Twitterにも「ソーシャル・ネットワーク」のようなドラマがあった?:せかにゅ
Twitterは3人の創業者が立ち上げたと言われているが、もう1人、Twitterの名付け親でありながら、Twitterの歴史に名が残されていない「忘れ去られた」創業者がいる。
Twitterは2006年3月に、ポッドキャストディレクトリサービス企業Odeoのジャック・ドーシー氏、Blogger創設者エバン・ウィリアムズ氏、ビズ・ストーン氏が立ち上げた。ドーシー氏が携帯メールを使って少人数のグループでコミュニケーションするツールとして考案し、当初のコードネームは「twttr」だった。プロトタイプはOdeoの社内ツールとして利用され、7月にフルバージョンが一般公開された。その後ウィリアムズ氏がTwitterごとOdeoを買い、Twitterを企業としてスピンオフした。
――Twitterはこのように生まれたと言われているが、もう1人の創設者がいるという。その「忘れ去られた創設者」ノア・グラス氏がBusiness Insider(BI)のインタビューに応えている。
「i started this(わたしがこれ(Twitter)を始めた)」――グラス氏はTwitterのプロフィールにこのように書いている。だが、これまで世間で語られてきたTwitterの物語には同氏の名はなかった。
グラス氏はウィリアムズ氏とともにOdeoを設立した。Odeoはポッドキャストディレクトリサービスを開発していたが、AppleがiTunesを立ち上げたことで行き詰まり、新たな製品を開発することにした。インタビューによると、グラス氏はドーシー氏が考案したTwitterに大ヒットの予感を感じ、積極的に推進した。Twitterという名前を考案したのもグラス氏だった。グラス氏が最もTwitterに熱心だったとOdeoの投資家はBIに語っており、ドーシー氏は3月のツイートで、「チームは小さかった。@Noah(グラス氏)が名前を考えて管理し、@florianとわたしがプログラムを書き、@Bizが署名した。すべてがOdeoと@Ev(ウィリアムズ氏)の下で動いていた」と記している。
グラス氏はTwitterをOdeoからスピンアウトするつもりで準備をしていた。だが2006年夏に、投資家に口出しされるOdeoの構造に不満を持っていたウィリアムズ氏が、投資家からOdeoとその資産を買収した。同氏はBloggerをGoogleに売却して多額の資金を得ていた。その後ウィリアムズ氏はグラス氏を解雇した。
「裏切られたと思った。友人に、会社に、信頼していた周りの人に、一緒に頑張った人たちに裏切られたと感じた」とグラス氏は当時を振り返って語っている。その後はかなりの時間を1人で過ごし、一人で働いていたという。
同氏は2年前にサンフランシスコからロサンゼルスに移ったが、3月にサンフランシスコに戻ってきた。「再びチームで仕事をすることへの一歩」のようなものだという。今のTwitterについては「中核に何か価値のあるものがあると思う」とし、「大きく成長する必要がある。彼らは過去数年に多くのことを試みたが、必ずしも正しいと言えないこともあった。Twitterにはまだ明らかになっていない真の可能性があると思う」と語っている。
グラス氏のインタビューが掲載された後、ウィリアムズ氏は自身のTwitterに次のように投稿している。「ノアのTwitterでの初期の貢献が十分に認められていないのは本当だ。それに、名前を考えたのも彼だ。素晴らしい名前だ」と。
新興IT企業の創業にまつわるトラブルと言えば、映画「ソーシャルネットワーク」の題材になったFacebookが知られている。創設者マーク・ザッカーバーグ氏のルームメイト、エドゥアルド・サベリン氏はFacebook創設者の1人だったが、その後追放された。サベリン氏はザッカーバーグ氏を訴えて、創業者としての肩書きを取り戻した。ザッカーバーグ氏にアイデアを盗まれたとして訴えていたウィンクルボス兄弟は、6500万ドルの和解条件を不服としていたが、先週、和解を受け入れるよう裁判所から命じられた。
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