの怖い話をお送りします。

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 夏といえば怖い話。とても古い時代から続く夏の風物詩で、もともとは「お盆に現世へと帰ってきた、少なからずいる浮かばれない霊へ対する鎮魂」という意味を持っていたそうです。

 そこで今年は「ねとらぼ怖い話特集・2023年」として、読者やライターが実際に体験した怖い話を、5夜連続で皆様にお届けします。過酷な暑さが続いていますが、ほんの少しでも涼を取っていただければ幸いです。

 さて、第4夜は読者のかぼちゃさんが寄せてくれた、自宅で起きたという不思議なお話です。

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誰かが呼ぶ声

 私が中学生の頃に起きた、不思議なお話です。

 その日は自宅の自室にいたのですが、部屋の外から自分を呼ぶ誰かの声が聞こえてきたんです。家族の誰かが呼んだのかな、と思って返事をしたのですが……名前を呼んだなら「ごはんができたよ」だったり「ちょっと来て」だったりと、なんらかの用件を続けますよね。そういった声が聞こえてこなかったんです。

 家族に確認しても「誰も呼んでいないよ、そんな声は聞こえなかったよ」と返ってきまして。もしかしたら外から友人が呼んだのかも、と思い確認してみましたが、そういうわけでもありませんでした。その日から「自分の部屋にいるときだけ、誰かに名前を呼ばれるのに、その声の主がどこにもいない」という謎の現象が、時間を問わず何度も起きるようになったんです。

 普通に考えればかなり怖いできごとですよね……明らかに心霊現象じゃないですか。でも当時の私はどういうわけか怖いともなんとも思わず、何度も呼ばれるうちにすっかり慣れてしまいまして。まぁ単に名前を呼ばれるだけで害もなく、ほかに何か起きたりなどもありませんでしたからね。なので名前を呼ばれて「これはあの声だな」と判断したときは、返事をせずに無視してやり過ごすなどしていました。

 この「自分が自分の部屋にいる時にだけ、誰かに名前を呼ばれる」という謎の現象。これは私にだけに聞こえているものだと思っていたのですが……実は姉も「私を呼ぶ声」を聞いているんです。

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 その日は姉が自分の部屋にいまして、外から名前を呼ばれたんです。それに対して無視を決め込む私を不思議に思ったようで、姉から「外から誰かに呼ばれてるよ。なんで返事をしないの、友達じゃないの?」と言われたんです。簡単に事情を説明すると「そんなわけないでしょう」と言いながら窓の外を見渡していたのですが、やはり誰も見つけられなかったんですよ。

 誰かがイタズラで呼んで走り去ったとしても、窓からはかなり広い範囲を見渡せたので、それだったなら走り去る誰かの姿を絶対に補足できるはずなんですよ。隠れられる場所もほとんどありませんでしたし。それでも誰も見つけられなかったんです。

 この日に姉が声を聞いたことで「私を呼ぶ声は、自室の中にいるなら誰にでも聞こえる」ということが分かったんですね。ただそれが分かったところで、何か対策ができる訳でもなかったのですが……。

 この「私を呼ぶ謎の声」が止んだのは、霊感の強い友人が自室へ遊びに来たことがきっかけでした。その時にもその声が聞こえてきたので、なんとなしに「こうやってさ、誰もいないのに誰かが私を呼ぶ声が聞こえるんだよね」と事情を話してみたところ、「そうだろうね」と返ってきたんです。

 友人が言うには「この部屋はとても清浄だから幽霊が入れないんだよ、中に入れてほしくて外からあなたを呼んでいるんだ」とのことでした。私にはさっぱり分からなかったのですが……。

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 わらにもすがる思いで「どうにかできないかな」と頼んでみたところ、友人は「部屋の壁に何かを書くような仕草をした後、パンパンと柏手を打ち合掌する」という行動を取りました。そして「もう大丈夫だと思うよ」と言ったのです。

 その後、私を呼ぶ声が聞こえてくることはありませんでした。

投稿者:かぼちゃさん

構成・記事:たけしな竜美(@t23_tksn

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