ニュース
» 2011年11月29日 11時00分 公開

マジシャン泣かせなネット配信だけど――伝統芸能「手妻」の若き継承者はニコ動で羽ばたく実はニコ厨(1/2 ページ)

江戸時代から伝わる日本独自の手品「手妻」を受け継ぐ藤山晃太郎さん(34)は実は“ニコ厨”。手妻の魅力を伝えるため、あえてマジシャン泣かせなネット配信に、ニコニコ動画とニコニコ生放送でチャレンジしている。

[笹山美波,ITmedia]

 3Dアクションゲーム「El Shaddai(エルシャダイ)」の予告編はネットでかなり有名だが、その予告編をユーザーが演じて再現した動画があるのはご存知だろうか。ニコニコ動画に昨年投稿され、再生回数は100万回を超えた。「何やってんだよw」と突っ込みたくなるその映像をまずはご覧あれ。


 タイトルは「エルシャダイ 演ってみた」。厚紙で作ったよろいや剣を身につけ、ゲームキャラになりきっている。途中でなぜかネコが出てきたり、「EL Shaddai」というタイトルロゴがつまようじで作られていたりと、少しチープでおかしな作りではあるが、元の映像をかなり忠実に再現している。視聴者からのコメントでも「デキが思ったよりいいw」「GJ」「すげえw」などと評判は上々だ。

 この動画で、金髪のかつらをかぶり、ゲームの主人公「イーノック」を演じている男性は藤山晃太郎さん(34)。実は、日本の伝統芸能「手妻(てづま)」の継承者だ。その一方で、ニコ動を愛し、β版の頃から利用している「良きニコ厨」でもある。さらには、ニコニコ生放送で手妻を有料配信する試みも始めた。藤山さんが伝統芸能とニコニコの融合にかける思いを聞いた。

ベストマジシャン1位に2年連続で選ばれる実力

画像 藤山晃太郎さん。「僕のドヤ顔ちゃんと撮れましたか?」と記者を笑わせてくれた。きりりとした顔立ちで、かなりのイケメンである

 手妻とは、江戸時代から伝わる日本独自の手品。「和妻」とも呼ばれ、97年には文化庁に「選択無形文化財」として選定された。和紙を卵やひよこに変化させたり、漆塗りの空箱から紅白の布や唐傘を出したりと、さまざまな演目で楽しませる。日本舞踊に決まった型や所作があるように、手妻にも基本の動きがあり、「〜してしんぜましょう」といった昔ながらの口調であいさつしながら、披露する。現代の手妻は、伝統的なネタを分かりやすくアレンジしたものが多いという。

 藤山さんは、手妻の大家である藤山新太郎さんに弟子入りして修行し、手妻を継承した。日本奇術協会が選定する「ベストマジシャン」第1位に2010年、11年の2年連続で選ばれている。「エルシャダイ 演ってみた」の動画の中では金髪のカツラをかぶっていたが、普段は黒髪のロングヘアを1つに結んでおり、サイドの刈り上げた髪と袴姿が印象的。「〜ございましょ」と口調も独特だ。

 手妻の面白さをより多くの人に知ってもらうため、演目や稽古風景をニコ動に投稿している。最初は09年4月にアップした「ダブルラリアット 回ってみたでござる」。直径2メートルほどの大きな金属の輪に両手でつかまり、VOCALOIDの人気曲「ダブルラリアット」に合わせ、体操選手のようにグルグルと回って見せた。これは藤山さんオリジナルの手妻「金輪舞」で、動画は42万回以上再生されている。

 投稿先にニコ動を選んだのは、藤山さんが「ニコ厨」だったから。今では手妻の動画のほかにも、藤山さんが漫画「聖☆おにいさん」のキャラ「梵天様」を演じる動画など、多くのネタ作品を投稿している。

 「エルシャダイ 演ってみた」が生まれたきっかけは「ノリ」だった。藤山さんがTwitterで「実写化しようよ」と友人たちに呼びかけ、制作した。メディア関係の仕事をしている友人たちだったため、綿密な企画書を作ったり、何カットを撮るなど「妙なプロ根性」を発揮。その結果「大人が全力でバカやってる」動画が出来たと、少し誇らしげに語る。


