なぜ「さわやか」の「げんこつハンバーグ」は静岡でしか食べられないのか実は全国チェーンだと思ってました……

静岡のご当地グルメと言えば、静岡おでんや富士宮やきそばなどが有名。しかし、本当に静岡でしか食べられないグルメと言ったら、やっぱり「さわやかのげんこつハンバーグ」だろう。

» 2012年04月04日 15時17分 公開
[池谷勇人ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 静岡にあって他の県にないもののと言えば、やっぱり「さわやか」の「げんこつハンバーグ」だと思う。B級グルメブームのおかげで「静岡おでん」や「富士宮やきそば」などは県外でもわりと見かけるようになったが、あの肉汁たっぷりの炭焼きハンバーグは、いまだに静岡まで足を運ばないと食べられない。

画像 これがげんこつハンバーグ。静岡県民なら一度は食べたことがあるのでは

 「炭焼きレストラン さわやか」は、静岡県内に28店舗を構えるステーキ・ハンバーグのお店。看板メニューは何と言っても、牛肉100パーセントの「げんこつハンバーグ」で、このためにわざわざ県外から足を運ぶという人も少なくないという。

 ユニークなのはその食べ方だ。最初に鉄板に乗って出てくるのは、まん丸な「げんこつ型」。この状態では中まで火が通っていないが、食べる直前、店員さんがこれを目の前で半分にカットし、熱々の鉄板に押しつけて焼き上げてくれる。鉄板の上でジュージューと焼ける肉汁の音が、たまらなく食欲をそそる。

画像 最初はまん丸な「げんこつ型」で出てくる

画像 ここへおもむろにザクッ、とナイフ投入!

画像 このままでは、中はまだ真っ赤っかの生焼け状態

画像 これをジュウーッ! と鉄板に焼き付ける!

画像 さらにジュウーッ! 立ち上る煙がたまらない

画像 最後に形をふわっと整えて……

画像 ソースをかけて、できあがり

 オススメの焼き加減は、中がまだちょっと赤い状態で食べるミディアム。肉はやわらかいままで、なおかつ油がちょうど溶け出す「45度」まで熱するのがポイントだそうだ。

 外側は炭火でしっかりと焼かれていて、口に入れると歯にギュギュッと弾力が伝わってくる。一方、中はユッケのような食感で、噛むほどに肉の甘みと旨みが広がる。オニオンソースの甘酸っぱさが、肉汁のうまみをさらに引き立てる。この味と食べ方は創業当時から変わっていないという。

画像 中はまだちょっと赤いが、熱はしっかり通っていて、赤身のうまみが存分に味わえる。「ステーキを食べやすくしたのがハンバーグ」というのがさわやかのポリシーだ

画像 店内にも「中身が赤い程度=肉汁たっぷり」と書かれたパネルが。苦手な人は注文時によく焼いてほしい旨を伝えておこう

 「県外に出店する予定はないんですか?」と聞いてみたが、残念ながら今のところその予定はないそうだ。

 大きな理由は、味と品質へのこだわりにある。さわやかで使われるハンバーグは、袋井市にある本社工場から、毎日お店の発注に応じて出荷される。その日届いたお肉はその日のうちに使い切るのが原則で、賞味期限も非常に短い。静岡でしか食べられないのは、工場から直送できる距離に限界があるためだ。

 筆者も実は静岡出身だが、上京したてのころ、東京にはさわやかがないと知って絶句した。静岡県民の中には全国チェーンだと思っている人も多く、帰省したらまずはげんこつハンバーグを食べにいく、という人も少なくないという。

「ホントかどうか分かりませんが、孫が久しぶりに帰省するというので、家でごちそうを準備していたら、『それよりさわやかへ行きたい』と言われてショックを受けた――なんて話も聞いたことがあります(笑)。特に浜松は10店舗くらいあるので、どこにでもあるお店だと思っている人が多いみたいですね」(広報)

 静岡でしか食べられない、絶品「げんこつハンバーグ」。もしも静岡を訪れる機会があったら、ぜひ探して食べてみてほしい。「静岡おでん」や「富士宮やきそば」だけが静岡グルメじゃないよ!

画像 緑と赤の看板が目印。静岡県内では本当によく見かける

画像 木の暖かみを活かした店内デザインもステキ。夕食どきなどはいつも待たないと入れないほどの混雑ぶりだ

画像 完食! ごちそうさまでした


関連キーワード

グルメ | 帰省 | ご当地 | 飲食店


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」