ジブリが「禁じ手」解禁 「コクリコ坂」キャンペーンは「ネットを本格的」に
「今まで禁じ手にしてきたインターネットを本格的にやってみよう」――映画「「コクリコ坂から」のキャンペーンで、スタジオジブリとKDDIが組み、ネットを本格的に活用する。
「インターネットと距離を置いてきた」というスタジオジブリから新しい風が吹き始めた。最新作「コクリコ坂から」(7月16日公開)のキャンペーンでKDDIと組み、auの端末向けに限定動画を配信するなど、ネットを本格的に活用する。
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、ネットを活用したキャンペーンを「いつかはやらなきゃいけないと思った」と語る。それがこのタイミングとなった背景には、スタジオジブリで昨年末からプロデューサー見習いをしているドワンゴ川上量生会長の存在などがあったようだ。
セカイカメラを使った取り組みも
「コクリコ坂から」は、1980年に「なかよし」に連載された高橋千鶴さんの少女漫画(原作は佐山哲郎さん)が元になっている。東京オリンピックを翌年に控えた1963年の横浜市を舞台に、高校生の「純潔でまっすぐ」な思いを描く。監督は宮崎吾朗さん、主人公の「小松崎海」は女優の長澤まさみさん、「風間俊」は俳優の岡田准一さんが演じる。
キャンペーンでは、auの携帯電話とスマートフォン向けに予告編や宮崎吾朗監督のインタビュー映像、待ち受け画像などを配信する。横浜市では、「セカイカメラ」を使って1963年当時の風景を“疑似体験”できるほか、映画公開記念グッズをプレゼントするスタンプラリーも開催。キャンペーンサイトでは、横浜市で撮影したスナップ写真とメッセージを公開する。
ネット「今まで禁じ手にしてきた」が……
「今まで禁じ手にしてきたインターネットを本格的にやってみよう」――発表会に出席した鈴木プロデュサーはスタジオジブリの決意をこんな風に語る。広告代理店の提案で、もとは「某食品会社」とのタイアップになる予定だったが、鈴木プロデュサーがKDDI高橋誠専務と以前から交流があったことをきっかけにKDDIとの連携に発展したという。
とはいえ、最初から強くネットを意識していたわけではないようで、鈴木プロデューサーからKDDI高橋専務や雨宮俊武新規ビジネス推進本部長に「ネットを使わないでタイアップできないか」と尋ねたことも。「雨宮さんは怒ったし、高橋さんは眉間にしわを寄せて困った顔をしていた。こういう所で“この人たちは信用できるな”と思って」と、鈴木プロデューサーは明かす。
NTTドコモやソフトバンクモバイルからもタイアップの提案を受けたが、「(KDDIの)若い人が会社を引っ張るというところや建前でものを言わないところが良かった」(鈴木プロデューサー)
KDDIとのキャンペーンが決まったのは昨年11月。その翌月、鈴木プロデューサーはラジオの収録でドワンゴ川上会長と出会う。鈴木プロデューサーは「KDDIとのタイアップでは川上さんが大活躍してくれています」とコメント。高橋専務も「(川上会長がジブリにいることを)知らなかったの僕。ジブリに打ち合わせに行ったらいたんだよね(笑)キャンペーンのネットに関する部分は川上さんの知見がたくさん入ってます。川上さんの発想は斬新だし、僕も付き合いが長いし、安心感の中でいい仕事ができたと思う」と発表会後にうれしそうに語ってくれた。
「携帯に背を向けていた」宮崎駿監督、実は……
鈴木プロデュサーは、「デジタルやネット、携帯に背を向けている」と言われている宮崎駿監督に関するとっておきのエピソードも明かした。
あるとき会社で購入した携帯を宮崎駿監督に持たせた鈴木プロデューサー。「僕には『使ってないと』と聞いてもないのに言うんですが、会社で購入したのでね。記録をチェックするとかなりの頻度で使ってるんです(笑)」。この携帯がauだったことも「運命を感じている」と話していた。
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「スタジオジブリがネットにやってくる」
スタジオジブリの最新作「コクリコ坂から」の完成披露試写会の記者会見が、ニコニコ生放送で配信される。- 「ポニョ」サイトにジブリ史上最高の100万人 6割が30〜40代
「崖の上のポニョ」公式サイトの訪問者数が99万5000人となり、スタジオジブリ作品の映画サイトとして過去最高だった。30代(34%)、40代(29%)の比率が大きかった。
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