ZARA広告、“パレスチナの大量虐殺”連想させると大炎上 ボイコット呼びかけもトレンド入り「永遠にキャンセルします」「価値観も人間性もない」
モデルや写真家にも批判が集中。
スペインのアパレルブランド「ZARA」が発表した広告キャンペーンが「パレスチナの大量虐殺を連想させる」として大炎上。12月11日、ZARAはWebサイトとアプリのトップページからこの広告キャンペーンを削除しました。
今回非難が集中したのは、「アトリエ・コレクション」と題するキャンペーン第4弾にあたる「ザ・ジャケット」。通常よりも高価格帯の同コレクションは、「職人技への尽力と芸術表現への情熱を讃える限定コレクション」とのことです。
米モデルのクリステン・マクメナミーが起用された本キャンペーン。ジャケットを主役としたコーデに身を包んだクリステンが、がれき、壊れた壁、梱包材、箱、クレーン、床に転がる手足のない彫刻やマネキンなどが雑多にちらばる白い部屋でポーズを取るという構図のビジュアルとなっています。
ある写真では、クリステンが鎖でがんじがらめにされ吊り上げられた四角い木箱のなかに入っている他、別の1枚では白い布やビニールなどでぐるぐる巻きにされた彫刻がやはり木箱に収められています。
また、すでに削除された写真の中には、クリステンが白い布に包まれたマネキンを抱えて写ったものもありました。
この一連のイメージは、さながら爆弾で攻撃を受け崩壊したガザの街や殺害された住民を連想させる光景であるとして大炎上。さらに白い布に包まれたマネキンは、イスラム教の遺体を白い屍衣で覆い棺へ安置する葬儀を思わせるものとして、SNSには比較画像が多数投稿されました。
Instagramに投稿されているZARAの画像へは、「何だこれ!?」「大量虐殺キャンペーン。こんなひどいキャンペーンみたことない」「ZARAは永遠にキャンセルします。ボイコットだけではない。恥を知りなさい」など、ショックを受けボイコットを呼びかけるコメントが大量に寄せられ、X(Twitter)ではハッシュタグ「#BoycottZara」がトレンド入りを果たす結果に。
ボイコットの動きに加えて、「あなたたちがどんな人間なのか教えてくれてありがとう」「大量虐殺をあざ笑い、常態化しようとして、流行らせようとする下劣な意図の演出。気持ち悪い」「こんなキャンペーンを実行するには本当に精神的な問題を抱えた冷酷な人間じゃないと無理。あなた方の悪魔的な価値観と真っ黒な心を示してくれてありがとう」「このキャンペーンを制作したのは薄情な人類。猿だってあなた方の『芸術』を見て恥じるでしょう。価値観も人間性もない、ただ『マネー!』と叫ぶだけ」など、企業としての姿勢や制作陣の人間性を疑うとする痛烈な批判や非難もずらりと並びました。
ZARAが広告を削除した後、ブランド所有元のアパレル企業Inditexは、広告キャンペーンを削除したのはコンテンツを更新するための通常の作業だと説明し、炎上を巡る詳細には言及せず。
ただし、「アトリエ・コレクション」は7月に考案され、対象となる撮影は9月に行われたと説明しており、10月7日から始まったイスラエルとハマスの紛争とは無関係であると、両者の結びつきを暗に否定。一部に誤解と不快を与えたことを謝罪しています。
これほどの騒動になっていながらも直接の言及を避ける企業へは、「こんな写真を投稿する勇気があるなら、世間の反応を直視する勇気も持つべき」とさらなる批判も寄せられています。
批判は企業やブランドだけに収まらず、モデルを務めたクリステンのInstagramにも「大量虐殺をテーマにした撮影について何か思うところはない?」「よくもまあ、人間の苦しみをあざ笑うようなZARAのキャンペーンに加担したよね」など、撮影を了承したことへの責任を問うコメントが。
また、撮影を担当したティム・ウォーカーを巡って、同性同名のフォトグラファーに避難が殺到したため、当人が「自分はZARAの撮影を担当したティム・ウォーカーではない」と説明しなければならない事態にまで発展。
しかしあるティックトッカーは、幻想的な作風で知られるティムは廃墟を連想させるようなイメージにこだわるフォトグラファーであるがゆえに、今回のキャンペーン写真とガザでの大量虐殺は無関係だと擁護しています。
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