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ゲームみたいな“炎の剣”、3Dプリンタで作ってみたら…… 攻撃力高すぎる出来映えに「ファンタジー映画から出てきたよう」「ヒノカミ神楽」【米】(1/2 ページ)

めっちゃ燃えてる!

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 炎を吹き出す剣を作って試し斬りする動画がYouTubeに投稿されました。ビジュアルの強さとその攻撃力が反響を呼び、記事執筆時点で198万回以上再生され、6万3000件のいいねを集めています。

I Made a Sword that Melts Everything

金属を造形できる特殊な3Dプリンター

 投稿者は、“クールなもの”を作ったりテストしたりするのが好きなマイク・シェイクさんのYouTubeチャンネル「Mike Shake」。今回は炎を吹き出す剣を作ります。

 剣の刀身は3Dプリンターで製作。通常の3Dプリンターは樹脂により造形しますが、金属を造形できる特殊な3Dプリンターがあるそうです。金属の粉末の層をレーザーで溶かしてかたまりを作り、次の粉末層を上に重ねてレーザーで溶かすことを繰り返していくと立体物を製作できます。

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 このとき、レーザーの動きが速すぎたり強度が低かったりすると、粉末が完全に溶けきれず多孔質(微細な穴がたくさんある状態)の金属ができてしまうのですが、これには意外な使い道があることがわかりました。

 この多孔質の金属でナイフを作り、刀身に空気を送るとパン生地のような粘着性の高い素材を切ったときでも、まったくこびりつかないのです。これに着目したあるYouTuberが、多孔質の金属製のナイフにガスを送って着火する動画を投稿。これを見たマイクさんは炎を吹き出す剣を思いついたそうです。

多孔質金属の刀身が完成

 剣の大きさにするにはナイフよりも刀身を厚くする必要があります。軽量化とガスの通り道を確保するため、マイクさんは複雑な曲面を持つジャイロイド構造による多孔質の剣を3Dデータでデザイン。金属用の3Dプリンターの価格は100万米ドル(記事執筆時点のレートで1億5263万円)もしてさすがに買えないので、プリントは外部に依頼しました。


完成した多孔質金属の刀身

 完成品の刃渡りは79センチでマイクの腕の長さくらい。古代ローマのグラディウス剣よりは長く、ヴァイキングの剣よりは短いサイズです。厚さは、一番厚いところで約1.7センチとなっています。

 一度にプリントできる大きさに制限があるため、2回に分けてプリントしたものを刀身の真ん中あたりで溶接しています。なお、柄に収まる部分は炎を吹き出してはならないので多孔質にはなっていません。

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製作期間4カ月の剣が完成

 次にこの刀身を剣として使える状態に加工します。まずはアルミの板でつば作りです。つばには、手がすべって刀身に直接触れることのないよう、ストッパーとしての機能があるのはもちろん、この剣の場合は炎の熱を防ぐ目的もあります。アルミなら熱を分散させるのに最適です。

 手で握る柄のベースは木で作り、そこへ麻ひもを巻きつけた上からさらに革で包みます。これで、しっかりとしたグリップ感のある柄ができました。柄の末端に柄頭を取り付けると、剣全体の重心バランスがちょうどよく整います。


柄頭の取り付け

 最後に仕上げとして、刃に鋭さを加えるため研磨してみることにします。試しに多孔質金属のナイフをグラインダーにかけてみたところ、鋭くはなるものの穴が潰れて閉じてしまうことがわかったので、砥石を使い手作業で研ぎました。十分に鋭くなったところで4カ月をかけて製作した剣の完成です。

“火属性の魔法剣”が爆誕!

 完成した剣の柄頭にある穴にホースを取り付けてガスボンベに接続すると使用準備完了。元栓を開けてガスを流し着火すると刀身が炎につつまれました。めっちゃ燃えてる!

 マイクは「異世界からやってきた刀だ」と興奮し、ダイナミックに振り回します。たしかにこれは、異世界アニメやファンタジーゲームに登場する“火属性の魔法剣”のようです。

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火力を強めにしてみたところ

 刃身はすぐにすすけて黒くなりましたが、柄を握っている手は熱くならないとのことでした。

筋肉組織再現素材が溶けるように斬れる

 試し斬りもしてみます。固定せず台に置いただけのスイカ、水の入ったボトル、パイナップル、缶コーラの他、投げ上げたトマトを斬ってみますが、いずれも真っ二つ。切れ味は良く炎が消えてしまうこともありません。

 筋肉組織と同じ硬さに作ったいわゆる“弾道ゼラチン”も斬ってみます。同チャンネルでは以前、チェーンのムチで弾道ゼラチンを打撃してみましたが、表面に傷が付いただけでした。

 今回はテディベア形の弾道ゼラチンを用意。剣が跳ね返されると予想していましたが、見事に真っ二つとなりました。なんの抵抗もなかったそうです。

 そこで次に、炎の熱の影響を見るためにゆっくり斬ってみます。刃を縦にして押し付けたところ、バターが溶けるようにスーッと斬れました。これはすごい……!

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溶けるように斬れる弾道ゼラチン

 最後に、骨格を内部に持つ弾道ゼラチンの人体模型を斬ってみると、首の骨を折るように刃が入っていき、飛んで地面に転がったときに完全に首の骨が切断されました。

「ファンタジー映画から出てきたようだ」

 攻撃力ハンパない炎の剣を作ってみた動画に、「ファンタジー映画から出てきたようだ」「強度も素晴らしいね。もろいかと思ったら、よく持ちこたえている」「中世の戦場でこれが出てきたら、みんなパニックになって逃げ出すね」「マイクは剣に火属性のエンチャントを付けた!」「『鬼滅の刃』に出てくる“ヒノカミ神楽”と“日の呼吸”の技に似てますね」「煉獄ファンが集まってくる」という反応が寄せられています。

 マイクさんはこの他にも、攻撃力の高そうな武器を作る動画をいくつも投稿しています。

※画像は「Mike Shake」のYouTubeチャンネルより引用

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