ニュース
» 2011年12月19日 10時45分 公開

アニメとネットに本気のローソン エヴァやけいおん!コラボを仕掛ける、もう1人のあきこちゃん

ローソンのあきこちゃんと言えば、同社のTwitterアカウントなどに登場する公式キャラだが、もう1人の“あきこちゃん”をご存知だろうか。「けいおん!」とのコラボなど、同社のヒットキャンペーンを手掛ける張本人だ。

[宮本真希,ITmedia]
画像 白井さん

 ローソンのあきこちゃんと言えば、「ローソンTwitter店勤務」という設定の公式キャラだが、もう1人のあきこちゃんも忘れてはならない。同社CSV広告販促企画部アシスタントマネージャーの白井明子さん。「新世紀エヴァンゲリオン」「けいおん!」「魔法少女まどか☆マギカ」とのコラボなど、同社のヒットキャンペーンを手掛ける張本人だ。

 同社のキャンペーンはアニメファンからの注目度が高く、「けいおん!」との2回目のコラボをスタートした際は、Twitterで「ローソン」とつぶやかれる数が普段の10倍になったほど。「『ローソンはどこへ向かうんだ』とか言われてまして」と、白井さんは笑う。

 「Twitter」「Facebook」「foursquare」など数々の人気Webサービスを使って、全方位なネットキャンペーンを仕掛けているのも、白井さんの仕事だ。ほかのコンビニとは一味違う「ローソンクオリティ」なキャンペーンがどこから生まれるのか、Webとエンタメの達人である白井さんに聞いてみよう。

「おっかなびっくり」だったTwitter

画像 こちらはFacebookでからあげクンのクーポンをもらえるキャンペーン

 同社の広告販促企画部は総勢30人。「Ponta」「商品力強化」などのチームに分かれており、白井さんはもともと「エンタメ強化」の担当だった。エンタメといってもいわゆる萌えアニメとの関わりは薄く、ゆるキャラ「リラックマ」を使ったキャンペーンなどを手掛けていた。ネットには詳しくなく、2ちゃんねるやニコニコ動画は「怖い」とすら思っていたという。

 白井さんがエンタメに加え、Webマーケティングも担当するようになったのは2010年。少し前からTwitterが流行しており、同社はその年からWebを強化する方針を掲げていた。目的は店舗への送客で、まずはあきこちゃんのTwitter「@akiko_lawson」を「おっかなびっくり」開始。あらかじめつぶやきの原稿を1週間分用意し、十数人でチェックした上で投稿していたという。

画像 ソーシャルメディア活用企業トップ50

 @akiko_lawsonは10万人以上にフォローされる人気アカウントに。白井さんは「Webはリアルなものより先行優位がものすごく働く」と感じたという。その後も、Facebookでクーポンを配信したり、こえ部であきこちゃんの声優を募集したりと、人気のWebサービスをとことん活用。mixiページといった新しいサービスにもすかさず対応していった。

 今ではネットに強い企業というイメージすらある同社。アジャイルメディア・ネットワークが日本の大企業約300社を対象に調査し、ランキングで発表している「ソーシャルメディア活用企業トップ50」では、日本コカ・コーラ、サントリーホールディングスに続き3位に入った。現在同社が公式アカウントを開設しているWebサービスは16媒体に上る。

アニメキャンペーンの影の立役者? ローソンの“有識者会議”

画像 コラボグッズ

 このようにソーシャルメディアで獲得したファンに向けて白井さんが次に打ち出したのが、一連のアニメとのコラボだ。Twitterで人気のハッシュタグにアニメ関連のものが多かったことなどから、ソーシャルメディアのユーザーとアニメの親和性は高いと判断した。

 とはいえアニメにはさまざまなジャンルがある。白井さんは、社内でアニメ好きの人々と非公開のFacebookグループ――有識者会議と呼んでいる――を組み、情報交換。コア層向けか一般向けかなど、作品のポジションが分かるシートを作り、ネットユーザーにウケそうな作品を日夜研究している。

 コア層向け作品をさらに分解し、キャラの特徴をマッピングしたシートも作成している。この2つのシートを見れば、作品がどんな内容でどのような層に受けているのか、ほかと比べながら理解できるというわけ。白井さんは、アニメに詳しくない上司を説得するにも、このシートを活用しているそうだ。

 そんな努力の甲斐あって、まずコラボすることになったのは「新世紀エヴァンゲリオン」だ。期間限定のタイアップ商品を販売したり、箱根にある店舗を丸ごとエヴァ一色に装飾する“コンビニジャック”を展開したりした。箱根のエヴァコンビニには1日で通常の5倍近い5600人が来店し、大混雑に。周辺の道路が渋滞したり、深夜の騒音が問題となったため、3日で中止せざるを得ないという残念な結果に終わったが、キャンペーン自体は大いに話題になった。

 「新世紀エヴァンゲリオン」に続くアニメキャンペーンを考えていたとき、白井さんが出会ったのが「けいおん!」。アニメに詳しい社員に「絶対これイケる!」とすすめられコラボを決めた。キャンペーンの内容は、対象の商品を買うとクリアファイルがもらえたり、オリジナルグッズが当たるというもの。キャンペーンが0時にスタートすると、深夜にも関わらず店舗はアニメファンで賑わい、当時の同社のタイアップ企画で過去最高の売り上げを記録した。白井さんは、店舗にスライディングする勢いでなだれ込んでくる客を目撃したことがあるという。