画像 「エルシャダイ 演ってみた」でイーノックを演じる藤山さんの“ドヤ顔”
画像 こちらは「ダブルラリアット 回ってみたでござる」を演じる藤山さんの目線カメラからの動画
画像 ニコ動の「お客様にウケるものを提供したい」との思いから、厳選した動画を投稿している。「聖☆おにいさん」の「梵天様」に扮したこちらの動画は自身もお気に入り

ニコニコ生放送にも挑戦

画像 藤山流の看板芸という「蝶のたはむれ」を演じる藤山さん

 藤山さんは手妻の公演をニコ生でライブ配信する試みも始めた。10月に三味線演奏家の杵家七三(56)さんと共催した、横浜にぎわい座での公演「二人会『信』」は、横浜市芸術文化振興財団(YAF)のニコ生ページ「YAFチャンネル」で500円で配信した。「ライブ配信すると会場にお客さんが来なくなるのでは」といった周囲からの反発もあったが、今年2月から入念に準備して実現させたという。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2112/01/news155.jpg 高嶋ちさ子、ダウン症の姉とさだまさしのコンサートへ 笑顔あふれる3ショットに「姉妹で素敵」「癒やされました」の声
  2. /nl/articles/2112/01/news182.jpg アイドルが「虚偽の発言」「繋がり行為」など複数の違反行為 ファンのため“卒業”を提案するもブロック→解雇へ
  3. /nl/articles/2112/02/news012.jpg 年末年始は特に注意! 空き巣未遂にあった実体験漫画に「怖い」「気をつけないと」
  4. /nl/articles/2112/02/news121.jpg 「俺、死ぬな」 はじめしゃちょー、5日続いた39度の熱で救急病院へ 4キロ減した“意外な原因”に「みなさんも気をつけて!」
  5. /nl/articles/2112/01/news186.jpg 「私の留守中に着払いで」藤本美貴、秘密の買い物が夫にバレる 庄司智春の粋な対応に反響「ミキティにメロメロじゃ」
  6. /nl/articles/2112/02/news081.jpg 「凸してきたお前に困惑」 朝倉未来「1000万円企画」巡る週刊誌取材を非難 一般人の母親“激撮”へ「ヤバすぎる!」
  7. /nl/articles/2112/02/news098.jpg 竹原慎二、“ガチンコ”2期生・藤野と18年ぶりの大ゲンカ ピー音連打の不穏な現場に「待ってました」「完全にあの頃の二人」
  8. /nl/articles/2112/01/news118.jpg 渡辺美奈代、公開した自宅リビングが広すぎて“お姫様のお部屋” ゴージャスな部屋へファン「センスまで抜群」
  9. /nl/articles/2112/01/news020.jpg 「キレッキレ!」「何回見ても笑えるwww」 白柴犬の激しすぎる後ろ足の動きに国内外から大反響
  10. /nl/articles/2112/01/news015.jpg 人斬りが仕事の男が化け狐に懐かれて…… “悲しい化け物”の漫画に胸が苦しくなる

先月の総合アクセスTOP10

  1. 池田エライザ、 “お腹が出ている”体形を指摘する声へ「気にしていません」 1年前には体重58キロ公表も
  2. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  3. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  4. 清原和博の元妻・亜希、16歳次男のレアショットを公開し反響 「スタイル抜群」「さすがモデルの遺伝子」
  5. 小林麻耶、おいっ子・めいっ子とのハロウィーン3ショットに反響 元気な姿に安堵の声が続々「幸せそうでなにより!」
  6. カエルに普段の50倍のエサをあげた結果…… 100点満点のリアクションに「想像以上で笑った」「癒やされました」
  7. 「左手は…どこ?」「片腕が消えてる」 中川翔子、謎が深まる“心霊疑惑”ショットにファン騒然
  8. 「家ではまともに歩けてない」 広田レオナ、左股関節に原因不明の“炎症” 夫から「凄い老けたと言われてます」
  9. 小林麻耶、髪ばっさりショートボブに「とても軽いです!」 ファンも反応「似合います」「気分も変わりますよね!」
  10. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」