「脳波で会話」が当たり前になる?――「脳波で動くネコミミ」仕掛け人が語る、脳波デバイスの未来シッポもぜひ実用化してほしい(2/4 ページ)

» 2011年06月17日 09時00分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

体験! 脳波ネコミミ

神谷 じゃあ、このへんで実際に体験してもらいましょうか。

―― 待ってました! ぜひ。

なかの じゃあちょっと失礼しますね。これを耳にかけて、それから耳たぶをはさみます。

(ネコミミ装着。さっそく耳がピッと立つ)

―― あれ、もう動いてますか?

なかの いま耳が立ってるのは集中してる状態ですね。あ、めっちゃ回った。

現在のnecomimiは、ネコミミ本体+Androidアプリのセットで構成されている。脳波はタブレットの方で確認できる

(耳がクルクルと回転)

なかの いま回転してるのは、集中とリラックスの両方が高まってる状態。

神谷 これはすごくいいんです。肩の力は抜けてるんだけど、集中はしてる。プロ野球選手とか、調子がいいと「ボールが止まって見える」って言うじゃないですか。いわゆる「集中ゾーン」に入ってる状態ですね。

―― へえ。

なかの じゃあ今度はちょっとリラックスしてみましょうか。

―― はい。

なかの 息をふーって長めに吐くと……。

―― ふーっ。

(ネコミミ、垂れる)

なかの すごい上手ですね! あ、また回った。

(またクルクルと回転)

神谷 すごいすごい。なかなかこんなに回ったりしないものなんですよ。

―― ホントですか?(笑)。

(垂れる)

なかの あ、笑ったのでちょっとリラックスしましたね。

カメラマン 垂れてる写真撮りたいので、しばらくそのまま笑っておいてください。

(ピッと立つ)

カメラマン あっ。

―― そう言われると集中しちゃう!

なかの 深呼吸してみてください。あと目を閉じるのが一番有効ですね。視覚的な刺激がなくなるので。

―― ふーっ。

(一瞬だけ垂れる)

カメラマン おっ。

(もどる)

カメラマン ちょっと!

―― プレッシャーをかけるからですよ!

(一同爆笑)

なかの けっこう恥ずかしいですよね、考えてることがダダ漏れになるのって。

―― ホントですね。例えばこの状態でエッチな画像とか見たらやっぱり……。

なかの エッチなこと考えたら回ったって人もいましたよ(笑)。

「垂れたままにしておいてください!」「はい!(ピン!)」

1人で1年くらいの間ずっと「ネコミミ〜!」って言ってた

―― 満喫しました(笑)。動きのパターンは全部でどれくらいですか?

なかの 今は「立つ」、「垂れる」、「回る」ですね。

神谷 あとニュートラルな状態もあるので、実質4パターンかな。

―― でもよりによってなぜ「脳波で動くネコミミ」を作ろうと思ったんですか?

加賀谷 確か5年くらい前だったかな、北米のゲームイベントで「E3」ってありますよね。そこでEmotivって会社が、プレイヤーの脳波をキャッチして、ゲームの難易度を変えるっていう未来像をプレゼンしてたんです。それを見た時に、これは来るなと思って。

―― じゃあ、きっかけはE3?

加賀谷 その前にもいくつかあったんですけどね。NHKスペシャルで立花隆が取材してた「サイボーグ技術が人類を変える」とか。あれを見て、これからはもうブレインコンピュータインタフェース(BCI)の時代なんだと。でもそう簡単には普及しなかったですね、やっぱり。

―― 基本的な質問で恐縮ですが、3人はどういった関係なんですか?

神谷 みんな普段は別々の会社で働いている友人です。私は日ごろ「新しいコミュニケーションを作る」という仕事に関わっているんですが、今回は外の友人とプロジェクトを進めてみたいと思って、2人に手伝ってもらっています。

加賀谷 僕の場合はテクノロジーコンサルタントという形でお手伝いしています。

―― その「新しいコミュニケーション」の題材に、ネコミミを選んだのはなぜ?

なかの コミュニケーションが今後進んでいく中で、脳波って必ず出てくるだろうな、というのは私も思っていたんです。ただ脳波って、頭にセンサーをつけないと取れない。なら頭につけてもヘンじゃないもの、どうせだったらカワイイものをつけたらいいんじゃないかと。

―― それでネコミミに。

なかの 人間に本来持ってない器官がついたら新しい体験になるんじゃないか、というのもありました。

―― 犬なんか、嬉しいときにしっぽをブンブン振っちゃったりしますけど、あんな気分でした。

なかの しっぽを作れってメールは異常に多かったですね(笑)。あとはいわゆるクールジャパン、アニメ文化のようなものが、世界に発信していくにあたって分かりやすいアイコンになるかなと。

―― 3人が集まってから、こうして実物を見せられるようになるまで、どれくらいかかりましたか?

神谷 なかのさんがマインドセットを買ってきて、ひとりで盛り上がってたのが1年前くらい?

なかの あれはもう1年半くらい前ですけど、それから1年くらいなんにも手を付けなかったじゃないですか(笑)。

神谷 企画を考えはじめたのが去年の10月くらい。本格的に製作にかかりはじめたのは、今年に入ってからだったよね。

なかの 構想1年、製作半年くらい。

―― 構想の期間が長かった。

なかの 構想というか、わたしが一人で1年くらいの間ずっと「ネコミミ〜!」って言ってた。

神谷 あれは構想というか、妄想だったね。

加賀谷 我々はとりあえず「好きにやってみれば」と思ってた。

神谷 脳波が来るとは言ってたけど、それがネコミミかよ! って(笑)。でもまあ、ネコミミならキャッチーだし、プロトタイプとしてはいいかな、でもたぶんウケないよね、って思ってたらこうなっちゃった。

なかの あのころはみんな失笑してましたよね。

―― じゃあ、今はしてやったりですね。

なかの ドヤ顔ですよ(笑)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  5. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  6. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  7. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  8. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  9. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  10. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」