脱ぎたがる女たちが増えている? “今の私”を残せるヌード専門スタジオに行ってきた(4/4 ページ)
20代から60代まで「今の美しさを残したい」女性が集まる
当初はマタニティーヌードを専門に撮るスタジオだった。きっかけはマネージャーの梅本さんが第1子を出産した2009年、お腹が大きくなった状態を見て「自分の身体がこんなふうに変化するとは面白い。記念に残しておきたい」と感じ、知り合いのカメラマンにマタニティーヌードを撮影してもらったこと。それからマタニティとベビー専門のフォトスタジオ「HAPPY BIRTH PHOTO」をオープン。マタニティーヌードブームを盛り上げた。
今から2年ほど前、乳がんを宣告された女性から問い合わせがきた。それまで妊婦さん以外の撮影は断っていたが、その女性の依頼に対応することにした。「妊婦であることには期間限定の美しさがある。私たちはそんな女性の、“今の美しさ”を残すお手伝いをしてきた。乳がんで胸を切除する女性が、“胸のある今の私”を残しておきたいという気持ちは分かる。だから依頼に応えたいと思った」(梅本さん)
その女性を撮影した後、広告などの宣伝を出したわけでもなかったが、そのような病気などが原因で「身体が変化する前に写真を撮りたい」という女性たちからの依頼が、月に2〜3件来るようになった。梅本さんは「今の自分の美しさを残したい」という女性たちのために2010年、どんな女性でも撮影に来られるメモリアルヌードのスタジオもオープンすることを決めた。それがStudio ivyだ。
訪れる女性は20代から60代までと幅広いが、30代後半がコア層だという。明らかに身体が変わっていく時期でもあるが、最近はそれを衰えではなく、成熟した女性として美しさが増していると考える風潮へと変化している。「必ずしも若さだけが美しさではない。また芸能人だけではなく一般人も、自分のキレイを残しておくということは、決して特別なことではなくなってきた」(梅本さん)。
女性であることを楽しみたい。自分の美しさを再確認したい。そういった願いを持ってスタジオへやってくる女性たちは、自分のコンプレックスを解消していくという。逆にこれは魅力なのかも知れないと振り返るのだ。だからこそ3人に1人は再訪するというほどリピート率も高い。撮影後すぐにもらえる写真を見て、感動して涙を流す人もいる。写真は自分で眺めたり、親密な人に見せる人が大半だ。
「撮影は自分の身体と向き合う時間。それを楽しんでもらいたい」と梅本さん。誰にでも目をつぶりたい箇所はある。どうしても自信のない部分がある。勇気を出して心もヌードになることで、新たに生まれるものがあり、消えていくものがあるのだろう。女性が女性であることを楽しむことを、そっと手伝ってくれるやさしいスタジオだった。ここを訪れて自分を好きになれる人が、これからも増えると良いなと思う。
Studio ivyでの撮影料金は、基本プラン(所要約1時間半、全撮影データをDVDで即日納品)で3万2000円。プリント・木製パネル加工・フォトブック・ポスター加工などオプションも受け付けている。非日常体験プレゼントサイトAmaze(アメイズ)では、姉妹店であるマタニティとベビー専門のフォトスタジオ「HAPPY BIRTH PHOTO」でスタンダード撮影が無料で出来る権利を3人にプレゼントするキャンペーンが6月18日からスタートする。
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