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「池の水全部抜いて、出てきたアメリカザリガニ全部食う」 絶滅危惧種も発見! 野食ハンターの外来種駆除に「ガチで偉いし尊敬してる」(1/3 ページ)

捕獲したアメリカザリガニの気になる食べ方や味も紹介。

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 池の水を全部抜いて、出てきた外来種「アメリカザリガニ」を全部食べる動画がYouTubeで公開され、記事執筆時点で49万再生を突破しています。なぜ池の水を抜くのか、またその効果、そして最後は主に北欧で行われる“ザリガニパーティ”を再現するなど、興味深い内容となっています。

池の水ぜんぶ抜いて出たザリガニぜんぶ抜いてぜんぶ食う

「池の水を全部抜く」理由とその効果

 投稿されたのは、“野食ハンター”の茸本朗(たけもとあきら)さんのYouTubeチャンネル「野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch」。この日やってきたのは、鳥取県の山の中にある「ため池」です。

今回水を全部抜く池がこちら

 ガイドであり実際に水を抜くのは、同県八頭町の「地域おこし協力隊」に所属する小宮さん。主に湿地環境の再生・生態系保全に取り組んでおり、ため池の水を抜くのもその一環です。

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 米の収穫を終えた時期に、ため池の水を抜いて天日に干す「かいぼり」と呼ばれる伝統的な管理方法があります。小宮さんによると「池には山からどんどん砂や泥がたまってくるので、水を全部抜いて底にたまっている泥を外に出す作業をやらないと、池がどんどんなくなっていってしまう」そうで、実はこの池はすでに2/3ぐらい埋まってしまっているとのこと。

 毎年池を干すのは、農業に使う際の「池の貯水量を維持する」ため。それに加えて、ここは外来種であるアメリカザリガニの数が非常に多く、この池を起点に周りに存在するような状況になっており、本来の生態系を取り戻すために水を抜いた際に駆除しているのだとか。ちなみに作業には鳥取環境大学の学生たちも参加します(アメリカザリガニは、近年は水辺の生態系に対して非常に大きな影響を与えていることが明らかになっており、2023年6月1日に条件付特定外来生物に指定されました 参照:環境省)。

現在は主に鳥取県八頭町で環境保全活動に取り組んでいる小宮さん
鳥取環境大学の学生たちも参加

池の水を抜いていくと……大量のアメリカザリガニを発見!

 動画では、ため池の水を抜く作業も紹介。池の底までつながっているパイプがあり、その穴に刺さっている木の杭を抜いていくことで水を落としています。今回の池はかなり小さいため、数時間ほどで全部抜け切るとのこと。

 水を抜く作業途中で、掛けた罠を上げ、水が引いてきたら泥につかりながら生き物を観察・捕獲していきます。すると、かなり大きいサイズのアメリカザリガニが大量に見つかりました!

ある程度水が抜けた池に入って生き物を観察・捕獲する様子
かなりデカいアメリカザリガニを発見
ほかの生き物たちも
今回捕獲できたアメリカザリガニがこちら

貴重な在来種、絶滅危惧II類の生き物の生息を確認

 同時に、残っている在来種たち、魚ではタカハヤやドジョウ、水生昆虫ではハイイロゲンゴロウ、ギンヤンマと思われるヤゴ、同県内でも絶滅危惧II類に入っているクロゲンゴロウなどが生息していることも確認できました。

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 外来種自体は“悪”ではありませんが、アメリカザリガニの数を抑えることで、在来種が少しずつ戻って来ているようです。小宮さんは「こうやって捕食者層が少なくなれば、(戻ってきた在来種たちの)繁殖できる確率も上がってくる」として、今後の課題についても語っています。

 ちなみに水を抜いたあとの池は、底に日光を当てて酸素をまわし、しばらくしたら水を入れて来年度の農作業にそなえるそうです。

在来種が徐々に戻ってきていることも確認できました
レアな在来種も

アメリカザリガニをおいしく食べる方法とは

 そして捕獲したアメリカザリガニは、小宮さんたちの要望もあり、茸本さんがたくさん持ち帰って食べることに(※死んでしまって食べられないザリガニは冷凍して釣り餌にしています)。

 ザリガニは世界では食用品として認識されており、茸本さんは今回“スウェーデン流”に挑戦。下処理で背ワタを抜き、魚介類の臭みを消すハーブのディル、あとは塩と一緒に茹でるだけのシンプルな料理です。今回はザリガニを食べながらお酒を飲むスウェーデンの伝統文化「ザリガニパーティ」を再現。食べた感想は、カニミソのような濃厚なミソと、食感がエビで味がカニのしっかりとした身があり、「うますぎる」とのこと。

まずは下処理として背ワタを抜いています
寄生虫がこわいので、茹ですぎは避けつつ、ある程度しっかり火を通していきます
真っ赤っ赤な見た目に
きれいに盛り付けた“ザリガニタワー”。迫力がすごい!
食べ方も解説しています
思ったより身(可食部)が大きくておいしそうです……!
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