 「けいおん!」キャンペーンは第2弾を今年5月に、第3弾を今年11月に実施した。第3弾初日の同社のWebサイトのページビューは、約7割が「けいおん!」フェアのページで占められた。店舗を丸ごと「けいおん!」仕様に装飾する試みも実施。“エヴァコンビニ”の失敗を反省して、事前告知は一切せず、深夜から装飾を始めたが、ファンの口コミや当日のニュース記事で広がり、翌朝には店頭に行列ができていた。ネットではローソン限定グッズを手に入れるために、対象商品を買い漁るファンの姿も報告されている。

画像 店舗を丸ごと「けいおん!」仕様に

 同社がアニメとのコラボを次々に展開できるにはいくつかわけがある。1つは、本や雑誌、DVDといったエンタメ系商材を店舗やネットなどあらゆるチャネルで購入できるようにする「エンタメ360度」という構想を掲げ、力を入れていること。もう1つは、三鷹の森ジブリ美術館のチケット販売などアニメキャンペーンの実績があること。さらに、47都道府県すべてに店舗を展開していることが、アニメの制作サイドから評価が高いと白井さんは語る。

次はソーシャルメディアで主婦もターゲットに

 現在のローソンの客層はM1層(20〜34歳男性)が中心だ。ソーシャルメディアとアニメを使ったキャンペーンでもおもな対象はM1層となっている。だがローソン全体としては女性客の拡大を課題に挙げており、テレビCMでは「ウチカフェスイーツ」など女性に受けそうな商品を訴求している。ソーシャルメディアでも今後は女性に向けたキャンペーンを打ち出していく計画だ。「GREEやMobageには地方に住んでいる女性ユーザーが多いと聞いているので、主婦などが来店する動線をソーシャルメディアで作りたいと思っている」と白井さんは語る。

 ミニストップが「侵略!イカ娘」とコラボしたキャンペーンを展開したり、ファミリーマートが「ベン・トー」のオリジナルグッズを販売したりと、ほかのコンビニ各社もアニメへの歩み寄りを強めている。もちろん白井さんも手を緩めるつもりはない。「『ローソンは分かってるな』と言われるのが最高の賛辞ですから」――次の仕掛けにも期待したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2205/15/news045.jpg 人気動画ジャンル「ゆっくり茶番劇」を第三者が商標登録し年10万円のライセンス契約を求める ZUNさん「法律に詳しい方に確認します」
  2. /nl/articles/2205/16/news094.jpg 「ゆっくり茶番劇」商標取得者の代理人が謝罪 「皆様に愛されている商標であることを存じておらず」「爆破予告については直ちに通報致しました」
  3. /nl/articles/2205/16/news075.jpg 有吉弘行、上島竜兵さんへ「本当にありがとうございますしかなかった」 涙ながらの追悼に「有吉さんが声を詰まらせるとは」
  4. /nl/articles/2205/15/news033.jpg 華原朋美、“隠し子”巡る夫の虚言癖に怒り「私はだまされて結婚」 家を飛び出した親に2歳息子も「もうパパとはいわなくなりました」
  5. /nl/articles/2205/16/news079.jpg キンコン西野、勝手に婚姻届を出される 「絶対コイツなんすよ」“妻になりかけた女性”の目星も
  6. /nl/articles/1908/19/news093.jpg 任天堂が「草」を商標出願 → ネット民「草」「これは草」「草草の草」
  7. /nl/articles/2007/07/news115.jpg 電通、「アマビエ」の商標出願を取り下げ 「独占的かつ排他的な使用は全く想定しておりませんでした」
  8. /nl/articles/2205/14/news007.jpg 子猫のときは白かったのに→「思った3倍柄と色出た」 猫のビフォーアフターに「どっちもかわいい!」の声
  9. /nl/articles/2205/16/news124.jpg 大沢樹生、血縁関係がない息子と再会で“男飲み”2ショット 「2人が築いていってるものが素敵」「仲良しだね」
  10. /nl/articles/2205/11/news167.jpg 「あなたのAirpodsではありません」 隣の人がAirpodsの蓋を開け締めしているせいでiPadが操作できない話がおつらい

先週の総合アクセスTOP10

  1. 名倉潤、妻・渡辺満里奈との結婚17周年に“NY新婚旅行”ショット 「妻には感謝しかありません」と愛のメッセージも
  2. フワちゃん、指原莉乃同乗のクルマで事故 瞬間を伝える動画が「予想の10倍ぶつけてる」「笑い事ではない」と物議
  3. 植毛手術のいしだ壱成、イメチェンした“さっぱり短髪”が好評 「凄く似合ってます」「短い方が絶対いい」
  4. 渡辺裕之、66歳バースデーで息子と2ショット 合同誕生日会に「すごいお料理とケーキ」「イケメン息子さん」
  5. この写真の中に2人の狙撃手が隠れています 陸自が出したクイズが難しすぎて人気 まじで分からん!
  6. 神田愛花アナ、バナナマン日村との“夫婦デート風景”にファンほっこり 「幸せあふれてる」「仲良くてステキ」
  7. 「ビビるくらい目が覚める」「生活クオリティ上がった」 品薄続く「ヤクルト1000」なぜ、いつから人気に? 「悪夢を見る」ウワサについても聞いてみた
  8. 山田孝之、芸能人として“3億円豪邸”に初お泊まり 突然泣き出すはじめしゃちょーをハグする異例展開で「本当にいい人」
  9. トム・クルーズ、4年ぶり来日をウマ娘が発表 突然の大物コラボに困惑する声「まず戸田奈津子さんに理解してもらうところから」
  10. 堀ちえみ、新居ダイニングの解体&再工事が完了 住居トラブルへの怒りも“夫の名言”で鎮火「ハッとしました」