「表情はあいまいに」「ブーケトスでは逃げない」――「離婚式」のマナー教える講座が開講

意外に知られていない「離婚式」のマナー。いざ参列する段になって慌てないように、この講座で学んでおきましょう。

» 2012年05月30日 10時42分 公開
[池谷勇人,ITmedia]
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 近年増えつつあるという「離婚式」。そんな「離婚式」に参列する人のための「離婚式マナー講座」が5月26日、港区の「勉強カフェ 田町ラーニングスタジオ」にて開講した。講座は全5回で、受講料は1回2200円。「どういう表情で参加すればいいのか分からない」「御終儀はいくらが相場?」といった参加者の疑問に答える。

画像 講師を務めた田中あづみさん 

 冗談みたいだが、実際に「離婚式」を挙げる夫婦が近年、増えているのだそうだ。離婚式プランナーの寺井広樹さんによると、この仕事を始めてからの3年間で、すでに130組以上の離婚式をプロデュースしてきたという。

 「離婚式は再出発式なんです」と語るのは、マナー講座で講師を務める田中あづみさん。家族や友人の前できっぱりと「再出発の決意」を誓い、ケジメをつけたうえで新しいスタートをきる――というところに「離婚式」の目的がある。田中さんも幼くして両親の離婚を経験したが、当時は父親がいないとは周りに言えず、ずいぶん辛い思いをした。「離婚式があれば、友達にウソをついたり、母親に離婚理由をしつこく聞いて困らせたりすることもなかった」と子供時代を振り返る。

画像 講座は1回2時間。1回完結なのでどこから参加してもOKだ

 第1回の講座では「参列者編」と題し、離婚式に招かれた人たちのマナーについてレクチャーした。招待ハガキはどのように返信したらいいか、服装はどのようなものが望ましいか、御終儀はいくら包むべきか、拍手はどのタイミングで行うべきか――。驚いたことに、会場は立ち見も出るほどの盛況ぶり。参加者の中には「ここへ来る前に、実際に離婚式に参加してきた」という人もいた。

 小さい頃から「結婚式はあるのになぜ離婚式がないのか不思議だった」と語る寺井さん。離婚式プランナーをはじめたきっかけは3年前にさかのぼる。大学の先輩の離婚式をプロデュースし、そのとき参列した女性から「私の離婚式もお願いしたい」と声がかかったことで、他の人の離婚式も手がけるようになった。最初は口コミでじわじわと広がっていったが、やがてメディアにも取り上げられるようになり一躍脚光を浴びる存在に。今では「離婚式プラン」を独自に展開しているホテルもあるそうだ。

 離婚式のクライマックスでは「最後の共同作業」として、旧郎・旧婦がハンマーを2人で持ち、結婚指輪を叩き壊す。ブーケトスは旧郎(かつての新郎)が投げるのが離婚式の決まりで、受け取った人は次に「円満離婚」できるという。講座の後半では実際に「指輪叩き割りの儀」やブーケトスのロールプレイングも行われた。

画像 旧郎・旧婦による指輪破壊の儀。参列者は「あいまいな表情」で見守り「2秒待ってから笑顔で拍手」がマナー

画像 ブーケから逃げるのはマナー違反なので、ちゃんと受け取ること

 第2回のマナー講座は「旧郎・旧婦編」で、6月9日に開催予定。各1回完結なので、途中からの参加もOKだ。また今後は、銀座のエステサロンと提携し「綺麗になって夫を見返したい」という女性向けのトータルケアプランなども提供していくという。

 「離婚式という考え方がもっと広まれば、離婚をもっとポジティブにとらえられるようになるかもしれない」と寺井さんは語る。日本では現在、3組に1組の夫婦が離婚しているという。いつ呼ばれるかもしれない「離婚式」に備えて、どういう場なのかくらいは知っておいてもいいかもしれない。

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