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【マンガ】斬った人間の記憶が見える少年、“自分の師匠”を処刑して見た光景とは…… 『竜送りのイサギ』が和風ファンタジーな世界観の良作(1/2 ページ)

「サンデーうぇぶり」で好評を博す和風ファンタジー。

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 将軍を斬首した“剣術の天才”にだけ見えた光景とは―― 1月12日に第1巻が刊行されたマンガ『竜送りのイサギ』。本記事では、竜が住まう和風ファンタジーの世界を舞台に重厚なストーリーが繰り広げられる同作をご紹介。作者インタビューと合わせて、マンガ本編も掲載します。

『竜送りのイサギ』作品紹介

 物語の主人公は、首打人をしている少年・イサギ。「首を斬る瞬間にその人の記憶が見える」という“サトリ”の力と、天才的な剣の才能を持っているにもかかわらず、「自分が一番、罪人を苦しめずに死なせてやることができる」という理由から、陵獄島(りょうごくとう)という流刑地で罪人を処刑する仕事に甘んじています。

 ともすれば一生をこの地で終えたであろうこの少年の運命を変えたのは、タツナミとの出会い。彼は政争のすえに島流しにあった希代の名将で、イサギが剣の才能、善良な心の持ち主であることを見出すと、毎日稽古をつけるように。

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 「なぜ秩序の犠牲に甘んじる?」「お前が秩序に殉じて断つものを、真正面から見続けろ」。タツナミは武術だけでなく、問いかけや教えをイサギに与え、イサギもまた親や師匠のように慕います。しかし、そんな関係にも終わりのときが……。

 タツナミの斬首刑。処刑人として指名されたのはイサギ。タツナミは自分の人生の最期に“公にされていない自分の記憶”を弟子同然に修行をつけた少年に贈ります。そして、タツナミが遺していったものに導かれるように、イサギの人生は動き出すのでした。

 ダークファンタジーな世界観と息をつかせぬ展開でサンデーうぇぶり上で好評を博し、早くもアニメ化、舞台化を希望する声もあがっている本作について、作者・星野真さん(@MKT_0220)にお話を伺いました。

『竜送りのイサギ』作者・星野真さんインタビュー

――― 作品の成立のきっかけ、ヒントになったアイデアはございますか?

 まず、世界観については、日本史が大変好きなので、和風ファンタジーにすることは決めていました。ヒントとしては、伊能忠敬の全国測量や、四国のお遍路ですね。「何か目的をもって和の世界を旅する」話は面白そうだと。

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 イメージを形にするために、足を伸ばせるところや読める資料は片っ端から当たりました。が、ファンタジーへと落とし込むにはまだ何か足りない……とフックになるものを探していたところ、やはり絵的にも映える「竜」かなと。

 「竜が飛んでいる世界」→「竜、墜落の危機」→「それを防ぐ主人公」……と、世界設定と主人公の目的がつながって、ようやく「いけるかも」と思いました。

 ただそこに至るまで、かなり試行錯誤の没ネームを描いています。ほぼピント合わせのために描いてきたという感じですが、担当は辛抱強く付き合ってくださったと思います。

 主人公については「少しぶっきらぼうだけど根が善良な、長髪の少年」というイメージが初めから決まっていました。というか、それ以外は描く気が起きなかったという感じです。ヤマトタケルや牛若丸といった、日本の古式ゆかしき美少年ヒーロー像が好きなのかもしれません。

 ところがいざネーム上でキャラクターを動かしてみると、どう描いても一種の「暗さ」を帯びてしまい、どうしたものかと。 いっそ振り切って、主人公を「暗くならざるを得ない環境」に置かせて考えたところ、首打人が一番ハマりました。「秩序の犠牲」というワードが浮かんだ瞬間、「このネームは通るな」と確信したのを覚えています。

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――― 制作で特に力を入れているポイント、こだわりは?

 全てです。あえて挙げるなら、キャラクターの会話の中でさりげなく世界観の強度を上げることには余念がないですね。

――― この作品への思い入れや、ご自身の中で気に入っているポイントは?

 これも全てです。あと、文法や古典・地理に歴史など、学校での勉強が猛烈に役立ってるなぁと感じています(笑)

――― うれしかった読者からの反応・感想は?

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 どのお言葉も本当にうれしいですが、とにかく圧倒的に「面白い」という声が多く、どストレートにしみています。原動力です。

――― 読者へのメッセージをお願いします

 担当とよく「これ知ってたらカッコイイよね」と思ってもらえるような漫画を作りたい、と話し合っていました。友人やSNSなどですすめるとき、少し「ニヤッ」としてしまうような……。

 そんな通なあなたにぴったり! よっお目が高いね! 爆裂感謝!!

 この先も面白い展開を続けていきます。『竜送りのイサギ』を今後ともよろしくお願いいたします!

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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