編集部一ネコに愛されているのは誰か選手権、開幕です!:負けられない戦い(4/5 ページ)
誰が生きているネコ限定と言った?(戦略:ズル)
この対決が提案された時、勝負は見えていたと思う。いや、もはや勝負にすらならずに圧勝できると決めつけていた節があった。対決の場が谷中と決まった時、記者たちがどう歩くか、どんなアイテムを持ち込むかで盛り上がっている中、この対決が「生きているネコに限定していない」ことに気づいた者がいなかったのだから。この勝負、加藤がもらった。
谷中は言わずと知れたネコの街。もちろん生きているネコも多く見られるが、ネコグッズや看板猫がいる店が多いことを知っていた。なんせ谷中の隣、日暮里に住んでいたことがある土地勘がそれを裏付けていた。
「勝ったな」「ああ」――。脳内にいる碇ゲンドウと冬月コウゾウが余裕の勝利宣言をした頃、対決の開催時間が午前中に設定されたことをすっかり聞き逃していたのを後から知ることになる。
戦略は谷中にあるネコグッズやネコカフェ、ネコが確実にいる店舗をまわりながら偶然出会えたら街中のネコを撮影していくというもの。実に合理的でシンプル。偶然出会えたって1〜2匹が関の山だろう。いくらネコが多い街とはいえ、やみくもに動いたところで疲れるだけだ。当日いきなりの撮影許可となるが、もしかしたらいくつかの店舗のうち、1つくらいは快く許可してくれるかもしれない。そうしたらあとは時間が過ぎるまでそのネコたちと戯れつつ、いろんな角度から撮影すればいいだけではないか。
こうして特にアイテムを用意することなく対決を前日に控えた夜、その集合時間を確認して青ざめることになる。3月22日午前10時、日暮里駅に集まった時、嫌な予感はやっぱり現実のものとなった。
まず駅近くのネコの多くいるとある居酒屋に行き、そこから招き猫が置いてある谷中堂に寄り、ギャラリー猫町、猫町カフェ29、そしてねんねこ屋と赴き、そして集合地点に戻るだけの完璧なコース……。しかし、午前10時には開いていなかった。どこも開いていない。開いていない!!
さて、とりあえず予定どおりに歩いてみることにした。すでにノープラン。これでは廣渡記者とかぶってしまうじゃないか! 開いていない店舗の前で、なんとなく看板や置物を撮影していく。それでも、店番をしている飼い猫に出会った時には涙が出そうになった。ネコ充! これをネコ充と言わずになんとする。
開店前だというのに呼びこみとはなんと出来たネコだこと。いろんな角度から撮影したのち、後ろ髪引かれつつ望みが薄いねんねこ屋へと移動する。途中、どこかに猫を捜し、路地裏の窓や交差点やなんなら新聞の隅でさえもこんなとこにいるはずもないのに捜す。なんとなく「One More Time, One More Chance」が脳内に流れてくる。桜木町じゃなくてここは谷中だけど。
谷中の猫マップがもらえるねんねこ屋さんも当然お休み。分かっていたのでショックも小さい。なんとなく外観だけ撮影したら早くも制限時間が近づいていることに気がついた。さっきの1匹だけなのか? いや、途中撮影したネコグッズを本当に使わざるをえないのか? と今さらながら言い訳を考えていると、谷中2匹目のネコ発見! 会いたかった!
気持ちよさそうに昼寝中のネコさん。まったく近寄っても意に介さない。先ほどの猫は飼いネコだったが、こちらのネコは野良だろうか? かなりの大物ぶりで、土地柄か人に慣れており結局一度も起きることなく撮影をこなしてタイムアップとなった。
結果2匹。でもネコ関連写真はけっこう撮影した。もうこうなればそれもカウントしてもらい、面の皮の厚いところを見せつけようと思った。
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