【後編】今一番熱い“器楽奏者とボーカル融合”ガールズユニット「C;ON」を取材 異例尽くしのメジャーデビュー記念ライブで魅せた決意を1万7000字レポート(1/3 ページ)
【後編】1時間のロングインタビューで語られた彼女たちの覚悟と未来とは――。
今、音楽シーンをにぎわせている“器楽奏者とボーカルを融合”させたガールズユニット「C;ON(シーオン)」をあなたは知っていますか。2000人規模の「LINE CUBE SHIBUYA」での公演を無料開催するなど異例尽くしの活動を行う中、「avex(エイベックス)からのメジャーデビュー」を活動7年でやっとつかんだ彼女たちをねとらぼ編集部がインタビューしました。
C;ONをねとらぼ編集部が初インタビュー
そんな今勢いに乗る「C;ON」をねとらぼが初インタビュー。メンバーのC;ON加入から7年越しに掴んだメジャーデビュー決定に至るまでを余すことなくお届けします。
――今日はよろしくお願い致します。さっそくですが、C;ONを一言で説明するとどんなグループでしょうか。
栞音:器楽奏者とボーカルが融合したユニットです。
――C;ON最大の強みといえば。
杏実:普通のアイドルと違って、ダンスボーカルユニットじゃなくて、ダンスとボーカルに楽器も加わっているのが一番持ち味かなって思います。ボーカルもアイドルの枠にとらわれてない、それ以上のボーカル力もあるというか。
聖奈:「C;ONってアイドル? バンド?」ってよくいわれるんですが、ジャンルにとらわれずただ演奏して歌ってるだけじゃなくてダンスも加わっているので、見ていて面白くてインパクトあるんじゃないかなって思いますし、今アイドル現場も結構出ていて、ファンのみんなと一緒に声を出したり、ペンライトでも楽しめたりっていう文化もあって、アーティストとアイドルのハイブリッドみたいに良いとこどりできているんじゃないかって思います。
栞音:アイドルフェスにもロックフェスにも出演させていただけたり、最近だとBillboard-Liveに出演させてもらうこともできたりとか、本当にジャンルレスにいろいろな活動ができるのは強みになってきたなと思います。
――みなさんがグループに加入したきっかけはそれぞれどんな形だったのでしょうか。
栞音:母がオーディション情報を見つけてくれて、応募しました。大々的にネットでオーディションの告知をしていたのがきっかけですね。
佳子:私は途中加入なんですが、「アーティスト 楽器」で検索したらちょうどC:ONのMVが出てきて、「このグループ良いなぁ」って思ってオーディションを受けました。
愛佳:私は初期メンバーオーディションの2カ月後くらいに、お声がけをいただいて。栞音ちゃんと一緒に初期メンバーとしてデビューすることになりました。
杏実:私は佳子ちゃんと高校の同級生なんですけれども、私が教師になろうか、音楽の道をまた進むかで迷っていたときに、佳子ちゃんのSNSを見て、すごくキラキラして憧れたので、佳子ちゃんに相談して加入しました。
聖奈:私もネットで「楽器奏者 アーティスト」と検索したり、テレビにC;ONが出ているのを見たりして、興味がわいて調べてみました。
――メンバーから見てのC;ONの好きなところ、ポイントを教えてください。
聖奈:誰1人も欠けられないところ。1人いなくなったらみんなバタバタしちゃうし、音も歌もみんながいないと成立しないで、誰一人欠けることができないなと思います。
愛佳:みんなきっとまじめなことをいうと思うので、私は路線を変えて「みんなよく食べるところ」が好きです! 私から見るとメンバーはお姉さんのような存在なんですが、毎日努力して顔も体もすごくきれいで、本当に尊敬しているんですけど、めちゃくちゃよく食べるんですよ(笑)。プライベートでも結構仲良くて、よくライブ終わりにご飯とか行くんですけど、本当によく食べるのがすごく良いなぁっていつも思います。
佳子:年齢を気にせずなんでも言い合える関係がいいかなと思います。愛佳が18歳で他のメンバーは25、6歳なんですけれども、年に関係なく愛佳がダンスを教えてくれることもあるし、大人組も年齢近いからってバチバチすることもないし、本当に仲良しです。
杏実:メンバーみんな個性があるところですね。顔の雰囲気も5人全然違うなって思うし、演奏に関しても佳子ちゃんはジャジーだったり、聖奈ちゃんは正統派だったり、ボーカル2人も全然違う声質だからこそ2人がハモるとよかったりとか、個性がそれぞれ違うからこそ、5人がまとまって1つになるのがすごく面白い、いいところだなって思います。
