豊川悦司&中村倫也「驚くほど何も考えてないです」 異色のゆるゆる刑事ドラマ「No Activity」インタビュワー泣かせのインタビュー(2/2 ページ)
要するに相思相愛というお話でした。
トリオになってもやっぱりバディー 「結局僕自身が強火の時田ファンなんです」
ヘアメイク/Emiy (Three Gateee LLC.) スタイリスト/戸倉祥仁/Akihito Tokura (holy.) 衣裳クレジット:(全て税込み) シャツ5万9400円、ベスト7万5900円、パンツ5万9400円 全て UJOH/Minc
―― 一般論として、コメディーを演じるのはシリアスなドラマより難しいとの考え方もあります。この作品で難しかったポイントは?
中村 そうですよ。褒めてください。
豊川 難しいというより、いかに「No Activity」という世界観を自分が楽しめるように持っていけるか。それはシーズン1でも課題でした。でも中村くんのおかげでドーンと飛び込むことができ、シーズン2は本当にスムーズに、すっと入っていけた。
そもそも果たしてこの作品をコメディーと呼んでいいのか。真面目にやればやるほど笑えてくるし、ふざけていてもそれは隠す。そんな感覚でのお芝居でした。リアリティーのないリアリティーっていうのかな。真面目な話にしちゃってごめんね。もっとふざけないと(笑)。
中村 僕は難しいとは一度も思いませんでした。やりがいがある。ずっとふざけていた立場ですが、状況とのギャップは常に認識するようにしていました。他の現場では何が起きているのか。ギャップを狙いすぎることなくナチュラルに、内心その境目は大切にしなくちゃと思いながらやっていましたね。
あとはほとんど何も考えていないんですけどね。基本的には時田さんを見て、反応して、面白がって、その繰り返しです。
―― とても自然で、時には「これはアドリブでは?」と思う場面が多いのもこの作品の特色だと感じました。
豊川 中村くんはそう思わせるのが本当にうまい。僕も「(台本に)こんなこと書いてあったっけ?」と感じるタイミングがありました。せりふとして完成されているので脚本に行間が多いというわけではないんです。自分で差し込むスペースはほとんどない。
中村 僕、ああいうやつですし。アドリブにしたって豊川さんを見て反応する上で、リアクションでポロッと言った一言が使われていただけなんです。いやらしい言い方すると次のオチへの引っ張りを作ったり、豊川さんの芝居を受けて突っ込んだり。そこに混ぜられる白石さんがまた大変。
―― 白石さんの苦労がしのばれる……。完全に出来上がっちゃってるお2人の間に入ってくる白石さんはどういう感じでしたか?
豊川 普通に考えると途中参加ってすごく大変だと思うけど、自然に入ってきた印象です。役にとてもマッチしていたと思うし、「すごくコメディーセンスを持ってる人なんだな」と思いましたね。かなりクレイジーなキャラクターだったもんね。
中村 キラーワードが多くて回収が大変でしたよ。白石さんが演じる冬花は脈絡なく、結果だけ最初に話し出すタイプの人。「は? ちょっとどういうこと?」となることが多々ありました。
―― 新キャラに加え、前シーズンに比べてパワーアップしたと感じる点は?
豊川 ストーリーのスケールが大きくなりました。ダイアローグに関しては、変わっていない。素晴らしいナンセンスさが根底にあるまま、リアリティーの中に潜む飛躍感を大切に、楽しんで演じました。
自分たちとしても最初に脚本をもらったときから「あっ! 今回はこう来るんだ」「こう行くんだ」と感じる、しゃべっていても楽しいせりふばかり。このナンセンスをドラマとして成立させるのは、なかなか地上波ではできないことだと思います。そこは配信ならでは。作品の良さが一番出ている部分じゃないでしょうか。
中村 やっぱりじろうさんは頭がおかしいと思います。じろうさんが書くキャラクターの遊び度合い、振れ幅は作ろうと思っても作れないもので、じろうさんの発想、着眼点、筆ありきの作品です。
今回は各組がバディーからトリオになることによって、もう一転がしできた。A案とB案を持っている2人に、全く違う角度からC案を持ち込める人がいる。僕たちだけではなく、指令室のクレイジーな女性2人にはツッコミ役として四角が加わって、トリオにはトリオの良さがあると思いました。
―― 個人的にはカレーにまつわる指令室のトークが頭に残りました。
豊川 まともに聞いちゃダメですよ。まともに聞かない方がいい。
中村 共感する人いました?
―― うーん……。
中村 面白変人たちばっかでしょ。本人たちもせりふの意味を理解せずにやるんですよ。
―― 逆インタビューされてしまいましたが、ご自身が演じた以外で共感できるキャラっていますか?
豊川 共感できる……? 誰だろうか。
中村 1人もいないな。
豊川 1人もいない。
中村 変なドラマだなぁ。
豊川 もはやみんな共感できるといえば、そうなのかもね。どのキャラクターもみんな本当に、いとおしくなるようなかわいい人たちばかりで、「何をそんなに真面目になってんの?」「何そんなムキになってんの?」と思えるほど。共通しているのは、みんな自分に正直な人たち。うそがつけない人たちが集まっているんでしょう。
中村 愛すべき必死さみたいものは、共通してるかもしれませんね。
―― きれいにまとめていただきありがとうございます。最後にシーズン2の見どころを教えてください。
豊川 見どころは全部。強いて挙げるなら、シーズン1と比べたときの最大の違いになるトリオ化。……とは思いますが、「結局トリオになっててもバディーじゃねえか」という時田と椎名の収まりのよさは、また前回とはちょっと違う視点で楽しめるんじゃないかなと思います。
中村 僕らもそうですし、司令室も犯罪者チームも、なんだかうまいこと転がっていてチームワークの妙を感じられます。個々人の仕事ももちろん、それぞれの化学反応で脚本からさらにパワーアップしています。僕たちの最大公倍数が出せました。
シーズン1もそうでしたけど、結局僕自身が強火の時田ファンなんです。今回も時田さんにキュンキュンするので、ぜひ日々の栄養補給のために時田さんを見ていただければ。一緒に見守ってください。
―― つまり2人は相思相愛、おあとがよろしいようで。ありがとうございました!
『No Activity』シーズン2
9月13日(金)から Prime Videoで独占配信中
出演:豊川悦司、中村倫也/木村佳乃、清野菜名/高橋克典、白石麻衣、岡部大(ハナコ)、清水尋也
監督:英勉 脚本:じろう(シソンヌ)、土屋亮一、今井太郎
音楽:松本晃彦
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