「奥が深いなぁ~」 スペシャリストが検証する“コーヒーを入れるお湯の量”のベストは→意外な結果がタメになる(1/2 ページ)
なんて参考になる動画。
コーヒーの同じ粉量に対して3パターンのお湯の量で抽出し、スペシャリストが検証する動画がYouTubeで話題に。コーヒーをおいしく飲みたい人にとってタメになる内容に注目が集まり、記事執筆現在までに1万回以上再生されています。
この動画を公開したのは、UCCが運営しているコーヒー専門教育機関「UCCコーヒーアカデミー」の公式YouTubeチャンネル(@ucc6096)です。
スペシャリストである専任講師が検証
今回、視聴者から「コーヒーをおいしくいれるためのポイントを教えてください」とリクエストされたため、専任講師である早川契史さんと村田果穂さんがコーヒーの粉の量に対する湯量の比率「ブリューレシオ」を変えながら、味わいや風味がどう変化するのかを検証しました。
ブリューレシオとは、コーヒーの粉量を1として考えたときに使用する湯量がどれくらいなのかを表した抽出比率のことです。例えば、コーヒーの粉量を10グラム、お湯の量を150ccとすると、ブリューレシオの比率は1:15となり、お湯の比率が小さくなるとコーヒーの濃度があがります。ブリューレシオを意識することにより、レシピが組みやすくなるとのことです。
なお、ブリューレシオの目安としてはUCCゴールドスペシャル/スペシャルブレンドは1:13。また、スペシャリティコーヒー(※)になると良い成分が詰まってはいるものの、豆が硬かったり浅炒りだったりして抽出しづらいこともあり、湯量が多い、すなわち抽出時間が長くなる1:15の比率が多いそうです。
(※)SCAA(アメリカスペシャルティ協会)カッピング基準で80点以上、生産者が把握されている厳正な管理が行き届いた高品質のコーヒーのこと
今回の検証ではホンジュラスのスペシャリティコーヒーを使用して、1:13、1:15、1:17の比率で検証しました。なお、粉量は一律12グラム、湯量はそれぞれ156cc、180cc、204ccと厳密に計測しています。
検証開始!
検証では、それぞれの比率のコーヒーを一気にいれていきます。湯量が違うため、抽出時間が一番少ない1:13で1分30秒となり、あとは10秒ずつほど長くなりました。コーヒーは一投式で抽出し、蒸らしの20秒後に最後の湯量まで真ん中に小さな円を描きながら一投でいれました。
なお、今回はTDS(Total Dissolved Solids)も計測。これはコーヒーの液体の中に水以外の成分がどれほど入っているかをパーセンテージで示した値になります。
スペシャリストが試飲した結果
計測後、早川さんと村田さん、そしてスタッフが実際に試飲して味わいや風味について分析しました。
まず、TDSが1.3パーセントとなった1:13は、色合いが一番濃くなったものの抽出時間が短かったこともあり成分が出きっておらず、物足りなさを感じたと早川さん。村田さんもこれについては未抽出感があると述べていました。
1:15について村田さんは、意外と酸や苦みが強いとコメント。また、粒度(コーヒーの粒の大きさ)を変えれば良かったかもしれないという意見は早川さんと一致していました。
1:17について早川さんは、改良の余地があると分析。このままでもバランスは良いものの、お湯の温度や粒度など他の要因を変えたらもっと良くなる気がするとのこと。一方で村田さんは1:17が3パターンの中では一番好きだとしながらも、1:15と1:17の中間が良いかもしれないとコメントしました。
早川さんも、スタッフから「ベストの比率を求めるのであれば、もう1パターン増やすとするとどのような比率が良いですか?」と質問されると、1:16がベストではないかと答えていました。
なお、ベストな比率は豆によっても異なるため、比較して自分の好みを見つけてみてほしいと伝えています。
ブリューレシオ比較動画への反響
この動画には「楽しく拝見してます」「ブリューレシオ、湯温、粒度、抽出時間や注ぎ方を同じにしても、微妙な味がわいが変わるので、奥が深いなぁ~と、いつも感じています」という声の他、「ホットもアイスも基本的に1:15で大体美味しく作れています」「ハリオ珈琲王2でも1対16でいれてます。スペシャルティコーヒーだとちょうどいい具合です!」と普段からブリューレシオを意識して飲んでいる“コーヒーガチ勢”からの声も届いていました。
画像はYouTubeチャンネル「UCCコーヒーアカデミー」(@ucc6096)から引用
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