「1+1は2を超える」、だから共有を――Googleが災害対応で学んだ3つのこと:今後の課題は“オフライン”(1/2 ページ)
間もなく東日本大震災から1年。Googleは今年の3.11に再び「Person Finder」を試験稼働させる。同社の危機対応チームを第三者の目で検証する特設サイトも立ち上げた。そんなGoogleがこの1年で学んだ3つのポイントとは――。
間もなく東日本大震災から1年を迎える。Googleは震災直後から、「Person Finder」や「自動車・通行実績情報マップ」、被災地のストリートビューといった関連サービスを立て続けに公開してきた。危機対応にあたるクライシスレスポンスチームは現在も手を止めることなく対応にあたっている。
同チームの1人、賀沢秀人シニアエンジニアリングマネージャーは震災対応で3つのことを学んだという。1つは「スピード」。とにかく早くサービスを出していくことが肝心と話す。実際、今回のPerson Finderは地震発生から1時間46分後にはオープンするという早業だった。
「未曾有の災害で手探りの状況のなか、考えても答えは出ない。必要だと思ったものはとにかく作って公開して、伸ばしていこうと。役に立たないと分かったものは止めてしまう。時々刻々な現場で、早くサービスを出すことは非常に大切だ」(賀沢さん)
2つ目は「共有」だ。昨年3月14日に稼働した避難所名簿の共有サービスでは、被災地から写メールで名簿が大量に届いた。さらにボランティアのネットユーザー5000人がその名簿を手作業でテキストに起こし、最終的には14万件の情報がPerson Finderに入力された。
これだけの規模の協力をユーザーから得られたことは、Googleにとっても想定外だった。「1+1は2を超える」と賀沢さん。「情報を持つ人もどこへ伝えて良いか分からない。だから我々のような“箱”を使って伝えていく。ネットの力が最大限発揮されたのではないか」と力説する。
3つ目は「備える」ことの重要性。Googleの震災対応サービスは、新聞社やテレビ局、携帯電話会社などさまざまなパートナー企業の協力で成り立ってきた。しかも賀沢さんいわく「通常はあり得ないスピードで情報を提供頂いた」が、次同じような災害が起こったときも「これでいいのか?」という思いがある。
「災害が起きた時点で“スタート”できていないといけない。1回目は仕方ないかもしれないが、次は繰り返すわけにはいかない」。今後は災害に備えて、普段からパートナーを積極的に探していく。「情報はただためこんでも、丸投げしてもダメ。出口、入口が大事だ」。
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