栞音:人間的な面でいうと、5人のノリがすごく合うところ。普通に友達だったとしても楽しめるような5人だから、ライブになったらそれに集中できるし、楽屋では5人でワイワイ一緒にやれるのが一緒にいて心地いいなと思います。
最近思うんですけど、大人組は個々自立しててなんとかなりそうなタイプなんですよ。でも1人だけ年下で「やるぞー!」「がんばるぞー!」っていう愛佳がいてくれるおかげで私たちもそれに巻き込まれて熱血系でやっていけているというか、そこがやっぱり18歳がいるならではで、逆にケンカにならないというか。なりすらしないんですよ(笑)。
CANDY TUNE・立花琴未さん出演のMVが話題の新曲「もしも」について
――4月25日リリースの「もしも」はC;ONの皆さんにとってどんな楽曲ですか。また聞きどころなどがあれば教えてください。
愛佳:私自身そういう恋愛はしたことがまだないんですけど、この楽曲はめちゃくちゃつらい恋愛の曲なので、「どうやったらこの楽曲の主人公の女の子に寄り添って歌えるのか」を試行錯誤しました。レコーディングでも初めてブースを真っ暗にして歌ってみたり、楽器のみんなも吹き方をちょっとずつ工夫してみたりと、全員で新しいことに挑戦できた曲だと思っています。
聞きどころはラスサビの直前の栞音ちゃんのパートで「キミはすべてを受け止める愛を最後に捧げて消えたの」っていうところです。私は2番からの“どうしようもならないこの感情”みたいなパートを感情を爆発させてがむしゃらに歌っているんですが、そのあとに来るこのパートの栞音ちゃんの声がめちゃくちゃ好きなので、皆さんにもぜひ聞いていただきたいです。
栞音:基本的にはC;ONって“サビは2人で歌う”っていうのが多い中、この曲は1番と2番で完全に歌が分かれているので、1番が私、2番が愛佳になっています。1番を歌った後に2番の愛佳の歌を聞いていると、もっと感情移入できるので、涙が出てきちゃうんですよね。そういうのもこの曲ならではで私の好きなポイントです。
聖奈:C;ONでは色んなジャンルの曲を演奏しているんですけれども、この曲はシンガーソングライターの方が書いてくださっていて、スッと胸に入って来る物語のような楽曲になっています。ボーカルチームと楽器チームは別々でレコーディングしたんですが、ボーカルもすごい感情移入しながら泣きながら歌ったって聞いて。楽器はそれを邪魔しないようにナチュラルな演奏の仕方を心掛けました。
佳子:C;ONの楽曲は1人1人の音が際立つように作られてるんですけど、先ほど聖奈ちゃんも言ってくれたように、「もしも」は楽器が少し後ろに聞こえる形にして、より歌詞が聞こえやすくなっていると思います。
本当に5人一人一人の音が際立つように作られてるんですけどこの曲はより音楽と歌詞が聞こえやすいように作られてるかなって思います。
楽器チームの聞きどころとしては、サビ前に8分音符で「パパパパ」って4音で音階を上げていくところがあるんですが、その音がすごく好きです。そこの小節だけ一気に音が消えて楽器だけの空間になるので、サビが際立つ感じがします。
――「もしも」はどんなシチュエーションで聞いてほしいですか。
杏実:この曲は確かに失恋の曲ではあるんですけれども、最後までずっと落ち着いた雰囲気なので、心を落ち着かせたいときとか、夜とか1人のときとかに聞くのもいいんじゃないかなって思います。
聖奈:1人称が“僕”なんですが、MVの主人公は女の子なので、どんなシチュエーションでも聞けるのが魅力ですね。また最近色んな方が協力してくださってボーカルチームにイヤモニが導入されるなど環境が良くなってきているんですが、これによって今までできなかった“会場の静寂”を演出として使えるようになったのがすごく大きいなと思います。「もしも」は特にそうした演出が際立つ曲ですし、今まで演奏してきた楽曲もこれまでとは違った伝え方ができるようになったので、本当にうれしいことです。
――さきほどMVのお話が出ましたが、今回のMVにはCANDY TUNE・立花琴未さんが出演されています。別のアイドルグループの方が出演するってかなり珍しい形だと思うのですが、どういった経緯でプロジェクトが進んだのでしょうか。
栞音:CANDY TUNEさんとC;ONがすごく仲良くさせていただいていて、ストーリーのイメージに立花琴未さんが合うんじゃないかと思ってお願いしたら快く「やりたい」と言ってくださったので、引き受けていただきました。
演技とかもあんまりやったことないみたいだったんですが、すごくナチュラルに撮れて、いい作品にしてもらいました。
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