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「そうはならんやろ」 おじいちゃん先生が“73年前のクレヨン”で絵を描いた結果…… 完成したニワトリの絵に驚きと感動の声(1/3 ページ)

歴史を感じる貴重なクレヨン。

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 水彩画教室の“おじいちゃん先生”(関連記事12)が、73年前に作られたクレヨンを使って鶏の絵画を描く様子に注目が集まっています。果たして、長年のときを経て画家の“おじいちゃん先生”の手に渡ったクレヨンは、どのような色合いや質感を見せてくれるのか……?

73年前の16色入りクレヨンを使用

 この動画を投稿したのは、さまざまな画材を使って繊細な絵を描く様子を公開している“おじいちゃん先生”こと柴崎春通(XYouTube)さん。今回はネットで見つけたという73年前に製造された「大日本文具株式会社」(現・ぺんてる)の16色入りクレヨン「ホームランパス」を使い、第二次世界大戦で敗戦した直後の日本を回想しながらメスとオスの2羽の鶏を描いていきました。


“おじいちゃん先生”こと柴崎春通さん

今回使用したのは73年前に作られたクレヨン!

 柴崎さんは現在76歳で、73年前は3歳。そのころに製造されたクレヨンをネットで見つけたときは本当に驚いたそうです。「あなたも時代の目撃者ですよ」と前置きした後に開封。ふふたを開くと、まるで最近作られたかのように美しい状態のクレヨンが並んでおり、「すごいですよ見てください。キレイでしょ?」と感激しています。

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クレヨンは73年の時を経たとは思えないほどキレイ

 その後、柴崎さんは全てのクレヨンを使って下描きした鶏に色を入れていきます。最初に手に取った黄色のクレヨンは柔らかく、製造から73年もたっているとは思えないほど美しく発色しています。伸びもよく感動しますが、他の橙やピンクのクレヨンは表面が固まっており、ゴシゴシするとようやく柔らかい部分が露出しキレイな色が乗るように。

 柴崎さんは「これはやっぱり顔料の相性によってなのかな」「メジウムが劣化してしまうものとそうでないものは、顔料の影響かな」とクレヨンの劣化の原因を想像しながら、次々と色を乗せていきました。


柔らかく発色もよく伸びもよい黄色のクレヨン

一方で橙をはじめ表面が固くなっているクレヨンも

 そんな歴史を感じさせるクレヨンを使いながら、柴崎さんは「日本中焼け野原」「ヤミ米を買ってね、明日どう生きようかってね、そういう時代だったんですよね」と敗戦当時の日本を回想。「そういう本当に苦しい時代に、よくぞここまでのクレヨンっていうか画材を作ってくれたなって。今ね、この実物を手にして本当に柴崎、驚いてます。そして感動してます」「本当に食べるものがない時代に、よくこういうものを作ってくれました」と感激しながらコメントしました。


次々とクレヨンを使って鶏の毛並みを表現

 当時は柴崎さんが小学校に進学しても、まだなお食料が不足する時代だったそうです。当時の人々はそんな苦しい状況下でも、できる限りのものを使って未来に向かう子どもたちに良いものを使ってもらおう、という使命感が商品開発の背景にあったのではないかとコメント。そんな懸命なクレヨン職人たちを思うと「本当に涙が出るような気持ちになります」「本当にこのときの人たちの熱い思いが伝わってきます。本当に感謝です。ありがとう」と柴崎さんは感極まっています。

 なお、鶏は全てのクレヨンを使って光の当たる部分と影の部分などを立体的に描き、細部はペインティングナイフやカッターでひっかきながら毛並みやシワの動きを表現しました。色を乗せては指で伸ばすことを丁寧に繰り返し、終盤では白いクレヨンを使ってふんわりとした毛並みの様子を表現した柴崎さん。

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完成した2羽の鶏

 最後は完成したクレヨン画を見せながら「すてきなものを残してくれて、ありがとう」「感激感動、ひとしおです!」と偉大なる先人に感謝を示しました。


描きながら73年の時の流れを思い感動した柴崎さん

 視聴者からは「クレヨン凄く状態が良いですね すごいな」「とても感動しました。このクレヨン73年間ずっと柴崎先生に使ってもらえるのを待っていたように思います」「柴崎さんの感想のおかげで、その時代の職人の努力と熱心を感じました」などの反響が寄せられました。

 柴崎さんはこの他にも、簡単にあっと驚くような絵画を描くコツやテーマに沿った絵画制作などの動画を公開しています。

動画提供:柴崎春通さん(XYouTube

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