お面作家による「天狗のお面」のメイキングが358万回再生 「美しい」「日本の仮面職人はすごい」と感動の声(1/3 ページ)
完成したお面の迫力がすごい!
木材から「天狗のお面」を作るメイキング動画がInstagramで358万回再生、“いいね”は12万件を突破するなど大きな反響を呼んでいます。
角材が圧倒的な存在感の天狗に
投稿したのは、お面作家の山本博之さん(@hiromitsu.430)。30歳から木彫り面の制作を始めた山本さんですが、現在では世界中から注文が殺到。その人気は制作期間にして約3年分の予約で埋まっているほどです。
動画では、角材からどのような工程を経てお面が完成するのか、その大まかな流れを見せてくれます。
型紙をあててチェックしつつ、少しずつ削ったり彫ったりすることで、角材が徐々に顔の形に。全体的に角のない、“生き物”感のあるなめらかさがありつつ、天狗らしいキリッとした迫力のある表情が見事に造形されています。
鼻部分には、あとから別パーツを足すことで高い鼻を造形。さらに眼球には銅板をはめて力強い目を表現しています。ちなみに裏側を見ると、お面としてかぶれるように目や鼻の部分のスペースもしっかり確保されているのが確認できます。
そして塗装のシーンでもそのクオリティーの高さにビックリ! 白い下地を塗ってから赤く塗装しているのですが、そこからさらに磨くことによるツヤ出しや、繊細な上塗りによって、立体感のある生き生きとしたお顔に。仕上げにヒゲを付けたら、天狗のお面が完成です。この圧倒的な存在感よ……!
コメント欄では、海外ユーザーから「すごい!」「素晴らしい」「今まで見た中で一番クール」「美しい」などたくさんの賛辞が寄せられ話題に。ほかにも「これが本当に欲しいです」と、多くの支持と人気を集める山本さんに作品制作についてうかがいました。
「かなり経験がものを言います」
――1つの作品にかかる制作期間を教えてください
「天狗のお面の場合は15日間くらいかかります」
――何層にも重ねて塗装をされていますが、塗装をするうえで特に難しいところは?
「使用している日本絵の具は、膠(にかわ/※粉状の絵の具を定着させるための素材)の調合が難しいのに加え、塗ったり、落としたり、汚したり、磨いたりと工程がたくさんあり、かなり経験がものを言います。未だに狙った色にならず塗り直すこともあります」
※白色の下地は、貝殻由来の顔料・胡粉(ごふん)を膠液で溶き、お湯を加えて溶きおろしたものを使用
――メイキング動画の反響はいかがでしょうか
「フォロワーの8割が外国人で、よく『日本の仮面職人はすごい』や『私も作ってみたい』などと言われます。また世界中のタトゥーアーティストが、和彫りの資料として保存・シェアをしているようです」
山本さんのYouTubeチャンネル「博光HIROMITSU 木彫り面チャンネル」では、より詳しい作り方を公開した貴重な動画が投稿されているので、興味がある方はのぞいてみるといいかもしれません。概要欄では、なんと実際に使用している型紙も配布しています。
動画提供:山本博之(@hiromitsu.430)さん
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